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『空き家急増の真実』米山秀隆・著 Vol.2887


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【今後の投資の参考に】
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本日は、最近土井が問題意識を感じている、空き家問題を論じた一冊をご紹介します。

みなさんうすうす勘付いていらっしゃるように、「日本全国の空き家数は年々増加を続けており、2008年の空き家数は757万戸、空き家率は13・1%に達し」ています。(『空き家急増の真実』より。元は総務省「住宅・土地統計調査」)

著者の米山秀隆さんは、筑波大学大学院修士課程経営・政策科学研究科を終了し、野村総合研究所、富士総合研究所を経て、富士通総研経済研究所の上席主任研究員を務める人物。

2007年から2010年までは、慶應義塾大学のグローバルセキュリティ研究所客員研究員も務めていたようです。

本書では、社会問題化している空き家の現状を、統計、各種調査をもとに分析。

都道府県別の空き家率や空き家発生の原因、衰退が進む商店街の現状などを論じ、未来予測も示しています。

日本の空き家対策だけに限らず、各国の空き家対策も紹介しており、何が効果的なのか、考えるきっかけを与えてくれます。

ビジネス的に見ても、不動産投資の展望、さらには不動産の戦略的活用法などを考えるきっかけになる一冊です。

統計調査の紹介が多く、読み物としては退屈な部分もありますが、その分客観的なのが特長です。

図表4-6に示された空き家スペースの活用パターン、シェアハウス、コンパクトシティなどの最新トレンドは、今後、街の景観や、消費者の行動に影響を与える部分のため、とくに注目です。

地方行政に関わる方、不動産投資を考える方、「限界マンション」をつかまされたくない方、今後の消費トレンドに興味のある方は、ぜひ読んでみてください。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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空き家全体に占める各類型の割合を見ると、売却用住宅が4・6%、賃貸用住宅が54・5%、二次的住宅が5・4%、その他の住宅が35・4%(総務省「住宅・土地統計調査」)

賃貸用住宅の空き家率で日本がアメリカより高いことについては、日本では賃貸住宅が供給過剰になっている可能性を示している(米国住宅開発省および商務省統計局「American Housing Survey」)

空き家率を都道府県別に見ると、高い地域は山梨、長野、和歌山、低い地域は沖縄、神奈川、埼玉の順になっている

賃貸用住宅の空き家率については、1位が福井29・1%、2位が山梨27・0%と、地方圏が高く、都市圏では東京13・0%、神奈川14・4%と低い

千代田、中央両区は、分譲、賃貸とも空き家率が20%以上と極めて高くなっている

東京都区部の賃貸アパート(木造で一戸建て以外の賃貸住宅)の空き家率を見ると、都区部全体で22・3%に達し、賃貸マンションの空き家率12・8%を10ポイント近く上回っている

車が横付けできない建物、なかでもそこまで至る道路の途中に階段がある建物の空き家率が、特に高い

2050年には居住地域の2割が無居住化

高齢化社会のコンパクトシティでは、居住地域を集積させるだけでなく、必要な用事は歩いて足せる街づくりを目指している

不動産業者の間では、中古物件を仕入れてリノベーションを施し、再販するビジネスが活発化しており、すでにマンションではかなりの成功を収めている。この分野のパイオニアであるインテリックス(東京都渋谷区)は、築20年前後の物件を買い取り、構造躯体だけを残し、配管や配線、間取り、内装を含めて再設計し、すべて一新した後に販売するビジネスを行っている

シェアハウスを専門に紹介するウェブサイト(「ひつじ不動産」)も存在する。ひつじ不動産の登録物件は約1000棟に達し(2012年1月時点)、5年前の10倍以上になっている

2009年、長持ちする住宅を建てた場合には、住宅ローン減税や不動産取得税、固定資産税などでの優遇措置を受けられる「長期優良住宅制度」が設けられた。住宅の長寿命化は、今後ますます拍車がかかっていくと考えられる

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『空き家急増の真実』米山秀隆・著 日本経済新聞出版社
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◆目次◆

第1章 「住宅・土地統計調査」からわかる空き家の実態
第2章 地域の実態調査から見た現状
第3章 将来展望
第4章 空き家対策
第5章 空き家を活用した住宅市場の再構築
第6章 積極的活用に向けて

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