2012年6月20日
【2033年の世界はどうなる?】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4152092106
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以前、ローレンス・C・スミスの『2050年の世界地図』という本を紹介しましたが、本日の一冊もいわゆる予測本です。
※参考:『2050年の世界地図』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4140815353
ポイントは、こちらの方が本のサイズが大きく、かつ一目で世界情勢がわかるということ。
世界の人口の予測にはじまり、アメリカ、ロシア、中国、ブラジルなどの各国別のデータ・分析が入っており、どの国が台頭するのか、あるいは勢力を失うのか、一発でわかる内容となっています。
日本人として、以下の記述はじつに悔しいところですが、一定の真実だと思います。
「化石燃料の埋蔵量が戦力投射能力(軍事力を準備、輸送、展開して海外で軍事作戦を遂行する能力)と同等の価値を持ち、人口の平均年齢が若いことが強い競争力を意味する今の世界において、もはや欧州と日本の出番はない」
このように本書には、現在の数字と、未来の世界各国の動向が書かれており、じつに興味深い内容です。
エネルギー問題や食糧危機、地球温暖化、自然災害など、さまざまな問題の現在が、短時間で学べます。
ぜひチェックしてみてください。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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世界人口統計を行なっている国連人口部では、出生率が想定より低くなるか高くなるかで3パターンの統計(上位、中位、下位推計)を発表している。これによると、下位推計(出生率が低いと想定)では、世界人口は2025年に76億、2050年には79億と増加、その後の10年間は減少に転ずるとしている。一方、上位推計(出生率が高いと想定)では、2025年に83億、2050年には104億、その後も増加を続けると見込まれている。そして本書で採用している中位統計では、2025年に80億、2050年に91億、2100年ごろには90億に落ち着くとされている
死亡率と平均寿命には、第1に衛生状態の改善、そして予防接種の普及が大きく関わっており、さらに医療水準の上昇、労働条件の改善も関連している
中国では、耕作可能地、つまり農地として利用できる土地が次第に減少しつつある。元々、耕作可能地は国土の13%にすぎなかったのだが、過去数年間で一気に進んだ都市化と砂漠化(主に北部)のため、いまやわずか7%の農地で世界人口の20%を養わなくてはならなくなってしまった。その結果、もはや中国は穀物の需要を輸入に頼らざるを得なくなっている
国連の推計によると、2050年の65歳以上の高齢者の人口は今の3倍になると見込まれている。1950年には1億3100万人であったのが、現在は5億2300万人に増え、2050年にはなんと一気に14億人に膨らむと考えられている
大国が誕生する地域は、欧米からアジアへ移動していく
ロシアの農業従事者は、中国の農業従事者に比べて、平均して8倍から10倍の農地を所有している。さらに地球温暖化の影響で、中国では北京まで砂漠化が広がっており、逆にロシアでは永久凍土が融解しつつある。このことから、今後もさらに中国で農地が減少、ロシアで増加していくものと考えられ、両国の差はますます広がっていくだろう
現在の推計によると、今後2050年までに世界の人口は約25億人増加し、全員を養える食糧を確保するには、今より農作物収穫量を70%増やさなくてはならない
2033年には、水不足に悩む国は今より増えると見込まれている。現在、アフリカ大陸には世界の水資源の11%が集まっている
現在、世界の森林の70%は、たった10カ国(ブラジル、ペルー、コンゴ民主共和国、インドネシア、インド、中国、オーストラリア、アメリカ合衆国、カナダ、ロシア)に集中している
経済成長と商品生産とを切り離して考える
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『2033年地図で読む未来世界』 ヴィルジニー・レッソン・著 早川書房
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4152092106
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◆目次◆
第1部 人口を知ると世界が見えてくる
第2部 世界の人口は本当に過剰なのか
第3部 過剰消費の時代
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2012年6月19日
【本田直之、幸せと自由を語る】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478014701
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先日、土井が訪れたギリシャ・ヒオス島のアヴゴニマという村は、お店すらない、じつに静かな村でした。
夜9時に日が沈んで、暗くなると、人々の笑い声や物音さえなくなる。本当の静寂が、そこにはありました。
おやつやドリンクは買ってあるものしか選べないし、朝食は、ホテルで出されたものだけ。
でも、まったく自由のない状態で空腹を感じ、心待ちにした朝食は、どこの高級ホテルのビュッフェよりも美味しく感じられました。
われわれ先進国の人間は、これまで「選択肢が多いことが豊かなこと」と思い込まされてきました。
しかし、モノがあふれかえっている現代では、それは真実ではなくなってしまったのです。
本書のタイトル、『LESS IS MORE』は、ル・コルビュジエやフランク・ロイド・ライトと並ぶ、近代建築の巨匠、ミース・ファン・デル・ローエの言葉だそうですが、意味は、「より少ないことは、より豊かなことだ」という、まさに今の世の中が求めているメッセージ。
本書は、この『LESS IS MORE』の思想を、ベストセラー作家の本田直之さんがつづった一冊。
北欧(デンマーク、スウェーデン、フィンランド)の人たちと幸福について語り合ったという本田さんが、さまざまな統計や証言をもとに、幸福の持論を展開する、なかなかに興味深い読み物です。
