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『2020年の教科書』菅下清廣・著 vol.2018


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【10年後、必要とされる人材とは?】
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人間は、将来何かを奪われると思うと、ギャンブルに出る傾向がある、ということがわかっています。

最近の若い人たちのキャリア観やお金に対する態度も、将来の恐怖に影響を受けている感があり、それが顕著に出ているのが、会社にコミットし切れない人や、やたらと若いうちに本を書きたがる人の存在です。

人生やキャリアの長さを思えば、一時的な感情に任せて動くのは危険。やはり10年後の未来像を思い描きながら、現在の生き方を決定すべきでしょう。

そういう意味で参考にしたいのが、本日紹介する『2020年の教科書』。

国際金融コンサルタントの菅下清廣がホスト役となり、作家の石田衣良さんや、マーケターの神田昌典さん、音楽家のつんく♂さん、ワークスアプリケーションズCEOの牧野正幸など、計7名と対談、そこから10年後必要とされる人材像を明らかにした一冊です。

今回、7人のなかで土井が気になったのは、石田衣良さんとつんく♂さん、そしてワークスアプリケーションズCEOの牧野正幸さん。

下流層の切り捨てを行わなかったから日本は成長した、と主張する石田衣良さんと、売れるのって遅ければ遅いほどいい、と述べるつんく♂さん、そして「厳しい仕事、成長できる仕事の中に、やりがいなんてない」と喝破する牧野正幸さん…。

いずれの方の主張も興味深く読ませていただきました。

10年後も必要とされる人材になるために、ぜひヒントにしていただきたい一冊です。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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日本は戦争で完膚なきまでに負け、何もかも失った。そんな中でモノへの欲求がすごかったこともあり、気づいたら世界2位まできていた。ところが、モノが満たされたことによって、あらゆる欲望を失ってしまった

「数字だけを知って、全部の課題をわかった気になる愚かさ。そういう短絡的な先回りというのかな、それが生きることをつまらなくしていますね。過程を楽しむ感覚がない」(石田衣良)

高度経済社会の弊害が2つありそうですね。ひとつは計算高くなる。もうひとつは欲張りになる。田舎でかわいい子を見つけて結婚、というのに満足しない。というのはネットでかわいい子を知っている。だからグレードを考える

「日本人はそれ(下の層の切り捨て)をやらなかったから、世界で2位になれたんですよ。切り捨てることで勝負するのではなく、日本はみんなで豊かになりたいという、その視点がよかった。チームワークで勝利した。もし個人がガツガツしたら、日本は韓国にも勝てないですよ」(石田衣良)

「営業をやっていくビジネスはゆっくり収益率で廃れていく。そして、表に出てくるのは、検索されるビジネス」(神田昌典)

「ネーミングには具体的な背景の物語がないと」(神田昌典)

「ヒントは本当に近くにある。もしかしたら、それを踏んづけてしまっているかもしれない」(つんく♂)

検索されるためには、自分個人が、本が、商品が、ブランド化したら検索される

「結果的に売れるということが保証されているのであれば、実は売れるのって遅ければ遅いほどいいんですよね。売れるまでずっと夢を胸に抱いてられるし。その間にいろいろ経験できるし、努力し続けることができるんですよ」(つんく♂)

「ゴールをどこにするかですよね。売れて『やったぁ!』って」なっている人は、そこがゴールなんですよ。そういう人には、金目当て的な人が知らない間にやってきて、褒めちぎって、あげられて、祭りの神輿になっていても気づかない。そうなると、もう、そこまでですね」(つんく♂)

実際に成功している人は、ピンチのときこそ前に進む気持ちがある人

「みんなすぐに、やりがいのある仕事をやりたがる、しかし、『やりがい』は与えられるもの。厳しい仕事、成長できる仕事の中に、やりがいなんてない」(牧野正幸)

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『2020年の教科書』フォレスト出版 菅下清廣・著
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◆目次◆
1時間目 欲望をおさえる経済での生き方
─夢の持てない国、恋愛のできない国でどう生きるのか?
(石田衣良×菅下清廣)
2時間目 ビジネスは変わり始めている!
─今すぐ動いた人が勝つ理由(神田昌典×菅下清廣)
3時間目 行動→継続→変化→進化で道を開く!
─自分を追い込む力(榊原暢宏×菅下清廣)
4時間目 ヒントは近くにある!
─10年後に成功するために知っておきたいこと(つんく♂×菅下清廣)
5時間目 挑めばチャンス、逃げればピンチ
─0から1を生み出す方法(鉢嶺登×菅下清廣)
6時間目 難しいことにチャンスがある!
─自分の強みにフォーカスする方法(アーネスト・M・比嘉×菅下清廣)
7時間目 クリティカルワーカーを目指そう!
─問題解決能力をアップさせる方法(牧野正幸×菅下清廣)

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