2011年7月21日
【消費が変わった=世界最大のデータベースからわかること】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4833419661
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震災後、売れているのは涼感衣料、ボランティアツアー、中古車、牛丼、結婚指輪、扇風機、LED電球、太陽光発電システムだとか。
日経MJが2011年上期のヒット商品番付を分析したところによると、「今回の番付の鍵を握るのは3つのS、Save(セーブ=救う・省く)、Social(ソーシャル=社会的)、Sympathy(シンパシー=共感)」だったそうです。
高級ブランド離れ、エコ商品の隆盛、つながりを求めるSNSの大流行…。消費行動の急速な変化を受け、企業は迅速な対応を余儀なくされています。
そこで知っておきたいのが、トレンド先進国、アメリカの状況。
2008年のリーマンショック以降、消費が冷え込んだアメリカで、どんな変化が起きているのか、企業はそれにどう対応しているのか。
本日の一冊は、そんな消費トレンドを解説したマーケティング本です。
『スペンド・シフト』は、国際的マーケティング・コミュニケーション企業、ヤング&ルビカムが持つ、世界最大のデータベースを公開した、注目の一冊。
17年にわたりストックしてきた120万人以上におよぶデータベース、BAV(ブランド・アセット・バリュエーター)をもとに、人々の購買行動がどう変化(スペンド・シフト)したかを分析した、マーケター必読の一冊です。
このBAVには、「五〇カ国以上、四万超のブランドのデータが蓄積されており、アメリカだけで一万七〇〇〇人分の購買・社会意識アンケート結果が四半期ごとに加わる」そうで、データからは、消費者の購買意識から、どのブランドが支持されているかまで、はっきりとトレンドが読み取れます。
「富裕層向け」(60%減)「お高くとまった」(41%減)から、親切で思いやりがある(391%増)「親しみのある」(148%増)へのシフト、地域や家族とのつながり、DIY重視の志向など、興味深いトレンドの変化が見えてきます。
なかには、マイクロソフトの方が「誠実さ、リーダーシップ、信頼性、社会的責任感といった項目でアップルよりも三〇%超も高い評価」といった意外なデータや、ダラスで起こった卵の自給自足ブーム(各家庭がニワトリを飼った)など、日本ではあまり聞かない話もあり、読者を飽きさせることがありません。
どんな企業が今、アメリカで支持されているのか、それが消費者のどんな志向によるものなのか、知っておかなければ、企業に明日はないでしょう。
「何を持つか」より「どう生きるか」の時代。
人々の心に訴えかけるビジネスを創るために、ぜひ読んでおきたい一冊です。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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人々が生活を見つめ直し、勤勉、節約、公平、誠実といった大切な理念を取り戻しはじめている
データからは、信頼感が欠けた世の中にあって、むしろブランドの重要性が高まっている様子が浮き彫りになっていた。企業の側から見れば、倫理、社会のつながり、共感、説明責任など、消費者にとって重みが増している価値観を理解し受け入れれば、これまでと違った競争優位を見つけられるということである
<以上、フィリップ・コトラーによる序文>
調査協力者の七八%が、高級品を見せびらかされるのを不快だと感じているが、この感覚は年収一〇万ドル以上の層ではいっそう強い
二〇一〇年初頭にニューヨーク・タイムズが報じた調査結果では、友人や家族と過ごしたり、ガーデニングやパン、お菓子づくりなどの趣味を楽しんだりするのに時間を費やす人が増えているという。ショッピングへの関心が衰える一方、美術館訪問、ピクニック、映画鑑賞といった、家族や友人を誘って楽しめる安上がりなレジャーへの興味が高まっているように見える
地元で稼いだお金は地元で使う
先ごろギャラップが実施した暮らしの満足に関する調査では、「幸せだ」「尊敬されていると感じる」とする回答が最も高かったのは、収入では最下位につける農業従事者だった
全米の図書館利用者数も二〇一〇年には過去最高を記録し、米国議会図書館によればアメリカ人の図書館カード保有率は六八%という未曽有の高水準に達している
アメリカ人の主な関心が「モノを集める」から「知識を蓄える」へと変化している
保存食作りに使うビンなどの売り上げは二〇〇八年に三〇%増を記録
・上質な商品やサービスには上乗せ価格を払ってもよい―85%
・有名ブランドの品を買いたい―24%
・箔づけになるブランドには上乗せ価格を払ってもよい―15%
借金の時代はモノが主役だったが、貯蓄の時代となったいま、世の中を動かすのは意味である。わたしたちは物質主義を捨てて実のあるものを重んじる姿勢を強めている。何を持っているかよりも、わたしたち自身に何がそなわっているかが大切になってきている
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『スペンド・シフト』ジョン・ガーズマ、マイケル・ダントニオ・著 フィリップ・コトラー・序文 プレジデント社
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4833419661
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◆目次◆
序章 「より多く」から「よりよく」へ
第1章 「どん底」というフロンティア
第2章 「モノを集める」から「知識を蓄える」へ
第3章 支出を伴わないステータスシンボル
第4章 ソーシャルメディアという「方法」
第5章 「町内会的」資本主義
第6章 失われた信頼を取り戻す
第7章 ソーシャルメディアが「顔の見える企業」をつくる
第8章 生活を豊かにするイノベーション
終章 危機がビジネス、消費、生き方を変えた
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2011年7月20日
【「やってはいけない」シリーズ最新刊!】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4844371274
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本日の一冊は、ベストセラー『経営のやってはいけない!』に続く、
「やってはいけない」シリーズ続編。
※参考:『経営のやってはいけない!』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4844371126
どんな分野でも「これだけ押さえておけば」という勘所はあるものですが、本シリーズは、まさにその勘所をまとめた一冊。
前作は、これから起業する人のために、小さな会社、スタートアップ企業がやってはいけないポイントを列挙。
今回は上司編ということで、上司のやってはいけないポイントを、コンパクトにまとめています。
書かれているのは、上司の指示の出し方や、困った部下への対処法、幹部に登用する人材を見極めるためのポイントなど。
実際に上司になった方しかわからない、かゆいところに手が届く内容で、かつ社労士ならではの法律の解説も加えられています。