本書で紹介されているギャラップの2010年の調査によれば、「日本の幸福度は81位。そのランキングで上位を独占しているのは、北欧の国々」だそうです。(デンマーク1位、フィンランド2位、ノルウェー3位、スウェーデン4位)
著者はこうした現実を受けて、「古い価値観のままでライフスタイルをつくっていくと、幸せではなくなってしまうのではないか」との危惧を抱き、現代日本の労働者のための幸福論を語っているのです。
モノではなく、経験に重きを置くこと、選択肢の多さから距離を置くこと、謙虚になるためのデンマークの掟(ヤンテの掟)、さらにこれから先の働き方まで…。
どうすれば、われわれが幸せに働いて行けるのか。
ハワイで暮らし、北欧の人々と語り合った著者が、処方箋を示しています。
古い価値観に振り回される人生ではなく、これからの時代に合った人生・働き方を模索したい人に、ぜひ読んで欲しい一冊です。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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物質至上主義とは、言い換えるならば、車や家をはじめモノや場所など、さまざまな制約に縛られて生きること
モノから得られる満足は一瞬しか続かないけれど、経験やそこから得た知識は、自分の中に一生残ります
ギャラップによると「年収が2万5000ドル以上の人は、モノを買うよりも“経験”をしたほうが、幸福度が2~3倍も高くなる」というデータがあります(『幸福の習慣』トム・ラス、ジム・ハーター著 森川里美訳/ディスカヴァー・トゥエンティワン)
「選択肢がないことが豊かなのかなっていうふうに思います。日本はいろいろ選べるものが多すぎて、目移りしちゃったり。デンマークにいると、すごくシンプルに自分の欲しいものが見えてくる。何が重要かってことがはっきりしてくるんだと思いますね」(サトコ・タナカ・フォールスバーグさん/デンマーク/船舶会社勤務)
◆デンマークのヤンテロー(ヤンテの掟)
「自分が特別だと思い上がるな」「自分が人より善良だと思うな」「自分以上の人間はいないと思うな」「他人のやさしさに期待するな」「他人に何かを教えられると過信するな」など
あれだけ労働者の権利を守ってきたイタリアでさえ、解雇規制を緩和しようという動きが出ているほど。ワークライフバランスは、仕事の成果を出すことなしには語れないものなのです
これまで、転職の際に会社を選ぶ基準は、ポジションやお金といった条件でした。しかし、これからは給料を闇雲に上げられる時代でもありません。働き方のオプションをとれるかどうかが重要になってくるし、そうしたライフスタイルをサポートできるような会社が人気を集めるでしょう
目の前のものを追うのではなく、その後ろについてくるものを大事にすることです
便利な時代に、「あえて」不便を求める
「やらないこと」を決めておけば、「やること」はハッピーなことだけ
いつまで続くかわからない限られた小さな世界の評価は捨ててしまいましょう。それより、もっと不特定多数の、広い世界からの評価を求めるべきです
「社会には、生きるために働かなきゃならない人と、働くことが面白いから生きている人、2つの種類の人がいます。私は、仕事をするのが面白いから、そのために働いているんです」(トーマス・フロストさん/デンマーク/ウェブデザイン会社勤務)
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『LESS IS MORE』本田直之・著 ダイヤモンド社
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478014701
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◆目次◆
chapter-01 古い価値観のままでは不幸せになる時代
chapter-02 自由に生きるために、変えること
chapter-03 自由に生きるために、捨てること
chapter-04 新しいライフスタイルを求めて
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2012年6月18日
【ソクラテスからのメッセージ】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4876981876
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本日の一冊は、プラトンと並ぶ愛弟子のクセノポンが、ソクラテスの言葉を思い出とともに語る、名著の新訳。
腐敗していた当時のアテネで、ソクラテスがいかにして人々を教え導いたか、その様子がヴィヴィッドに伝わる一冊です。
欲望に対して節度を保つ方法、すぐれた生き方と名声について、支配者となる者の心構え、両親から受けた恩について、兄弟愛について、友人の値打ちについて、知と思慮分別について、「自分自身を知る」とは…。
今はすっかり家庭や学校でも説くことのなくなった自己修養についての考え方が、ソクラテスの口調そのままに伝えられる、じつに味わい深い読み物です。
雰囲気をわかっていただくために、ひとつ例をあげましょう。
これは、哲学をする者は、より恵まれた生を送るようにならねばならないと信じていたソフィストのアンティポンとソクラテスが交わした会話の一部です。
「友人や国家が援助を求めているようなときには、それらに配慮するゆとりがどちらにより多くあるだろうか──現にわたしがしているような生き方をする人だろうか、それとも君が祝福するような暮らしぶりの人だろうか。より容易に参戦できるのは、豪勢な食事がなくては暮らしていけない人だろうか、それともあり合わせのもので満足できる人だろうか」
「どうやら君には、アンティポンよ、幸福とは贅沢と豪華絢爛のことらしいね。わたしの信ずるところ、何ものも必要としないというのは神のありようだが、なるべくわずかなものだけしか必要としないのはその神に最も近しい状態であり、神聖なるものが至高のものであるとすれば、神聖なるものに最も近しいものこそ、至高のものに最も近しいものであることになる」
このような会話を中心に、善い生き方をするために必要な考え方が、ぎっしり詰まっています。
本当に反省させられる内容です。
読んでみて、改めてソクラテスのすごさを感じさせられました。
これからの人生を善きものにするために、ぜひ読んでおきたい、名著中の名著です。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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立派なこと善きことのすべては、修練によって身に付くものであり、思慮分別はひとしおそうである
