2010年1月31日
【失敗の心理学】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4062153939
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昔、テストの前、学校の先生にこんなことを言われました。
「テストの時は、不安になってついつい書いた答えを直したくなるけど、そういう場合は、大抵、最初の答えが正しいからね」
あれから約20年、本日の一冊を読んで勉強したおかげで、先生のアドバイスが根本から間違っていたことが明らかになりました。
本日ご紹介する一冊は、元ウォールストリート・ジャーナルの記者で、医療過誤をテーマとした一連の調査報道でピューリッツァー賞を受賞したジョゼフ・T・ハリナンによる注目作。
「失敗の心理学」、とくに人間のバイアスについてまとめており、日頃のわれわれの判断がいかに欠陥だらけか、思い知らされます。
・「一缶二五セント」と「四缶一ドル」の、どちらの表示がより多 く売れるか?
・気温が下がると、防寒着の通信販売の売り上げが伸びる
など、マーケティングにも活かせる視点が満載で、知的な面でも、実用面でも、読者を満足させてくれる一冊です。
惜しむらくは、表紙と装丁でしょうか。
正直、この外見では、本書の魅力が十分に伝わっていないのではないか、老婆心からそんなことを申し上げたくなってしまいます。
BBM読者のみなさんは、表紙など気にせずに、ぜひ「即買い」を。
ひさしぶりに読みごたえのある、心理学読み物でした。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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右利きの人が建物に入るときには、それが最良のルートでなくても右に曲がりがち
男がトラック運転手だと聞いた人は彼の体重を多めに、ダンサーだと聞いた人は体重を少なめに見積もる
八〇年近くにわたる研究により、テストの解答の変更はたいがいが誤答から正答へのものであって、変更をおこなう受験者の大半は点数を上げることが証明されている
桃の缶詰の値段は「一缶二五セント」と「四缶一ドル」の、どちらの表示になっているか? 後者ならば、必要以上にたくさんの桃を買わせるよう、ひそかに操作しているのだ。ある研究によれば、価格が複数単位(四缶一ドル)で設定されていると、一個単位(一缶で二五セント)と比べて三二%も売り上げが高くなるという
人は探すのがむずかしそうだと、早めに「あきらめる」ようプログラムされている
五〇年近い歳月が流れていても、七三%の同級生の顔を見分けられたのである。だが、こと名前にかんしては、はるかに記憶力が悪かった。およそ五〇年後の学生OBたちはクラスメイトの名前の一八%しか思い出せなかった
きれいな顔のほうが、醜い顔より覚えやすい
ある実験で「男性用」香水を店内にまいた小売店での男性の平均支出は五五ドルだったが、「女性用」香水を漂わせた店での支出はそ
の半分以下──二三ドルだった
薬の色はその効能の認識に影響することがわかっている。ある実験の被験者は、黒と赤のカプセルを「もっとも効果が強い」、白のカプセルを「もっとも効果が弱い」と評価した
一般に人は「不作為」よりも「行為」に対して大きな責任を感じるものである。誤りを犯しそうなときは、むしろ「行動を起こさない」という誤りを犯すほうを選ぶ
そもそも、マルチタスクで得をすると思っているのは、だいたいが幻想だ。なぜならば、作業を一度に複数こなそうとすると、脳の回転は遅くなるのだから
気温が下がると、防寒着の通信販売の売り上げが伸びる。これは想定内のことだろう。だが、返品も増えるのである
フィードバックは人間の行動形成を大きく左右する
超一流の専門家は頭の中に専門知識の図書館をもっている。この図書館をつくりあげるには一〇年、一万時間もの努力や練習が必要だ
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『しまった!』講談社 ジョゼフ・T・ハリナン・著
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4062153939
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◆目次◆
第1章 見ていても見えているとはかぎらない
第2章 人はみな「意味」を探す
第3章 点と点を結びつける
第4章 楽観的に見過ぎる
第5章 タスク飽和
第6章 フレーミング─ああ勘ちがい
第7章 スキム
第8章 きれい好き
第9章 男は先に撃つ
第10章 みんな自分は人並み以上だと思う
第11章 頭より先に手が動く
第12章 人は自制しない
第13章 「思ったほど」隣の芝生は青くない
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