残念な上司にならないためのポイントが全部で95項目まとめられており、すべて見開き形式で読みやすいのが特長です。
部下にイライラする前に、やるべきことをやる。
そのために必要な考え方が、すべて詰まった一冊です。
ぜひ読んでみてください。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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マネージャーとしての資質、マネージャーとしての実力や実績というのは、プレーヤーに求められるそれとは違います
頼むときには、バカ丁寧に仕事を説明するほうが、かえって仕事の生産性が高まり、後で起こる面倒なことがなくなります
好かれる上司になったからといっても、上司としての評価は関係ありません。やはり、結果を出してこそ上司の存在価値があるのです
具体的には、部下に対して「どんな社員に育って欲しいか」ということを伝えることです。この考えなくして部下の教育はありえません
「部下の興味に沿った業務」+「将来のビジョンを見せる」これができれば部下は自ら成長していくのです
上司にとって大事なのは、「人の管理」をすることではなく「仕事の管理」をすることです
何より重要なのはメンバーが「自分の仕事に愛着を持つ」こと
極端な言い方ですが、「どんなに知識があっても、1円も稼げない人が会社にとって必要なのでしょうか?」ということです。中小企業では、方法、戦術を身につけるだけでなく、経営感覚を身につけてもらわないとなりません。社長がどのように考えているのか、常に意識して動くような社員が「できる社員」です
金融機関、教育産業などでは「就業規則」「雇用契約書」などで身なりや服装を制限しています。こういう公的な規則をつくれば、
・業務命令として改善を命令できる
・従わなければ懲戒処分の対象にできる
といったことが可能になります
◯日立製作所武蔵工場事件、平成3年11月 最高裁
この事件は、従業員が残業を拒否し、懲戒処分になった。その従業員は「残業に従う義務はない」と主張し始末書の提出を拒否。そのため懲戒解雇となったのです。結局、判決は「残業命令に従わない解雇は有効」となりました
災害のときにどのように行動し、どのように指示を出すかあらかじめ訓練をしておくこと
できる上司は、
・仕事の納期
・仕事の完成度
・仕事の優先順位
など、お願いした仕事の内容についてきちんと伝えています
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『上司のやってはいけない!』内海正人・著 クロスメディア・パブリッシング
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4844371274
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◆目次◆
序章 これからの上司がやるべきこと
第1章 部下指導編
第2章 リーダーの心構え編
第3章 トラブル対処編
第4章 チームマネジメント編
第5章 人事評価編
第6章 コミュニケーション編
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2011年7月19日
【情報に操作されないために】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/489451446X
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「インターネットは衆愚のツールである」。
これは、土井がツイッター登場以前に、セミナー参加者にこっそり懇親会で話していたことです。
ツイッター、フェイスブックの登場により、いよいよ大衆の意見がメディア化し、衆愚を生む土壌が整ってきました。
古代アテネの凋落を招き、ソクラテスを死に追いやった衆愚。
今回の東日本大震災と、原発問題に関する一連の議論を見ていると、いよいよそのリスクが高まっていると、感じさせられます。
本日ご紹介する一冊は、脳機能学者であり、脱洗脳のエキスパート、苫米地英人さんが、この衆愚のリスクを指摘した一冊。
<新しいメディアが生まれるとき、必ず新しい【魔女狩り】が生まれる>
として、現在のわれわれを取り巻くメディア環境の危険と、情報を取捨選択するためのポイントをまとめた、注目の一冊です。
土井はキリスト教の専門家ではないため、宗教に関する記述は評価できませんが、権力とメディア、情報という点からいえば、著者の言っている通りだと思います。
<宗教はいつの時代においても、政治と権力に都合のいい教義をつくり上げるもの>だし、弱い心は詐欺に遭いやすい。
情報化時代に生きるわれわれが、心しておくべき内容だと思います。
当然、著者の主張に対しても疑う姿勢を保ちつつ、ぜひ読んでみたい一冊です。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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脳が見たいものとはなんでしょうか? それは、【過去の自分にとって価値のあるもの】
あなたの生きている世界は、すべて【他人によってつくられた世界】なのです。あなたの見ているもの、あなたの行動、あなたの思考は他人によってつくられている可能性が高いのです
新しいメディアが生まれるとき、必ず新しい【魔女狩り】が生まれる
ツイッターを見ている人にはわかると思いますが、そのツイートに肯定的なリツイートが重ねられていくと、「いかにも、そのとおりだ」という気にさせられます
現代人は、写本と聞くと、写し間違いや改ざんを考えるせいか、そこに全幅の信頼を寄せる気になりません。ところが、それが印刷されたものになると、間違いのないものであると感じ、書物の内容にも信頼を置くようになります
いつの時代においても、「裏モノ」の伝播と増殖のスピードは、「表モノ」より圧倒的に速い
宗教はいつの時代においても、政治と権力に都合のいい教義をつくり上げるものです
宗教は検証されない
救いを求める人ほど、騙しやすいものはありません。金に困り、のどから手が出るほど金が欲しいと思っている人ほど、詐欺にころりと騙されるというのは、いつの時代も変わらぬ事情です
猜疑心と不満。その満たされない心に作用するのは、つねに宗教であり、言葉でした
現代の官僚組織になぞらえるとわかりやすいと思いますが、恒久的な専門組織は必ず腐敗の温床になっていきます。そのような組織は、権力にあぐらをかくだけでなく、つねに権力と既得権益の拡大を自己目的化していくからです
魔女という強烈な存在を生み出すことができなければ、キリスト教にとって本質的な“敵”を生み出せなかった
私たちの目に、権力者たちの直接の目的は容易に映りませんが、それでも彼らが食指を動かす先は、だいたい想像がつきます。なぜなら、それはお金に関係することに決まっているからです
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『現代版魔女の鉄槌』苫米地英人・著 フォレスト出版
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/489451446X
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◆目次◆
序章 新たな魔女狩りが始まった!