「恋人にはとても立派な人だと思ってもらいたいのに、その相手に対して、まるで物乞いをする人たちがすがりついて恵みを懇願するように、乞い求め、しかも求めるものたるや何のよさもないというのは、自由人に似つかわしくないし、立派なよき人にふさわしいことではないね」
わたしの言わんとするのは、敬愛していない人からは、誰に対してもいかなる教育成果ももたらされない、ということである
ソクラテスは、彼のところに来る者をよりすぐれた人間にして送り出していた
彼は次のような詩句を讃美していたものだ。力に見合った捧げものを、不死なる神々に供えるがいい。
彼のとる食事の量は、ちょうど快適に食べられるほどであったし、おまけに、食欲が彼のご馳走となるよう心掛けていたのである。飲み物にしても、のどの渇きを覚えなければ飲もうとしなかったから、彼には何でもおいしく感じられた
「ねえ君たち、もしわれわれに戦争が起こった場合、その人の配下につけばわれわれ自身は無事に助かって敵を打ち負かす、そういう人物を選ぶとすれば、食い意地や酒や愛欲や眠りに負けやすいと分かっているような人を選んだりすることがありえようか」
「金銭をかせごうとする者は、賃金を受け取るための仕事をなし遂げなければならないが、わたしのようにそれを受け取ろうとしない場合には、自分が対話を交わしたくない相手とは対話する必要がないのだよ」
「大勢の人たちといっしょに暮らして、足るほどのものを安全に所持するほうが、孤立した生活をしながら、危険をおかして国民のものをすべて所有するよりもまさっている」
「クリトブウロスよ、何につけてあれ君がすぐれた人間だと思われたいのであれば、その最も早く最も確実ですぐれた方途は、実際にすぐれた人間になろうと努めることだ」
「怠慢のせいで自分自身が身体的にどれほどの美しさをきわめ、どれほどの力強さをきわめるかを見ることなく、年老いてしまうのは恥ずべきことである。しかし怠慢な者はそれを見ることができない。それは独りでに達成されるものではないからである」
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『ソクラテス言行録1』クセノポン・著 京都大学学術出版会
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4876981876
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◆目次◆
第一巻
第二巻
第三巻
第四巻
解説
固有名詞索引
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2012年6月17日
【独立前に読みたい】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4532318009
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本日の一冊は、これからフリーランスとして独立したい人向けのマニュアル書。
独立したとたん直面するさまざまな問題を、あらかじめ洗い出し、対策を立てたい人向けの一冊です。
サラリーマン時代にどんなスキルを身につけるべきか、どのタイミングで独立するか、オフィスはどうするか、肩書・名刺はどうするかなど、さまざまな問題に応えてくれる内容で、フリーランスに完全特化しています。
独立したらわかることですが、大企業に勤めていた人が独立した場合、まったく同じ内容のサービス・料金で商売をするのはほぼ不可能です。
そこで著者は、「仕事を分解」し、もっとも自分の実力を発揮できて、かつ効率を高め、リスクを軽減できる分野に絞ることを推奨するのです。
また、「極力、オフィスはもつな!」「通勤をしない」「スタッフを抱えない」など、地味ながら重要なコスト削減の方法、仕事に専念するための考え方を示しています。
そして、これから独立する人には衝撃かもしれませんが、「サラリーマン時代、お世話になったクライアントは、すべて忘れる」という、とても大事な心構えを説いています。
これは、今までお世話になった古巣といい関係を保つために、とても重要な考え方であり、また、いいクライアントをつかんでいくためにとても大切な考え方。
そして、ほとんどの人が、しくじる部分でもあります。
ここに言及するとは、正直驚きました。
さらに、独立した際に必ず問題になる「集客」についても、マーケターの著者ならではのメソッドが示されており、参考になります。
「語り部名刺」「ヒストリーカード」「ノウハウ冊子」などの営業ツールが、写真入りで載っているのでチェックしておくといいでしょう。
これから独立を考える人に、ぜひおすすめしたい一冊です。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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自らの人生に、常に、主導権をもつこと
環境が整っていて、給料も手に入るという“在職中”に、徹底した武器づくりをすることが大事
売り物の弱いビジネスは、結局のところ、価格競争に陥るしかありません
サラリーマン時代の手取額の3倍は手に入れないと、余裕をもって暮らせないし、未来への投資もできません
究極の効率性を考えたのです。そこで私がやったのは、“仕事の分解”でした(中略)パーツの一つ一つを吟味し、「もっとも自分の実力を発揮できるのはどの部分か?」「効率を高められるのはどの部分か?」「リスクを軽減できるのはどの部分か?」などを検討していった
自分の能力だけで対応でき、しかもクオリティーの保証ができる分野だけに絞った
フリーランスはクライアントを呼んではいけません。それが私の結論です。打ち合わせが必要なら自分から出向くべきです。自ら出向いてクライアントに関する情報を積極的に手に入れるべきです
「何をしたいか」でなく、「どう見られたいか」を考える
古巣とのアライアンスを徹底する
既存のクライアントを当てにするという考え方には、私は大反対! 百害あって一利なしだと思います。その理由は簡単。古巣の会社とか組織を、敵に回すことになりかねないからです
「こんな問題を抱えている会社があって、その会社に対し、こんなアプローチをして、結果、こんなふうに改善されて、しかもいくらで引き受けた」といったケースを伝える
柱になるクライアントをつくらない
オリジナルのフォーマットをもつ
メールアドレスは、ひたすら目立たせよ!
