2006年4月16日

『変革力とリーダーシップ』

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4532111064
本日の一冊は、サンダーバードでMBAを取得、シリコンバレーを
拠点に組織コンサルタントとして活躍した著者が、組織変革のポイ
ントとリーダーの要件について述べた一冊です。

もともとオーエス出版(現インデックス・コミュニケーションズ)
から出ていた『変革リーダーの技術』を、文庫化にあたって大幅に
加筆修正したものです。

※参考:『変革リーダーの技術』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4757300891

内容は、「カリスマリーダー」神話を真っ向から否定するもので、
むしろ求められる要件や行動、実践課題などから、変革リーダーの
条件を明らかにしていく、といったもの。

変革に伴う課題を明確化し、現状打破のためのツール、求められる
リーダーの条件、人がついてくる理由などを具体的に示した点は、
じつに読み応えがあります。

掛け声だけでなかなか変われない、という組織にとっては極めて有
用な、救いの一冊となるかもしれません。

著者によれば、「変化が常態化した経営環境ではリーダーはトップ
マネジメントだけではなく、あらゆる機能、階層に必要」。

「できるビジネスパーソンの要件」としても読める内容ですので、
経営者以外の方もぜひ読んでみてください。

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■ 本日の赤ペンチェック
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企業文化は人の体にたとえると心理、意識の部分であり、それは行
動に影響を及ぼすのだ。この部分の変革抜きでは組織は変わらない

◆問題意識を共有するテンプレート
横軸に「これまで」と「これから」、縦軸に「外部環境」と「自社」を
置く

◆現状打破のツール・PPM(Pain Pleasure Matrix)
横軸に「Pain」と「Pleasure」、縦軸に「Change」と「Not Change」を
置く

変革力には現状打破と同時にビジョンを構想し、明示することは欠
かせないが、それだけでは組織は動かない。ビジョンを実現するロ
ードマップ、戦略が必要だ

◆ジョン・コッターの主張
マネジメントは複雑性への対応を意味し、一方リーダーシップは変
革に対応すること

◆リーダーの実践課題
1.現状打破 2.ビジョンの共有 3.協力育成
4.率先垂範 5.鼓舞激励

◆変革リーダーの5大マインドセット
1.現状に満足しない 2.リスクを恐れない 3.あきらめない
4.パラドックスに向き合う 5.バリューを重んじる

◆変革リーダーの5大スキルセット
1.ビジョンを描き、明確にコミュニケーションをとれるか
2.自分の持っているフィルターを自覚し、経験則を超えた概念を
  身に付けられるか
3.異なるバックグラウンドを持つメンバーを動機付け、チームと
  してまとめられるか
4.木を見ながら森を見られるか(システム思考を持っているか)
5.自分と組織に学習サイクルを組み込めるか

◆人はなぜついてきてくれるのか? ※一部紹介
・人格を持った存在として扱ってくれるのなら
・その気になるビジョンを示してくれるのなら
・自分の犯したミスに寛容になってくれるのなら
・私の話を聞いてくれるのなら
・リーダー自身、自分に確信をもてるのなら

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『変革力とリーダーシップ』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4532111064
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■目次■

第1章 変革の最前線から
第2章 それでは会社は変わらない
第3章 いまなぜ、「変革力」なのか?
第4章 変革力の本質
第5章 変革リーダーのマインドセットとスキルセット
第6章 変革の原理原則と成功要因
第7章 変革の仕掛けと運用の秘密
第8章 変革への抵抗をどうするのか?
第9章 変革支援のコンサルタント、その役割と条件
第10章 変革リーダー、直面する課題を超えて

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