第1章 聖書を凌ぐベストセラー『魔女に与える鉄槌』の秘密
第2章 魔女狩りの歴史
第3章 13日の金曜日に何が起こったのか?
第4章 フェイスブック、ツイッターから始まる現代の魔女狩り
第5章 現代の異端審問官
第6章 自由な人生を手に入れろ!
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2011年7月18日
【ウォートン流・戦略的値づけの技術とは?】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4023309524
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本日の一冊は、マーケティングの名門として知られる米ウォートン・スクールの最新マーケティング講義。
著者のジャグモハン・ラジューは、まだ日本ではそれほど知られていませんが、ウォートン・スクールのマーケティング学部長を務める人物で、学者になる前は、タタ・アドミニストラティブ・サービス社およびフィリップス・インディア社に勤めていた実業家です。
共著者のZ・ジョン・チャンも、ウォートンスクールの教授で、競争的価格設定戦略を専門とする人物。
この2人の論文は、ジョン・D・C・リトル最優秀論文賞、およびフランク・バス学位論文賞を受賞しています。
この『スマート・プライシング』は、そんな2人が、最新の価格決定理論をまとめた一冊。
音楽業界でレディオヘッドが実験し、成功を収めた「ペイ・アズ・ユー・ウィッシュ」戦略をはじめ、グーグルが展開するフリー戦略、マクドナルドが実践したラージサイズ戦略、ファッションなどの世界で成功を収めている自動値下げ方式など、さまざまな値づけ理論を紹介しています。
本書を読めば、グーグルや一休.com、らでぃっしゅぼーやなどが、プライシング戦略によって成功したということが、よくわかると思います。
頭脳派マーケターたちが今後、仕掛けてくる斬新な根づけ、ビジネスモデルを事前予測する上で、じつに貴重な文献。
自社のビジネスモデルを転換しようと考える企業にとっても、価格戦略からビジネスモデルを見直す、良いきっかけとなる本だと思います。
今、価格戦略について学ぶならこの本をおいて他にない。
マーケター、経営者は必読の一冊です。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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マネジャーが、自社の収益性を高めるために引けるレバーは四つしかない。売上数量、変動費、固定費、価格である
二〇〇七年一〇月九日、イギリスのオルタナティブ・ロック・バンド、レディオヘッドはある実験を始めた。自分たちの曲に通常のやり方で値段をつけるのではなく、一〇曲入りの最新アルバム『イン・レインボウズ』をダウンロードするファンに、各自が払いたいと思う額を払ってもらうことにしたのである(中略)一八〇万人以上の人がこのアルバムをダウンロードし、うち六〇パーセントはお金を払わなかったものの四〇パーセントは支払った。それはレディオヘッドにとってこのアルバムを成功とする、十分な数だった
ソフトウェアのように知的財産だけでできていて物理的なコストはほとんどかからない製品が増えてきたことや、サービス経済が成長してきたことで、「ペイ・アズ・ユー・ウィッシュ」は、次第に現実的な価格設定方法になりつつある
ウォートン・スクール・マーケティング学教授のピーター・フェイダーは、音楽などの経験財の場合、消費者の関心を価格に集中させ
ると、結局はその経験の認知価値を下げることになると主張している。「この曲はいくらの価値があるかという点に話を絞るとしたら、それは人びとにその曲について考えてもらいたくないということだ。これはiTunesのビジネスモデル全体が持つ問題のひとつである
ほとんどの消費者行動調査が示すところでは、買い手が支払い意思額を決めるために用いる方法は、アンカー・プライシング、バリュー・プライシング、フェア・プライシングの三つである
石油価格が急騰していた二〇〇八年夏には、フロリダの多くの店が購入額五〇ドルにつき一枚のガソリン無料給油券を配布していた。このプロモーションは多くの参加店にとって成功だった(中略)結果はというと、この店はガソリン給油券を一四〇〇枚発行し、店の売り上げは七万五〇〇ドル増加したのである。皮肉なことに、ガソリンの売り上げも増加した。無料給油券が配られたにもかかわらず、ガソリンの売上高は四五パーセント上昇したのである
最近の調査が示すところでは、顧客は過去の経験から切りのいい価格を高品質と結びつける
アメリカ郵便公社(USPS)は、郵便料金が上がるたびに一〇〇枚一組の一セント切手を買わねばならないわずらわしさから顧客を解放するために、第一種封書用の「永久」切手──郵便料金が将来どれほど値上がりしても、永久にこれ一枚で手紙が送れる切手──を発売した。消費者は大量の一セント切手を買わずにすむことを歓迎し、この切手は飛ぶように売れた
価格が下がることがわかっているという事実は、購買決定に時間的なプレッシャーを加える
いつも数字の計算ばかりしているこのような商品中心の世界では、サブスクリプション方式の価格設定法がなぜ重要なのかは理解しにくい。食品雑貨小売業者がサブスクリプション方式をほとんど検討してこなかったのは、おそらくそのためだろう
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『スマート・プライシング』ジャグモハン・ラジュー、Z・ジョン・チャン・著 朝日新聞出版
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4023309524
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◆目次◆
序 章 見えざる手の痕跡
第1章 「ペイ・アズ・ユー・ウィッシュ」方式の価格設定
第2章 タダほどいいものはない
第3章 価格戦争の極意
第4章 小さく考える
第5章 自動値下げ方式