あなたとクライアントの相思相愛エピソード「リーズン」をつくる
すべてのお仕事で着手金をいただく
締め切りを守るということは、「相手に恩を売る」ということ
体は常に空けておく
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『フリーで働く!と決めたら読む本』中山マコト・著 日本経済新聞出版社
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4532318009
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◆目次◆
Chapter1 フリーランス成功のための絶対法則!
Chapter2 金銭的リスクを、徹底的に回避する
Chapter3 自分を最強の商品に仕立て、スタートしたその日か
ら、売れっ子フリーランスになる方法
Chapter4 フリーランスの掟
Chapter5 選ばれるための仕事術
Chapter6 独自の集客力をもつ方法
Chapter7 プロフェッショナルフリーランスとお金
Chapter8 プロフェッショナルフリーランスのタイムマネージメント
Chapter9 プロフェッショナルフリーランスの人脈術
Epilogue さらなる飛躍のために
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2012年6月16日
【今後の投資の参考に】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4532355214/
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本日は、最近土井が問題意識を感じている、空き家問題を論じた一冊をご紹介します。
みなさんうすうす勘付いていらっしゃるように、「日本全国の空き家数は年々増加を続けており、2008年の空き家数は757万戸、空き家率は13・1%に達し」ています。(『空き家急増の真実』より。元は総務省「住宅・土地統計調査」)
著者の米山秀隆さんは、筑波大学大学院修士課程経営・政策科学研究科を終了し、野村総合研究所、富士総合研究所を経て、富士通総研経済研究所の上席主任研究員を務める人物。
2007年から2010年までは、慶應義塾大学のグローバルセキュリティ研究所客員研究員も務めていたようです。
本書では、社会問題化している空き家の現状を、統計、各種調査をもとに分析。
都道府県別の空き家率や空き家発生の原因、衰退が進む商店街の現状などを論じ、未来予測も示しています。
日本の空き家対策だけに限らず、各国の空き家対策も紹介しており、何が効果的なのか、考えるきっかけを与えてくれます。
ビジネス的に見ても、不動産投資の展望、さらには不動産の戦略的活用法などを考えるきっかけになる一冊です。
統計調査の紹介が多く、読み物としては退屈な部分もありますが、その分客観的なのが特長です。
図表4-6に示された空き家スペースの活用パターン、シェアハウス、コンパクトシティなどの最新トレンドは、今後、街の景観や、消費者の行動に影響を与える部分のため、とくに注目です。
地方行政に関わる方、不動産投資を考える方、「限界マンション」をつかまされたくない方、今後の消費トレンドに興味のある方は、ぜひ読んでみてください。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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空き家全体に占める各類型の割合を見ると、売却用住宅が4・6%、賃貸用住宅が54・5%、二次的住宅が5・4%、その他の住宅が35・4%(総務省「住宅・土地統計調査」)
賃貸用住宅の空き家率で日本がアメリカより高いことについては、日本では賃貸住宅が供給過剰になっている可能性を示している(米国住宅開発省および商務省統計局「American Housing Survey」)
空き家率を都道府県別に見ると、高い地域は山梨、長野、和歌山、低い地域は沖縄、神奈川、埼玉の順になっている
賃貸用住宅の空き家率については、1位が福井29・1%、2位が山梨27・0%と、地方圏が高く、都市圏では東京13・0%、神奈川14・4%と低い
千代田、中央両区は、分譲、賃貸とも空き家率が20%以上と極めて高くなっている
東京都区部の賃貸アパート(木造で一戸建て以外の賃貸住宅)の空き家率を見ると、都区部全体で22・3%に達し、賃貸マンションの空き家率12・8%を10ポイント近く上回っている
車が横付けできない建物、なかでもそこまで至る道路の途中に階段がある建物の空き家率が、特に高い
2050年には居住地域の2割が無居住化
高齢化社会のコンパクトシティでは、居住地域を集積させるだけでなく、必要な用事は歩いて足せる街づくりを目指している
不動産業者の間では、中古物件を仕入れてリノベーションを施し、再販するビジネスが活発化しており、すでにマンションではかなりの成功を収めている。この分野のパイオニアであるインテリックス(東京都渋谷区)は、築20年前後の物件を買い取り、構造躯体だけを残し、配管や配線、間取り、内装を含めて再設計し、すべて一新した後に販売するビジネスを行っている
シェアハウスを専門に紹介するウェブサイト(「ひつじ不動産」)も存在する。ひつじ不動産の登録物件は約1000棟に達し(2012年1月時点)、5年前の10倍以上になっている
2009年、長持ちする住宅を建てた場合には、住宅ローン減税や不動産取得税、固定資産税などでの優遇措置を受けられる「長期優良住宅制度」が設けられた。住宅の長寿命化は、今後ますます拍車がかかっていくと考えられる
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『空き家急増の真実』米山秀隆・著 日本経済新聞出版社
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4532355214
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◆目次◆
第1章 「住宅・土地統計調査」からわかる空き家の実態
第2章 地域の実態調査から見た現状
第3章 将来展望
第4章 空き家対策
第5章 空き家を活用した住宅市場の再構築
第6章 積極的活用に向けて
