2010年1月23日
【新興国に負けない経営とは?】
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本日の一冊は、『現場力を鍛える』『見える化』などのベストセラーで知られる、ローランド・ベルガー会長、遠藤功さんによる新刊。
※参考:『現場力を鍛える』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4492531718/
※参考:『見える化』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4492532013/
月刊誌「Voice」の連載をもとに、大幅加筆修正したもので、日本企業がこれからどうすれば競争力を取り戻せるか、そのヒントを書いています。
経済の規模や成長率では、中国に勝てない日本ですが、本書では、特許や産業用ロボットなど、世界的に見て日本が有利な点を指摘し、日本経済の可能性を示しています。
また、企業経営に関しては、「Dream Big」「Think Small」「Act Big」を標榜し、規模は小さくても質で勝てる企業経営を説いています。
参考になったのは、すべての産業・業種で「プレミアム」をめざすという点。
プレミアムだけで日本を支えられるとは思いませんが、特定の産業ではなく、日本全体で今後、伸びていくためのヒントが示されているという点は、注目に値すると思います。
今後の経済を見通す上で、また経営のヒントとして、ぜひ読んでおきたい一冊です。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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◆日本企業の「不安」の原因
1.「自分たちの未来が見えない」ことから来る「不安」
2.「自分たちがやってきたこと」に対する「不安」
「不安」を払拭するためには、日本という国、日本企業、そして日本人一人ひとりが、これまでのパラダイムを捨て、大きく発想転換をすることが不可欠である
世界銀行の資料によると、二〇〇八年のGDP成長率は中国が九・〇%で世界一位。二位インド(六・〇%)、三位ロシア(五・六%)、四位ブラジル(五・一%)とBRICs諸国が並んでいる
日本には、たとえ規模やパワーという「体格」では劣っていても、「体質」という新たな切り口で十分に戦うことができるだけの潜在力が備わっている。圧倒的な質の高さで存在感を示すことこそ、日本、日本企業が生きる道である。虚勢を張って中途半端な「体格」を追い求めるのではなく、たとえ規模では劣っていても、「キラッと光る」存在感のある国、企業をめざす
日本の特許出願総数(二〇〇七年)は米国(四六万件)に次ぎ、世界二位(四〇万件)
GDPに占める研究開発費は、日本が長年世界一位
モノづくりを支える生産技術力の高さを示す産業用ロボットの稼働台数では、日本がダントツの世界一位(三六万台)
私がこれまで出合った優良企業は、どこも「当たり前のことを、当たり前にできる」組織能力を磨き、そこで差別化を実現していた
そもそも企業活動とは何か。その原点に立ち戻れば、その本質は「価値創造」である。そこでは「金が金を生む」という虚構のゲームは、本質的に成立しえない
よく「?立国」という言葉が議論されるが、何か一つの産業に依存して、この国を成立させることは困難である。すべての産業・業種において、「プレミアム」をめざしていかなければならない
インド車とは戦うな
「Dream Big」「Think Small」「Act Big」。この三つが調和したとき、日本企業の未来が切り拓かれていくのである
「日本人はパーツ、すなわち細部から入って、全体を見るのが得意だ。逆にアメリカ人は全体から入るのは得意だが、細部にいくと大雑把になる」
いったいどうすれば、再びミドルは活性化するのだろうか。結論から言えば、自分をストレッチさせ、殻を破るための「場」が彼らには必要である。意図的に「はみ出る」場をつくって、そこに「放り込む」仕掛けを経営サイドが工夫しなくてはならない
安易なITの導入が「手抜き」を助長する
「プレミアム立国」こそ日本の生きる道
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『競争力の原点』PHP研究所 遠藤功・著
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4532605016
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◆目次◆
序 章 「体質」経営への転換
第一章 日本企業はいかに戦うべきか
第二章 「究める」経営の実践
第三章 「三現主義」に回帰せよ
第四章 ミドルの復権
第五章 顧客密着力を高めよ
第六章 「プレミアム立国」をめざせ
あとがき
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