2011年7月6日
【野中郁次郎氏が絶賛する前川製作所とは?】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478015120
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みなさんは、前川製作所という会社をご存じでしょうか?
「従業員三〇〇〇人余りの中堅企業ながら、世界二〇カ国で活動し、産業冷蔵・冷凍機の分野では世界屈指のシェアを持つ」グローバル企業。
みなさんがバーで飲む氷を作っている会社。居酒屋で食べる焼き鳥の加工を行うロボットを作っている会社。日本人が大好きなマグロを瞬間冷凍する冷凍庫を作っている会社。それが前川製作所です。
もともと「物を冷やす」から始まった会社が、ヒートポンプや食品、ロボット、省エネ、環境、超電導、バイオなどの事業に展開。大躍進を遂げているのです。
しかも本書の監修を務めるのは、何とあの名著『知識創造企業』の著者、野中郁次郎氏。
※参考:『知識創造企業』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4492520813
なぜこの前川製作所に、野中郁次郎氏が注目するのか。それは、前川製作所が、タイトルにもあるように「跳ぶ」ことのできる企業だからなのです。
企業が自らの役割や特徴を考えることで、見えてくる新たな領域。そこに事業をシフトさせることを、「跳ぶ」と呼ぶ。(野中郁次郎氏は「帰納的な飛躍のこと」と言っています)
この「跳ぶ」が実現できると、企業は競争から自由になり、棲み分けができるというのが、本書の主張です。
本書では、この「跳ぶ」を実現するために、前川製作所が何をやっているのかを明らかにしています。
なかでも、イノベーションを可能にする十の要諦は見逃せません。
自らの強みを発見し、「跳びたい」企業の経営者に、ぜひおすすめしたい一冊です。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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企業が世間に価値を認めてもらう唯一のものは、他社が持っていない自分たちの特徴である。それを明確にするには棲み分けを完成させなければならない
マエカワにとって、フリーザーというハードを売ることは主目的ではないのだ。食品市場では今、凍結品そのものではなく、凍結品の味、香、色に焦点が集まっている。毎年開発が進み、市場に出てくる新しい食品を、どのように冷却、または凍結したら、味や香、色が変わらないかということを、わたしたちはフリーザーを通して、食品ごとに実験しているのである
石田梅岩によれば、人の期待したことをすべて実現することを「信」という。しかも、言葉や文章で言い表された内容だけではなく、その背景に感覚知でとらえていることも含め、すべてを実現しなければならない。そうなると、その人のことをどこまで深く理解しているか、ということが信を得るための出発点になる
人材育成で肝心なのは、二〇代で大きな冒険をさせることである。二〇代で冒険できた人は三〇代で跳ぶことを体験できる。四〇代になったら自分流の跳ぶ世界を実現できる
若者を冒険に立ち向かわせるのは静なる賢者だ
冷却という場所を掘り下げたこと。それがマエカワの最初の場所の変化だった。そこから開けてきたのが食品産業市場だった
大切なのは、それぞれの機能と機能の間に発生する情報である。製造の情報、営業の情報が大切なのはもちろんだが、それ以上に重要なのが、製造と営業の間で発生する情報なのである。ふつうは雑音として切り捨てられてしまうのだが、ここでは違う。間で発生する情報にこそ、新しい場所からのサインがあるのだ
もちろん、コミュニタリアニズムに対する批判もあります。イノベーションを生み出すには、相互主観性が担保された場に多様な知が行き交う必要がありますが、共同体の価値を強調し過ぎると、閉じた共同体となり、多様な知の流入がせき止められてしまう(野中郁次郎)
◆イノベーションを可能にする十の要諦
一.生の情報を大切にしているか
二.無私になって感覚を共有できるか
三.マルチ型人間のチームが組めるか
四.私心を捨てて「公」の境地になれるか
五.チームのなかで全員が自我を消せるか
六.感覚知情報がチームを行き交っているか
七.「場所的に問題である」という意識を持てるか
八.人が感じた直感を一〇〇%信じられるか
九.言葉を費やさずに伝えられるか
十.組織のメンバーすべてが跳べる状態になっているか
「跳ぶ」とは帰納的な飛躍のこと(野中郁次郎)
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『マエカワはなぜ「跳ぶ」のか』前川正雄・著 野中郁次郎・監修 ダイヤモンド社
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478015120
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◆目次◆
第一章 無競争のビジネスモデルを生物から学ぶ
第二章 マエカワはどうやって「跳ぶ」のか(1)
第三章 マエカワはどうやって「跳ぶ」のか(2)
第四章 「跳ぶ」を可能にする十の要諦
第五章 日本企業本来の生き方に戻れ
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