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2012年6月15日
【なぜかお金持ちになる人の生き方】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4894515032
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本日の一冊は、ベストセラー作家であり「お金の専門家」、本田健さんによる新シリーズ最新刊。
発売2週間で10万部を突破した『読むだけで心がラクになる22の言葉』に次ぐ、第2弾です。
今回は、著者が専門とするお金の話だけあって、内容が濃い。
「これから一緒に成功していく友人を持つ」
「お金持ちは、一生引き出さない口座をたくさん持っている」
「積立貯金で金持ちになった人はいない」
など、お金の真実をズバリ言い当てた内容になっています。
お金にまつわる名言やことわざなども散りばめており、処世の書としても役立つでしょう。
証券会社ひも付きのセミナーに行っているうちは決してわからない、シビアな話が書かれており、本気でお金に愛されたい人には、注目の内容。
電卓片手に、数字に落とし込みながら読めば、著者の言わんとするところがよくわかるでしょう。
わずか140ページの薄い本、しかも一見自己啓発テイストですが、とても大事なことが書かれています。
ぜひチェックしてみてください。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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お金に愛される人は、お金を上手に稼ぎ、美しく使える人です。「お金が喜ぶ」稼ぎ方をして、「お金が楽しく次の人のところに行ける」ような使い方をすると言ってもいいでしょう
金を貸す者は2つのものを完全に失う。すなわち友情と金(フランスのことわざ)
成功していく友人がいるというのも、お金持ちになるためには、大きな鍵となります。成功「している」ではなく、成功「していく」友人です
もし、1週間泊めてくれる友人が52人以上いたら、1年間乗り越えていける
普通の人の通帳を見ると、入出金がたくさんあるのですが、お金持ちの人は、数年お金の動きがない口座を持っています
自分のお金なのに使えないわけですから、すごく損した気分がするかもしれません。でも、その余裕を持っていることが、お金持ちの証拠
夫婦の悲劇は、夫婦間の「ストレス耐性」が違うところ
積立貯金で金持ちになった人はいない
ビジネスで入ってくるキャッシュフローを投資して、お金持ちになっていく―。これが、成功パターンです
最初に、お金のことを忘れて、「自分が何を提供できるのか」に集中して、それに一生懸命になること
経験や人脈に比べて、現金が、一番稼ぐ力が弱いアイテム
◆お金持ちになるための5つのステージ
1.心を定める
2.今いる場所から、本来自分が行くべき場所へ異動する
3.自分の勝負する場所を決める
4.自分が選んだ分野で結果を出す
5.まわりに応援される仕組みづくり
ロジャー・ハミルトンによれば、富を築く才能として、8つのタイプがあると言います。それは、クリエーター、スター、サポーター、ディールメーカー、トレーダー、アキュムレーター、ロード、メカニックです
信用と同じぐらい大事なのは「勇気」、個人レベルでは「やる気」だと思います。勇気というのは、損得を超えて、「本当にやりたいからやる」という意気込みです
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『読むだけでお金に愛される22の言葉』本田健・著 フォレスト出版
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4894515032
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◆目次◆
Chapter1 お金の本質を知る
Chapter2 お金の不安を消す
Chapter3 お金に愛される習慣
Chapter4 豊かさを味わう
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2012年6月14日
【元・世界銀行副総裁のメッセージ】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4862761364
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本日の一冊は、元・世界銀行副総裁、西水美恵子さんがつづったメッセージ集。
もともとは、電気新聞の連載コラム「時評ウエーブ」をまとめたもので、氏が世界中を巡って感じたリーダーシップの問題を3~4ページでつづった内容が、計48収められています。
日本の政治への批判や、観光立国への取り組みへの批判など、マクロのトピックもたくさん入っていますが、そのほとんどは、根っ子にあるリーダーシップを論じています。
無意識の差別意識に気づくこと、マイノリティの立場に意識を向けること、人々の幸せを第一に考えること、腐敗を防ぐこと…。
書かれていることのほとんどは、何らかの本に書かれていることですが、著者がそこに至った過程のエピソードが興味深い。
おねしょが止まらなかった女性職員の子ども(小学生)を出張に同行させたら、意識が変わり、成績が上がった話、毎年醜い予算争いをしていたチームが変わった話、ブータン国王から学んだこと、そして「権力は腐敗しがちであり、絶対権力は絶対に腐敗する」という名言を遺したアクトン卿の言葉…。
興味深いエピソード満載で、なかには思わず涙を誘われるものも含まれています。
タイトルの『あなたの中のリーダーへ』も相まって、背筋がピンと伸びる一冊です。
ぜひ、以前おすすめした『自省録』と併せて読んでみてください。
※参考:『自省録』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4003361016
