2012年3月12日
【孫正義に影響を与えた本】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4000065424
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本日の一冊は、孫正義氏が学んだという、元理化学研究所の人工知能研究者、故・松本元氏による遺作。
人工知能の実現のため、脳のメカニズムを徹底研究した著者が、脳を最大限活用し、充実した人生を歩むためのコツを述べた、ロングセラーです。
わずか100ページとちょっとの小冊子に、脳に関する科学的知見がまとめられており、どうすれば学習効果が高まるかというノウハウまで学ぶことができます。
なぜわれわれ人間がわかりあえないのか、なぜ数学の先生が嫌いだと数学まで嫌いになってしまうのか、なぜ物事の起こった順序が学習にきわめて重要なのか…。
さまざまな現象・トピックがすっきり説明されており、じつに興味深い内容です。
愛や夢がなぜ大事なのか、また別の視点から学習することができ、とても有意義な読書体験でした。
みなさんも、ぜひ読んでみてください。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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快・不快を判断する視床─扁桃体の直接経路が「価値の一時判断系」である。この後、この入力情報が大脳皮質の認知情報処理系でさらに時間をかけて緻密に処理され、その結果が扁桃体で価値判断されるという「価値の二次判断系」によって再び判断される
情動系が価値を認めると、脳内活性が上がり学習効果が高まる
自然現象を最終的に認識する「人の脳」の情報処理が主観的なものであるということは、自然認識(すなわち科学)も、客観的には行い得ない、ということを示している
脳には連想学習性(情報を連合して学習する性質)というものがある。その結果、ある人から不快な情報を得て、その人を嫌いとなると、その不快情報が強烈であるほど「嫌い」という感
情がその人のもつ属性全般にどんどん広がってゆく。数学の先生が嫌いになると、数学まで嫌いになってしまう
外部情報を快・不快ととらえるのは脳の内部構造だということである。決して外部情報が快・不快という感情を運び込むのではない。精神的な痛みを伴うために不快ととらえがちなことも、
「自分にとって価値がある」と思えば、脳は活性化され、問題解決へ向けて自律的に脳の回路が形成されていく
深層に強い怨念、痛み、苦しみ、悲しみなどの感情が強く長期記憶化している人は、さまざまな入力情報によってこれらが呼び出される機会も多いだろう
物事の起こった順序は学習にきわめて重要な効果を生じさせる(中略)脳は、強い刺激を受けとるよりも時間的に少し前に入力されていた情報を、この強い情報と関連づけて学習する性質がある
情がマスター(主人)で、知はスレーブ(従僕)である。脳は意欲で働くのである。特にわれわれは、人から受け入れられ、人からわかってもらうことで意欲があがり、知が働くように作られている
愛とは人との関わりを求め、人の存在をそのまま受け入れるための価値の尺度ということになる。そしてわれわれは、愛をもつためには、自分自身が愛を受けた経験をもってそれを学習し、脳内にそうした回路を形成していかなくてはならない(渡辺裕子著『「自分」を愛するために』、いのちのことば社、一九九三年を参照されたい)
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『愛は脳を活性化する』松本元・著 岩波書店
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4000065424
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◆目次◆
プロローグ 「脳を知る」とはどういうことか
1.脳とはどんなコンピュータか
2.脳型コンピュータの開発に向けて
3.脳から見た心──内部世界が作る心の特徴
4.愛は脳を活性化する
5.科学と宗教
6.新しい科学の始まりの中で
あとがき
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2012年3月11日
【待望のシャア編!】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4534049005
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本日の一冊は、大好評を博した『ガンダムが教えてくれたこと』
の著者、鈴木博毅さんによる待望の「機動戦士Zガンダム」編。