第6章 購入価格指定方式
第7章 サブスクライブ・アンド・セーブ
第8章 スノッブ・プレミアム
第9章 成果に基づく価格設定
第10章 むすび
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2011年7月17日
【早稲田大学ビジネススクールのNo.1講義】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4334036309
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本日の一冊は、早稲田大学ビジネススクールで学生満足度No.1の講義を初公開した一冊。
一連の講義本の流れに便乗した感がありますが、あえて読んでみることにしました。
著者(語り手)は、ローランド・ベルガー会長の遠藤功さん。
計18回の講義で、経営戦略とは何かという基本から、「選択と集中」の考え方、経営代替案の考え方、リーダー/チャレンジャー/ニッチャーの戦略、M&A、リストラクチャリングまで、さまざまなテーマを扱っています。
アドバンテージ・マトリクスや、アンゾフのマトリクス、PPMなど、ビジネススクールで習うツールにも触れていますが、正直、ケーススタディも含めて、学部レベルの内容だと思います。
おそらく想定学習者は、大学で経営や経済を学ばなかった方で、今後管理職を狙う方、といったところでしょうか。
講義+ケーススタディで経営戦略の基本が学べるベーシックな一冊。
初学者の初めての一冊としては、わかりやすくて重宝すると思います。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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企業は設立手続きを行い、登記をすれば誰でもつくることができます。しかし、それだけでは所詮「箱」をつくったにすぎません。経営戦略を練り込み、明らかにすることによって、企業に「魂が宿る」のです
戦略という言葉を最初に使ったのは、アルフレッド・チャンドラーです。彼は一九六二年に出版した『経営戦略と組織』という名著の中で、戦略を「企業の長期的目標と目的の決定、行動指針の採用、目的を達成するために必要な資源配分」と定義しました
企業経営の本質は、「価値創造」にある
ピーター・ドラッカーはその著書『マネジメント』の中で、経営の目的を「顧客の創造」であると定義しました
「価値創造」と「顧客の創造」は表裏一体のものです。顧客を生み出すためには、顧客が認める価値を生み出さなくてはならないからです
持続的な差別化こそ企業の目標
選択肢の中から、自分たちが生み出す「価値を特定」することが必要です。この「価値の特定」こそが経営戦略です
多くの事業は分散型から始まり、特化型へと変化し、さらに規模型、手詰まり型へと移行していきます。「アドバンテージ・マトリクス」に基づいて、自社の事業がどのような特性を持っているのかを見極めることによって、自分たちはどのように競争に挑むべきか、その戦い方が見えてきます。規模と収益性という二軸のみで業界の「ゲームのルール」を把握するというとてもシンプルなコンセプトですが、そこには本質的な示唆が詰まっています
勃興期である「分散型事業」にいち早く目をつけ、それを「規模型事業」へと一気に変えることによって、他社に先がけて新たな成功を手に入れることが可能です
「経営戦略には、三つの代替案しかない」ハーバード・ビジネススクールのマイケル・ポーター教授は、こう言い切っています。「三つの代替案」とは、「コスト・リーダーシップ戦略」「差別化戦略」「集中戦略」の三つです
フォロワーは戦略ではない
規模より収益性を追求する
高級老人ホームの経営も同様です。老後を豊かに、安心して暮らせるサービスを提供することは、セコムにとって必然なのです。このほか、刑務所の運営や介護ロボットの開発、損害を被ってしまった事後のケアを手厚くする損害保険事業など、自らのドメインの中で、多様な事業に挑戦しています
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『経営戦略の教科書』遠藤功・著 光文社
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4334036309
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◆目次◆
はじめに 「戦略論」ではなく、「戦略」を学ぶ
講義1 経営戦略とは何か
講義2 「ゲームのルール」を理解する
講義3 グローバル競争と経営戦略
講義4 「選択と集中」という考え方
講義5 戦略代替案の考え方
講義6 リーダーの戦略
講義7 チャレンジャーの戦略
講義8 ニッチャーの戦略
講義9 経営戦略とは「仮説」にすぎない
講義10 成長と経営戦略
講義11 M&Aと経営戦略
講義12 現場起点で経営戦略を立案する
講義13 起業と経営戦略
講義14 経営戦略の実現性
講義15 破壊と創造
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2011年7月16日
【アイデンティティ経済学とは?】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4492314148
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本日は、話題必至の一冊を、発売前に先取りしてご紹介。
『アイデンティティ経済学』は、経済学に新たな旋風を巻き起こすと期待される新分野、「アイデンティティ経済学」についてまとめた注目の一冊です。
著者のジョージ・A・アカロフは、2001年のノーベル経済学賞受賞者で、本書では、アイデンティティと規範がどう経済行動に影響しているかを、分析しています。
以前、紹介した『つながり─社会的ネットワークの驚くべき力』に書かれていましたが、肥満は友人からうつり、喫煙は自分より知性の高い人間の行動に左右される。
人間にとってアイデンティティや規範、それを作る人間関係は極めて重要なのです。