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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世界銀行の部下に意思が伝わらず、悩んだ昔を思い出す。相談にのってくれた経営コンサルタントに「悩むと損」と、笑われた。「人間の耳は選り好みをするし、自分に都合よく聞き取るようにもできている。だから、何事も繰り返すこと。壊れたレコードのようにね。自分自身に聞き飽きて、うんざり諦めかける頃、やっと通じるものなのだ」。半信半疑で試してみたら本当で、人の上に立つのは難しいと、心底感じ入った
人口減少を目前に「労働人口が減るから困る」と騒ぐ財界人が多い。可能労働人口の大半を無駄にして何を言うのかと、呆れる。ガラスの天井や差別待遇に何人の女性が働く意志をなくしたことか
ちなみに「グリーン車」の名付け親は、世銀。料金設定を手伝う世銀職員が、「一等車」は身分階級を匂わすと嫌う国鉄チームの民主精神に感激し、考えたらしい
「金貸し」に執着する銀行は、いつか潰れる。良い仕事を続ければ融資要請は探さずとも出て来る
嫌なことにぶつかると、夢を膨らます糧となる
リーダーのDNAに染まりすぎたら、持続的な意識改革にはならない
人事のすべてについて、職員のみを対象とする思考を捨てた。家庭を対象に入れ、人間としての幸せを考えるようになった。職場でも家庭でも同じ人間。どちらかが不幸せならもう一方に響く。働きがいと生きがいがつながって初めて、人間の「生産性」が大きく変わる
◆パワー・スピーチの技法 ※一部紹介
・始めは単刀直入に力強く
・声量を下げる。耳はうるさい声を避け、静かな声に聞き入る
・沈黙も語彙の内
・言葉で絵を描く。人間の脳は物語や、実例、色などに正反応して、覚えがよくなる
道義なしの解雇は組織を駄目にする
「自由とは好きなことをする権力ではなく、為すべきことができる権利である」(雷龍王四世が好んだアクトン卿の言葉)
成す術はなくても、夢を見るのはいいものだ。おかしな夢を追う人だと笑われることが多く、それが却って夢を膨らます糧となる
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『あなたの中のリーダーへ』西水美恵子・著 英治出版
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4862761364
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◆目次◆
第一部 本気のリーダー 本気の仕事
第二部 私たちのリーダーシップ 私たちの国づくり
[エラー: asin:4862761364 というアイテムは見つかりませんでした]
2012年6月13日
【注目】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4756915418
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本日ご紹介するのは、定評ある「マンガで3時間でわかる」シリーズのミャンマー・カンボジア・ラオス版。
アジア最後のフロンティアとして注目される、いわゆる「MCL3カ国」ですが、なかでも人件費が安く、識字率が高い、かつ人口の多いミャンマーは、注目株です。
本書では、そのミャンマーを中心に、各国の歴史とデータ、経済成長の可能性、有望なビジネスや投資の機会など、幅広く紹介しています。
見開き2ページで1トピック、マンガと文章での解説と、極めて限られた紙数ながら、必要なポイントを過不足なく紹介しています。
この一冊で、各国に投資する際のポイントや法人設立のヒント、各国の労働法から税金まで、幅広く知ることができます。
さらに詳しく知りたい場合は、本書に出てくる組織名や情報源から、ネット検索するといいでしょう。
本書にはまた、既に3カ国に投資している日本企業の事例も登場し、まさに「アジア最後のフロンティア」の最前線を知ることができます。
ミャンマー以外の国の記述は若干弱いですが、それでも3カ国を概観するには、便利な一冊です。
企業進出、資産運用のヒントに、またビジネスマンの教養として、ぜひ読んでおきたいところです。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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中国の労働賃金上昇や政治リスクへの配慮から、今再び、製造拠点としてアセアン諸国への注目が高まっています
中国の一般労働者の賃金が約460米ドルであるのに対し、日本からの投資が相次ぐベトナムは3分の1(約150米ドル)。アセアン域内で最も賃金の安いミャンマーはさらにその3分の1(約50米ドル)です
タイはミャンマー経済を支える重要なパートナーです。アンダマン海域の天然ガスの輸出先でもあり、2010年度のミャンマーの輸出総額の約33%はタイ向けでした
タイからミャンマーへの観光客数は年間3万人超。10米ドルの入国ビザ代を払って日帰り観光に訪れるタイ人の姿も。逆にミャンマーからは、タイへ年間100万人を超える人が出稼ぎに出ているといわれています
シーレーンとは、「国の通商上、戦略上の重要性が高く、何か起ったときには国をあげて守らねばならない海上交通路」のことです。ミャンマーは石油をはじめとするエネルギー資源の物流ルートの要所に位置しているのです
一人あたりGDPは804米ドルでアセアン加盟国中では最も低いミャンマーですが、安定した成長(年平均4・7%)を続けてきています
豆類はミャンマーの輸出総額の12%を占める最重要輸出品です。ゴマは、なんと生産量世界第1位なのです
(ミャンマーの)天然ガスはアセアン諸国ではインドネシア、マレーシアに次ぐ第3位の埋蔵量
◆ミャンマーへの事業進出で認められている事業形態
1.100%外国資本による企業設立
2.合弁企業設立
3.パートナーシップ方式
4.支店・駐在員事務所の設立
5.ローカル企業との資本参入
(ミャンマーの)労働時間は原則1日8時間。店舗と事務所に限り、1日11時間まで延長することは可能です。また、一週間あたりの残業時間は店舗・商業施設で16時間、工場では12時間まで認められます。残業代として、時間給・日給の2倍を支払います
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『ミャンマー・カンボジア・ラオスのことがマンガで3時間でわかる本』 福森哲也、小原祥嵩・著 明日香出版社
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4756915418