※参考:『ガンダムが教えてくれたこと』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4534048084
かつて「赤い彗星」の異名をとったカリスマパイロットであり、ファンからの人気も高いシャア・アズナブルの成長の軌跡から、マネジメントに必要な心構え、スキルを学ぶ、そんなコンセプトの内容です。(シャアが主役ということでシャアのファンであるGACKTさんが推薦の辞を寄せています)
前作と比べると正直、インパクトは落ちますが、一度プレーヤーとして成功した人間がいかにしてマネジャーとして再生していくかという課題を扱っており、プレイングマネージャーには注目の内容です。
部下カミーユとの交流を通じ、再び戦士として立ち上がるシャア・アズナブル(クワトロ・バジーナ)。
その生き方から多くが学べる、そんな内容に仕上がっています。
<自分の経験の一部を部下と共有することで「想定外の出来事」を防ぎ、注意すべきポイントを伝えてミスを最小限に抑える>
<あなたを再び活かす「巨大な敵」を見つける>
◆目標達成型チームを創る4原則
1.「場」全体を見渡すこと
2.「目標」は何度でも確認
3.「緊張感」を維持させる
4.自らの「価値観」を語る
など、具体的なアドバイスがちりばめられており、かつてガンダムにハマった現在の30代、40代におすすめの内容です。
アムロを育てた有能な指揮官、ブライトの部下指導術も紹介されており、読み応えは十分です。
ぜひ読んでみてください。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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「赤い彗星のジレンマ」とは、その人物の事象への判断基準がもはや古くなってしまった状態です。以前は勝利できていたあなたが同じ戦法で急に負けるようになったのなら、それは直面している敵が“知らぬ間に”過去とは違う新しい存在に生まれ替わっている可能性があります
経験の浅いスタッフほど、仕事を進めるうえで「次に起こること」を予測する能力(まさに体験)がありません。逆に言えば、シャアは自分の経験の一部を部下と共有することで「想定外の出来事」を防ぎ、注意すべきポイントを伝えてミスを最小限に抑えるようにしているのです
「君はどう感じているのだ?」
シャアはこの質問によって、カミーユに「これは自分の問題でもある」という当事者意識を持たせる試みを始めていくのです
カミーユが赤い彗星に敬意を抱いた理由には、次の2つがあると思われます。
1.扱いにくいはずの自分にきちんと関心を持ってくれたこと
に感謝している
2.優れた能力を持ち、活躍をしている上司が、必要な場所で
「我慢」「辛抱」をし、「組織の目標達成のために自分を
抑える」姿を目の当たりにして心を打たれたこと
人が「この人についていきたい」と思う理由は、2つに分けられるのではないでしょうか。ひとつはその人物についていけば「自分が勝てる」と感じられる場合。もうひとつは、ついていく人自体が「成功する」と確信できる場合です
ある環境があなたを成功に導いてくれたのち、今度は、その環境が「あなたを固定化」しようとすることがあります。“成功”は「あなたが同じことを継続する」ことを望むからです
あなたを再び活かす「巨大な敵」を見つける
ブライトは人材育成において4つのステップを採用しています。
1.役割が人を変える。だから相手が上手くできることを探す
2.最適な役割に配置し、活躍させて自己効力感を味あわせる
3.相手は、自分が貢献できる場所(集団)を好きになる
4.帰属意識の高い優れたメンバーとなる
過去を取り戻そうと悩み続ければ人生のすべてを失うことにもつながります
ビジネスでは、上司が見せる仕事の成果や実績がそのまま部下の「ビジョン」になります。あなたが見せる限界が「部下の限界」として引き継がれていくことになるのです
リーダーとは、人の意識変革をどれほど行えるかによってその存在価値が決まるのではないでしょうか
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『シャアに学ぶ“逆境”に克つ仕事術』鈴木博毅・著 日本実業出版社
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4534049005
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◆目次◆
Chapter1 赤い彗星のシャアからクワトロ・バジーナヘ
Chapter2 シャアに学ぶ新人カミーユの手なずけ方
Chapter3 カミーユがシャアに求めた理想のリーダー像とは?