※参考:『つながり─社会的ネットワークの驚くべき力』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/406214770X
本書が教えてくれるのは、人間にとって時にアイデンティティは、金銭的インセンティブよりも重要だということ。
企業や組織は、規範を適切に設定することによって、人々の行動をより良いものに導くことができるのです。
やりがいのある仕事やビジョンをどう与えるか、どんな懲戒手続を用意するか、なぜ環境や服装が重要なのか、そして教師の重要性…。
人が行動を変えることの難しさと、変えられる可能性を示唆してくれる、貴重な一冊です。
また、マーケティング上も、アイデンティティや規範をもとにしたキャンペーンを考える良いきっかけになると思います。
まだまだ発展途上の学問のようですが、今後の展開にぜひ期待したいと思います。
興味のある方は、ぜひ読んでみてください!
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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規範は人々の動機の源として強力
人々は自分が公平にふるまうこと、また公平に扱われることを気にかける。だとすればそうした配慮を効用関数に含めるべきだ
被験者たちは、自分の金銭的な報酬を最大化するよりも、「公平」に見える結果を選びがちなのだ
人々は自分や他人を「社会的カテゴリー」に分ける。そして社会的カテゴリーと規範は自動的に結び付けられる
子どもたちは自分の年齢にとても敏感だ(中略)子どもたちはまた、各年齢に固有のふるまいに関する規範も十分に理解している
年長の子たちの態度がはっきりしないのは、木馬が好きな一方で、自分がすでにそういう年齢じゃないと思っているからだ
アイデンティティ経済学によれば、企業がうまく機能するのは従業員が会社と一体感を感じ、従業員の規範が会社の目標を促進する場合だ
人々に、ごくわずかにでも自分の人種、民族、性別などのアイデンティティを思い出させるような示唆を与えると、その人の行動が変わってくる。この手法は「プライミング」と呼ばれる
インサイダーは大いにがんばることで、アイデンティティ効用を最大化できる。金銭的報酬の差が大きくなくても、勤勉に働くのだ。対照的に、アウトサイダーは勤勉に働くとアイデンティティ効用を失う
アメリカ軍の兵士や士官にアイデンティティを与えるのは、比較的安価に済む。志願兵なので、もともと軍の目的に共感しているからだ
入隊儀礼や短髪、ブートキャンプ、制服、就任宣誓は、共通のアイデンティティを作る明らかな手段の一部だ
懲戒手続きは違反者を戒めるだけではない。善悪を規定する道徳劇でもあるのだ
経営コンサルタントのトム・ピーターズとロバート・ウォーターマンは、企業が顧客サービスと製品の品質に専念すると、最終的には元が取れると説明している:従業員が自社の製品やサービスに誇りを持つと、やる気が出るのだ
低所得層の生徒に良い教員をつけると、高所得層出身の生徒との試験結果の差が大幅に縮められる
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『アイデンティティ経済学』ジョージ・A・アカロフ、レイチェル・E・クラントン ・著 東洋経済新報社
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4492314148
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◆目次◆
第I部 経済学とアイデンティティ
第1章 はじめに
第2章 アイデンティティ経済学
第3章 効用におけるアイデンティティと規範
第3章追記 ロゼッタストーン
第4章 今日の経済学での位置づけ
第II部 仕事と学校
第5章 アイデンティティと組織の経済学
第6章 アイデンティティと教育経済学
第III部 性別と人種
第7章 性別と仕事
第8章 人種とマイノリティの貧困
第IV部 今後の展望
第9章 アイデンティティ経済学と経済学の方法論
第10章 結論、そしてアイデンティティが
経済学を変える五つのやり方
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2011年7月15日
【これは掘り出し物】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478015953
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本日の一冊は、日本一のクレーマー地帯、歌舞伎町で働くホテルのカリスマ支配人が、クレーム対応の極意を語った一冊。
「秘録」というだけあって、エピソードが臨場感にあふれています。
ヤクザに日本刀を突きつけられ、それでも引き下がることなく、相手の心をつかんだ話、エレベーター近くの部屋に泊まったお客からの騒音のクレームに対応するため、一晩中エレベーターの前に立って乗降客に注意を促した話。
そんな著者の現場感あふれるエピソードが、本書の最大の読みどころです。
ヤクザに「なんでそんなに勇気があるんだい?」と聞かれ、「いえ、私は人間を信じているだけです」と答えた著者。
そこから学び取れるのは、クレーム対応はテクニックではなく心だということです。
厄介なお客の心をつかみ、グループ内売上日本一に輝いた著者が、ホテルでどんなことを実践したのか。
その秘密を知ることで、どんな厄介なお客もファンに変えるサービスのヒントが得られるに違いありません。
「おもてなしとは、命を張ること」
「誰もがみんなさびしい」
「相手が怒っていても、こちらはやさしさで返す」
名言のオンパレードに、すっかり感心させられてしまう一冊です。
ビジネス書というよりは、読み物としての色彩が強い本ですが、サービス業に携わる方、自社のサービスレベルを向上させたいマネジャーに、ぜひおすすめしたい一冊です。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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怒鳴られたら、やさしさをたった一つでも多く返すこと