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◆目次◆
第1章 アセアン諸国
第2章 ミャンマー
第3章 カンボジア
第4章 ラオス
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2012年6月12日
【戦略を考えられる人材になる】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4103322810
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本日の一冊は、東レ、みずほ、JR西日本などの大企業で「企業内ビジネススクール」を企画し、実績をあげている、話題の研修講師、高山信彦さんによる一冊。
著者は、富士ゼロックスを経て、慶應義塾大学でMBAを取得、現在は「株式会社イナクト」の代表を務める人物ですが、経歴だけを見ると、さほどすごさは感じられない。
しかしながら、読んでみて「これは違う」と、即座にその研修のすごさを実感しました。
MBAホルダーであれば、誰しも経営理論は語れるわけですが、それを現場に落とし込んで、実績をあげるまでには相当綿密な指導プロセスが必要。
本書では、その指導プロセスをはっきりと見せているのです。
著者が実際の講義で使うのは、『競争優位の戦略』『ブルー・オーシャン戦略』『イノベーションのジレンマ』『企業戦略論』『ビジョナリーカンパニー2』など、いわゆる基本書ばかり。
しかしながら、これらの基本書で紹介されている経営論を用いれば、十分に現場で成果をあげられることを、本書は示しているのです。
マネジャー(n+1)の仕事は、現場(n)が解けない問題を一段上の視座から解くこと─そのための抽象思考をどう養うのかという視点、経営戦略論の4つのアプローチ、パナソニック、トヨタを例に語られる「同質化戦略」、造船会社を変革した実例など、組織が学習することのものすごさを、眼の前で見せてくれます。
「経営学なんて使えない」とうそぶく前に、古くても道具を使いこなすことのパワーを教えてくれる、そんな内容です。
組織能力を高めたい経営者、マネジャー、人事担当者は、必読の一冊です。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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本屋さんに行けば、経営学に関する本があふれています。アカデミックなものから、実際の経営者に関するものまで。でもその大半は「事例」から「法則」を導く「帰納的」なアプローチによるものです。「A社はXで成功した」「B社もXで成功した」「C社も同様だ」。であれば、「企業はXをするべきだ」となります。一見、とても論理的です。勉強にもなる。でも考えてみてください。こうしたアプローチには「Xをしても成功しなかった企業はないのか」「どうすればXができるのか」という視点が欠落していませんか
企業活動における構想には行為が伴わなければなりませんし、その行為が価値創造に資するものでなければならない
「n」と「n+1」の違いは抽象化、概念化の差です。「n」「n+1」「n+2」「n+3」……とマネジメントの階層が高次になればなるほど、具体的な事実を抽象化、概念化する能力が必要になり、逆に「n」に近づくほど抽象化、概念化したものを具現化する能力が求められる(中略)突き詰めれば、「n+1」の存在意義は、抽象化や概念化を駆使して「n」が解けない問題を解決すること
同じ資源でもどの場に置くかでその効果は異なります。違う言葉を使えば、「上がるリングを選べ」ということです。このポジショニングを間違えると、無惨な結果になります
簡単に手に入るものは切り札にならない
小林製薬は世の中にないモノをどこよりも早く商品化していく。もっとも、花王ほどにはシーズの蓄積はありませんので、他社に真似されやすい
チャレンジャーが差別化に出た時、リーダーがよくやる手は「同質化」
「How」とは、「どのように~するか」という発想です。ある所与の目的があって、その目的を達成するための方法を考えるというものです。でも、私の授業で取り組んでもらいたいのは、「そもそも何をするのか」を考えるという発想です
小賢しい理屈や論理はいらないんです。大事なのは、地に足のついた数字。「この市場が有望だ」と生徒が言えば、私は尋ねます。「有望というのなら、全体の市場規模はどれだけあって、どれだけの受注が見込めるのか」それでも答えて来たら、重ねてこう尋ねます。「具体的には、どこが買ってくれるのか」。企業名を答えて来たら、さらに突っ込みます。「誰が買ってくれるのか。君はその決裁権のある人の名刺を持っているのか」
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『経営学を「使える武器」にする』高山信彦・著 新潮社
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4103322810
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◆目次◆
準備編 経営学の基本を頭に入れる
実践編 経営学を使って、造船会社を変革する
補講 東レ、JR西日本、みずほの挑戦
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2012年6月11日
【これぞシリコンバレー流】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4822249107
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先日読んだ、『反・学歴の成功法則』という本に、高卒だった著者が、手紙を書いて外銀に内定をした話が書かれていました。
※参考:『反・学歴の成功法則』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4766785258
応募資格に「短卒以上」と書かれていたのに、大事なのは銀行の業務経験だと思い直し、必要のない手紙を書き、採用されたのです。
現在は、大企業であってもリストラされる時代、昨日までもてはやされた資格や技能、学歴も陳腐化する時代です。
では、そんな時代にどうやってキャリアを築けば良いのか?
