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『0点主義 新しい知的生産の技術57』荒俣宏・著 Vol.2879


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【荒俣宏が教える、生き抜くための勉強法】
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本日の一冊は、百科事典の編集助手をしながら書いた小説『帝都物語』がベストセラーになり、日本SF大賞受賞、著書・訳書が300冊を超えているという荒俣宏さんによる知的生産術。

勉強、読書、生き方、荒俣さんの知的生産術まで、どっぷりと荒俣ワールドに浸れる一冊で、興味深くてどんどん読み進められてしまいます。

最近は、雇用不安から、「食いっぱぐれない」といったキーワードの本がよく売れていますが、人間、朗らかに生きたければ、自分の仕事は自分で作るのが一番。

万が一、それが自分の好きな仕事だったりしたら、もう最高です。

そういう意味で、好きなことを追求したら有名になっちゃった、荒俣さんの生き方は参考になります。

著者は、そんな自分の生き方を「0点主義」と呼び、<0点の成績をとりつづけることでたくわえられる「知の力」というものがあるのだ>と力強く主張します。

<世の中にはストライクでなくても、バッターをアウトにできる球はいくらでもある>
<バカになればニッチがみえる>
<あきらめれば何でも得られる>

自分の知的好奇心に従うことで道が開ける。良い「材」になるための勉強なんてつまらない。

肩ひじ張って生きている、現在のビジネスマンに、希望を与えてくれる自己啓発書です。

文章も面白いので、ぜひチェックしてみてください。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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世の中にはストライクでなくても、バッターをアウトにできる球はいくらでもある。ボール球で空振りがとれれば、それはストライクと同じ効果がある

世界が変革期になり、物事の価値観の見直しが行われるときは、このようなニッチの分野に光が当たる

私は小学生のときに、「お金持ちになること」と「女の子にモテること」をあきらめた。一つの「好きなこと」を守るには、一つの「欲望」をあきらめる。それほど好きなことがしたかったのだ

大工の名人が弟子を連れて材木を探す旅に出た。すると、ある村で神木として尊ばれている巨木に出会った。弟子がこの木を使おうというと、名人は答えた。あの木は役に立たなかったからこそ巨木になれたのだ、と。(中略)自分の個性を失わずに伸びた木は「材」とは異なり、世間的には役に立たなくても世俗の評価を越えた神木になれる可能性がある

競争のための勉強ばかりすると死ぬときに後悔する

人はやはり、ずっと恋心を抱けるような相手を勉強の対象に選ぶべきだ

古代ギリシア語では、哲学を「フィロソフィア」と呼んだ。このフィロとは「愛する」、ソフィアとは「英知」を意味する。純粋に興味がある、つまり知ったり考えたりすることを愛するという気持ちが、脳をもっとも喜ばせる最高の勉強につながるのだと思う

不人気なものにこそ、宝が眠っている

不人気なものの中から宝をみつけるには、「何でも食ってやる」精神で臨むことである

無駄とは、言い換えれば“未知なる可能性がある”ということ

ちなみに、私はトイレに書棚をつくり、風呂には台を渡して、そこで本を読むことにしている

下世話なほうが発想の握力がつく

要するに、自分に期待するのをあきらめ、老人になったわけだ。おかげで老人との付き合いがとても楽しくなり、老人は人生経験が多いから、さまざまな形で私の知識の大きな供給源になってくれた

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『0点主義 新しい知的生産の技術57』荒俣宏・著
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◆目次◆

序章 0点主義の勉強法
第1章 偶然が訪ねてくる勉強法
第2章 情報整理なんていらない
第3章 勉強を高尚なものにしない
第4章 苦手な勉強こそ意外なチャンスをもたらす
第5章 不利な環境は最強の勉強空間だ
第6章 「人生丸儲け」の勉強法

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