おもてなしとは、命を張ることです
誰もがみんなさびしい
相手が怒っていても、こちらはやさしさで返す
「あんたは、ちゃんとそこに立ってた」
―クレーマーがファンに変わる瞬間
私がいなくなったら、世界は1ミリも変わらない。逃げたらきっと後悔する。逃げる後悔と逃げない後悔、どっちがいいかといわれたら、答えは昔から決まっていました
まずスタッフが安心して勤められる職場にしたかった
安全なホテルを実現するために、私が取り組んだのは、素行の悪い方の宿泊をお断りすることとともに、不法駐車を一掃することでした
私は、知らないうちに支えられていたのです。たった一人でヤクザに立ち向かっていたはずが、いつのまにか警察に見守られ、危ないときには助けてもらっていました
スタッフを信じなくて、何が支配人でしょうか
クレーム対応とは、クレームに対応することではありません。まず、全力で人の気持ちを理解すること。つまり、人への対応です
怒りの原因をすべて出し切ってもらう。それがクレーム対応なのです
たった一人の一つのクレームに対してとことん向き合うことが、次のクレームをなくし、ほかの人のクレームもなくすのです
「このホテルは、ヤクザをお泊めしないホテル。クレーマーにはお金を渡さないホテル」そういうものだと明確にわかれば、周囲の人はそのルールを理解します。それが、ホテルを変え、人を変えていくのです
「行きましょう。今日泊まれる宿を一緒に探しましょう」(売春婦の宿泊を断った時のエピソード)
何にも代えがたい勲章は、部下の揺るぎない信頼だった
自分がミスをしたならミスをしたと、正直に言える部下を持っていることが必要
まごころが伝わったら、人はドアを開けてくれるのです
症状ではなく人の顔を見る
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『日本一のクレーマー地帯で働く日本一の支配人』三輪康子・著 ダイヤモンド社
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478015953
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◆目次◆
第1章 全国No.1! 日本一のクレーマー地帯で、
なぜ日本一の支配人になれたのか?
第2章 「歌舞伎町のジャンヌ・ダルク」が初めて明かす
三輪式クレーム対応秘録
第3章 逆境のなかでこそ、日本一のチームワークが!
一人のスタッフも辞めたいと言わない団結力の秘密
第4章 街がホテルをつくり、ホテルが街をつくる!
地域に愛される名物ホテルのつくり方
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2011年7月14日
【パコ・アンダーヒル最新作!】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4152092114
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本日の一冊は、ベストセラー『なぜこの店で買ってしまうのか?』のパコ・アンダーヒル最新作。
※参考:『なぜこの店で買ってしまうのか?』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4152083352
前作でも男女の購買行動の違いに触れた部分がいくつかありましたが、今回の本は、女性に完全特化し、その購買行動を徹底分析。
女性にアピールして成功したアメリカのビジネスなども紹介しており、一読に値するビジネス書です。
『なぜこの店で買ってしまうのか?』のような膨大なデータと緻密な分析を期待すると、感覚的な記述に拍子抜けしますが、それでもところどころに重要なデータ、視点が散りばめられており、ビジネスのヒントとなる一冊です。
取り上げられているのは、住宅、キッチン、トイレとお風呂、ネットショッピング、フィットネスクラブ、ホテル、家電量販店、ファッション、ドラッグストア、美容と化粧品などのビジネス。
本書では、これらのビジネス分野で何をどうすれば収益が上がるか、女性マーケティングの視点からまとめられています。
女性のとってトイレが憩いの場になっているという話や、フォトアルバムやスクラップブックの作成が再び流行りつつあるという話、ホテルの照明を変えることで支持が得られるという話など、目からうろこの話が満載で、男性ビジネスマンは必読の内容です。
訳も読みやすく、読み物としてもなかなか楽しませてくれる一冊。
ぜひ手に取ってみてください。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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日本や私の母国アメリカ、それに他の諸国において、今以上に必要となるものは女性による公共サービスであり、今ほど必要とならないものは、男性による政治だ
二00五年、摩訶不思議な統計が飛び出した。歴史上初めて、アメリカ最大都市のいくつかで、三0歳以下の若い女性の稼ぎが男性を追い越したというのだ
女性という種が好み、重視するのは―要求すると言ってもいいかもしれない―清潔さだ。
彼女たちが求めているのは、選べることなのだ
女性は、男にはどうもぴんとこないのだが、自分の身が安全であるかどうかということに敏感だ
伝統的でない家族にぴったりの家は、ここのところ、かなりよい価格で売れている
昨今のトイレは、霧や湯気、香り、時にはキャンドル、そして心地よくゆったりとした孤独感のなかで、快楽や幻想、自己尊重(ちょっとした自己愛ですらある)が結実する空間になった
女が風呂場ですることは男よりどれほど多いだろう? 数えてみよう。一覧にしてみる。―お化粧を落とす、足とわきを脱毛する、身体を洗う、あかすりをして、うるおいケアをする、シャンプーする、コンディショナーをつける、鏡でお肌をチェックする―