ベストセラー『10年後に食える仕事食えない仕事』で守りを固めた人たちも、本当は守っているだけでは安心できないのではないか? とうすうす勘付いているはずです。
※参考:『10年後に食える仕事食えない仕事』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4492261036
そう、不確実な時代のキャリアに必要なのは、「起業家精神」なのです。
そのことを説くのが、本日ご紹介する、リンクトイン共同創業者リード・ホフマンの『スタートアップ!』。
※参考:『スタートアップ!』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4822249107
ありがちな起業本かと思ったら、とんでもない。万人が必要とするキャリアの本でした。
ちなみに説明すると、リード・ホフマンはリンクトインの共同創業者(兼会長)を務めるだけでなく、フェイスブックやジンガなど、100社を超えるテクノロジー企業に早い段階から投資を行っている人物。
おまけにご存じのように、リンクトインはキャリア専門のSNSということもあって、個人のキャリアにも詳しいのです。
そんなホフマンが書いたキャリア本が、面白くないはずがない。
難しい理論は一切なし。
自己啓発書のような高揚感と、キャリア・起業で成功するためのヒント、そして成功者の実例が満載された、実践の書なのです。
時流が変わった時、プランAからプランBに移行するアイデア力、最悪の場合に備えてプランZを用意する抜け目なさ…。
シリコンバレーで育った多くの起業家は、これらの資質を備えていたために、冴えない事業を世界的大事業に育て上げることができました。
また、起業家にはならなくとも、企業から企業へと渡り歩いて、大事業に関わるきっかけを手に入れた人物もたくさんいます。
本書には、こんなシリコンバレーの傑物たちが数多く登場し、われわれにキャリアのヒントを与えてくれます。
表紙とタイトルに騙されることなかれ。
あなたのキャリアを加速させるために、ぜひ読んでおきたい必読の書です。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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テクノロジーは新しい職種も生むが、たいていは失業数を埋め合わせるほどではないし、新しい職種はふつう、以前の職種とは違った、より高度な技能を必要とする
起業家にとって、「完成した」は禁句である。彼らは、偉大なる企業は進化を怠らないことを心得ている。誰もがこの「完成した」を禁句にすべきだろう。わたしたちはみんな、いわば未完成品なのだ
ドゥ・サムシングのCEO(最高経営責任者)ナンシー・ルブリンのいう「前例がない、かけがえがない、より速い、よりよい、あるいはより安い」に当てはまらないかぎり、誰からも注目されないだろう
あなたの強みは絶えず変化する3つのもの、つまり、資産、大志(あるいは理念)、市場環境の相互作用によって決まる
キャリアの転換を図るには、給料がないとせいぜい1、2カ月しか持ちこたえられない人よりも、半年から1年くらいは生活できる人のほうが、選択肢が広い
アイデンティティは発見するようなものではない。行動や経験をとおして生まれてくるのだ
「市場が存在しなければ、どれだけ賢くても振り向かれない」(マーク・アンドリーセン)
市場環境を逆風ではなく追い風にすることが、職業人生で大きな成功を収めるカギである
「成長著しい分野に行くことだ。急成長するところにはチャンスがあふれているからね」(エリック・シュミット)
「要経験」の仕事に応募するには、そもそもどうやって経験を積めばよいのだろう? わたしが思いついた打開策は、本来業務のかたわら無給でその職務を買って出るというものだ
最高のプランBは、いまやっていることと強く関係している
「幸運にめぐり合う最善の方法は、さまざまな出来事を起こすこと」(ボー・ピーボディ)
短期のリスクは長期の安定性を高める
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『スタートアップ!』リード・ホフマン、ベン・カスノーカ・著 日経BP社
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4822249107
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◆目次◆
日本語版まえがき 伊藤穣一
第1章 人はみな起業家
第2章 競争するうえでの強みを培う
第3章 順応へのプラン
第4章 持つべきは人脈
第5章 飛躍への戦略
第6章 賢くリスクをとる
第7章 人脈は知識の泉
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