フォトアルバムやスクラップブックの作成―家族の生活や時間に責任を負い、カタログを作るという、従来、女性の役目とされてきたこと―は、再び流行りつつある
出張は歴史的に孤独な男性の専売特許だった
ポーターが女性だったらもっと気楽だけど、と白状した。パムにとって、ベッドルームで男性と一緒にいて、テレビの使い方などの説明を受けるのはごめんなのだ
「一流ホテルがどうしても室内照明と自然光証明のスイッチをつけておかないのか理解できないわ。女性なら夢中になるのに」(女性重役のパム・ディロン)
思うに、サーキット・シティやComp USAが破綻したのは、消費者像が変わったということを彼らが意識しなかったせいだ。どちらも、あまりに男性的で、あまりにオタクだった
世界的な飲料メーカーであるディアジオ者の仕事を通して、エンバイロセルは、消費者が新しい飲み物を試す最初の機会は友人のグラスであることに気がついた
世界的な株暴落が、特にイギリスに大打撃を与えている最中、ある商品が飛ぶように売れているそうだ。男性用スパンクス。イクメンと呼ばれる補正下着だ。いくらかって? 大体八五ドル
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『彼女はなぜ「それ」を選ぶのか?』パコ・アンダーヒル・著 早川書房
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4152092114
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◆目次◆
日本の読者へ
はじめに
1.変わりゆく住宅とコミュニティ
2.キッチン革命
3.トイレとお風呂の進化
4.ホームオフィスとネットショッピング
5.エクササイズに夢中
6.リフォームへのこだわり
7.ホテルに求められるもの
8.女性にとっての家電量販店
9.ギャンブルにダイエット、喫煙に飲酒
10.アパレルとファッション
11.ショッピングモールにいらっしゃい
12.安全な農と食
13.ドラッグストアの挑戦
14.美容と化粧品
15.美しい髪を求めて
16.フェイスブック、ブログ、ツイッター
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2011年7月13日
【安河内哲也、勉強の流儀を語る】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4860634675
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約10年前、『さおだけ屋はなぜ潰れないのか?』で知られる山田真哉さんに、「公認会計士試験に最短で受かるコツは何ですか?」という質問をしたことがあります。
※参考:『さおだけ屋はなぜ潰れないのか?』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4334032915
山田さんの答えは、「いかに勉強以外の無駄なものを捨てられるかですね」というシンプルなもの。
しかし、土井はこの答えを聞いて、「この人は将来伸びる人だ」と確信したのです。
それが勉強であれ、ビジネスであれ、成功を収める人がやっていることは、じつにシンプル。
本日の一冊は、そのシンプルな成功法則を、東進ハイスクールのカリスマ英語講師として知られる安河内哲也さんがまとめた一冊です。
熱いメッセージと実用的な勉強のコツが記された、いわゆる勉強本です。
ノート形式で書かれているだけで、氏がつけているノートというわけではないようですが、勉強のコツが手際よくまとめられた、読みやすい本です。
「今すぐゲームを、すべて段ボールに詰めて押し入れに封印してしまいましょう。マンガの本も箱詰めしてリサイクルショップに持っていき売ってしまいましょう」
「1日の勉強時間のノルマを低く設定してみてください。そうすれば、勉強を継続する習慣が自然と身につきます」
など、シンプルながら実用的なアイデアが満載で、試験勉強中の方には、良いヒントが得られるかもしれません。
ビジネス的に本書をまとめると、以下の3つがポイントになるでしょう。
・目標を立て、そこに向かうために必要な支援(師匠、環境、道具) を手に入れ、今すぐ行動する。
・努力を継続するため、適切なモチベーション(動機、ライバルなど)を定め、無理のないレベル、時間で行なう。
・本番で勝つためのメンタリティを手に入れる
言葉の深さ、という点ではもうひとつですが、話題書ということで手にとってみました。
資格試験や英語など、現在勉強中の社会人には、おすすめの一冊です。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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始めてしまったら、半分終わってしまったも同然
「成功体験」を最初から持っている人などいません
今すぐゲームを、すべて段ボールに詰めて押し入れに封印してしまいましょう。マンガの本も箱詰めしてリサイクルショップに持っていき売ってしまいましょう(中略)大学入学以降は、勉強をするための環境は自分で整備しなければならないのです
目標達成のために有益なものは残し、そうでないものを切り捨てる
生活や勉強におけるすべての行動を、その人生の大目標に関係を持たせていくように工夫する
1日の勉強時間のノルマを低く設定してみてください。そうすれば、勉強を継続する習慣が自然と身につきます
私が勉強においてみなさんに強くおすすめするのが「結果重視」主義を貫徹することです
自分の適性を見極めて、優先順位の高い三つのことに集中してみてください
All or Nothingの二文法で物事を考えていると、一つのことにつまづいただけで、先に進めなくなってしまう
一度覚えたものをチェックするのに、時間はかかりません。このちょっとの手間が大きな差を生むのです
ノートや参考書などを使わずに、頭のなかに入っている知識だけで勝負しなければいけない状況を定期的につくることも、記憶の定着には有効
苦手科目は、一つの分野を徹底的に極めろ!
成績を伸ばすには、講師のやり方に身を任せることが早道
あえて騒音のなかで勉強しろ!
先生を選ぶときは現在進行形で勉強しているかを見ろ!
(英語)初心者の間は、勉強時間の7割を精読や精聴にあてます。上級者になってくると勉強時間の8割くらいを多読や多聴にあてる
「良い反省」とは、技術的な反省です
難問は捨てろ!試験は満点ではなく7割をめざせ!
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『350万人が学んだ人気講師の勉強の手帳』安河内哲也・著 あさ出版
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4860634675
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◆目次◆
Part1 目標を実現する!
Part2 勉強のセオリーを身につける!
Part3 勉強のツールをフル活用する!
Part4 使える英語を身につける!
Part5 効率よく勉強する!
Part6 不安を解消する!モチベーションを上げる!
Part7 試験直前・当日にはこれをやる!
Part8 いつまでも学び続ける!
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2011年7月12日
【あなたの決断力を孫正義と比べると?】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4334036260
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本日の一冊は、孫正義氏が自分の後継者を育てるため、グループ内外から受講者を募って開いた学校「ソフトバンクアカデミア」の講義をまとめた一冊。
2部構成になっており、第1部は「意思決定の極意」、第2部は「孫の二乗の兵法」に関する講義。
「孫の二乗の兵法」については、以前『孫の二乗の法則』で紹介したので割愛するとして、今回は第1部の「意思決定の極意」に注目したいと思います。
※参考:『孫の二乗の法則』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4569676219
この第1部では、判断が微妙な経営上の課題に読者が答え、孫正義氏が実際のビジネスケースでどう考え、判断したかを示すというもの。
「赤字の会社があった。創業して半年で、社員は十数名。ここに一〇〇億円を投資すべきか。あなたがリーダーなら、どちらを選びますか?」
「信頼していた部下が離反して競争相手になろうとしている。あなたがリーダーなら、どちらを選びますか?」
いずれの質問も、判断は微妙で、答えは意表を突くものばかり。
ちなみに前者は、ヤフーの買収のケースで、これが大成功。後者は、「去る者は追わず」というポリシーをとったのですが、結局、離反者は別の会社に吸収されていなくなったようです。
質問を徹底的に考え、孫正義氏の意思決定の軌跡をなぞることで、経営者としてのトレーニングができる、斬新なコンセプトの本。
ぜひ読んでみてください。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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新しく立ち上がったばかりの問屋に有力な商品がなければ、わざわざその問屋と取引口座を開く意味がありません
取引量が小さくても、会社を運営していれば一定の固定費はかかります。仮に月に五〇〇万円の固定費がかかるとして、収入のないままにずるずると過ごせば、一〇カ月で五〇〇〇万円が消えてなくなる。それよりはいま五〇〇〇万円払ってでも、早くポジションを取るべきだ
先行きを読み、「よい赤字」であれば投資すべき(中略)アメリカのヤフーがまさにこんな事例でした。まだスタートして間もないヤフーです。でも、これは必ず伸びる。確信して投資しました。そのときのヤフーの売上が一カ月で一〇〇〇万円。赤字が二〇〇〇万円。社員一六人。その会社に一〇〇億投資して、株式を三五%得た。つまり会社全体の価値を三〇〇億とみなしたということですね
ビジョンに沿った注力すべき事業があり、危機に陥った事業がそれではなかったら、損切りも有力な選択肢となる
何が正しい選択か。人々の評価というものは、見る時点によって大幅に違う
人々の利益となる事業であり、そのために理不尽な障壁があるのならば、戦うべきだ
たしかに人間のつくったルールはある。しかしそれは、そもそも不公平なルールなんだ
情報のセキュリティを高めるためには、コストよりも働く人たちのロイヤルティの高さを優先する
球団保有が事業単位で赤字となっても、社名が「ブランド」として一般の消費者に広まることで本業の収益性向上が見込める場合は有効
(海外進出する時は)自社の中核事業を除き、積極的にパートナー戦略を採る
大金を投じて買収しても、相手がこれまで培ってきたノウハウやルール、マネジメントや一人ひとりの社員を尊重しないと、一瞬で何千億の価値が吹っ飛んでしまうかもしれない。社員が離反していなくなることは、レストランでいえば味が変わっちゃうのと同じですよ。それでは、何のためにそんな高い金を出して買収したのかわからない。ですから、一般論では尊重すべきだと思います。でもジフ・デイビスも、コムデックスも、キングストンも、日本テレコムも、ある意味であおぞら銀行も、大きな買収はすべてそのやり方で失敗したんです
主流になりえない傍流を選ぶ者に勝利はない
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『孫正義 リーダーのための意思決定の極意』ソフトバンクアカデミア特別講義・編集 光文社
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4334036260
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◆目次◆
第1講義 リーダーのための意思決定の極意
第2講義 孫の二乗の兵法
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