Chapter4 一年戦争の英雄アムロがカミーユの中に見たもの
Chapter5 プレイングマネージャー、シャアの人心をつかむ技術
Chapter6 リーダーとしてのブライト・ノアとクワトロ・バジーナ
Chapter7 ティターンズと地球連邦軍の崩壊を進めたもの
Chapter8 シャアが見つめる「一歩先」の視点
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2012年3月10日
【読書でやる気のスイッチを入れる】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/477451344X
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本日の一冊は、テレビで話題沸騰の本のソムリエ、「読書のすすめ」店長の清水克衛さんによる注目の新刊です。
「ああ、よくある読書本か」とたかをくくってはいけません。
これはじつは、とてつもなく「熱い」本なのです。
土井はかつて、著者が経営する江戸川区・篠崎の書店「読書のすすめ」を訪れたことがあります。
駅から10分以上歩いてたどり着いたのは、変な「のぼり」が立っている、とても書店とは思えないあやしいお店でした。
しかし、いざ中に入ってみると、その奇想天外な売り方に唖然。
段ボールにおすすめコメントを書きなぐったオリジナルPOP、出版社の帯を外し、独自に作成した帯、なぜか併売している赤い靴下、全数十巻の豪華セット本を(棚の一番上に置くのではなく)本気で売る姿勢…。
とにかく、すべてが非常識だったことを覚えています。
その後、お話したら、この清水店長は、かつてとあるコンビニチェーンで日本一おでんを売った人であることも判明しました。
本日の一冊は、そんな清水店長が書いた、非常識な読書のすすめ。
読書することで触れられる、古今東西の偉人の話、読書の本当の意義、新社会人に贈る仕事の心構え…。
著者が本から得た豊富な知識、エピソードを分けてもらえる、じつにワクワクする一冊です。
冒頭にある、<読書で育てるものは「常識」ではありません。育てるべきは「ちょっと非常識な考え方」なのです>という考えに、大いに共感しました。
読書を通じて元気をもらいたい人、必読の一冊です。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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読書で育てるものは「常識」ではありません。育てるべきは「ちょっと非常識な考え方」なのです
明治維新の時代には、乱世型の革命児がわらわれと現れて、世の中をあっという間にひっくり返しましたね。今では英雄といわれる革命児たちは、その時代の「常識」を脱して、新しい「モノサシ」をつくった「非常識な変人」たちでした
何のために本を読むのかといったら、自分のパワーを最大限に世の中に生かしていくために本を読むのです。知識をインプットするためではなく、自分の力を世界に向けてアウトプットし、人との絆をしっかり結んでいくために本を読むのです
あの小学校の門のところに立ち、薪を背負って本を読んでいた二宮金次郎さんは、ただの本好きというわけではなく、歴史上まれにみる「再建の神様」でした
江戸中期に商人道を初めて日本に広めた、石田梅岩さんの本に出合うこともできました。梅岩さんは、士農工商という身分制で、商人の位が一番低かった江戸時代に「商売はとても尊い仕事なんだ!」という考えを浸透させた人です。梅岩さんは日本実業界の父ともいわれる渋沢栄一さんや松下幸之助さん、稲盛和夫さんなど、錚々たる人たちに強い影響を与えました
自己啓発書中毒になっているお客さんには、昭和の希代の禅僧である山田無文老師の禅の本『愛語──よい言葉をかけて暮らそう』(禅文化研究所)をおすすめしてみました。すると「心の垢を洗い流すように、染みてくる」「眼の前が開けたようだ」ととても喜んでいただけたのです
新社会人はこれから仕事を教わろうという人たちです。まだ、何も仕事はできないのです。それなのに、給料の良さや知名度を求めるなんて、道理が通らないとは思いませんか
オオカミは若いうちはキバがあります。年をとるとキバや体力はなくなってしまいますが、代わりに知恵がつきます。キバがあるのは若いうちだけの取り柄です。だからみなさんも若いうちは、既成のものや、社会からの押しつけに対する燃えるような反抗心をおおいに持っていただいて結構です。ただしその一方で、目上の人の話は口を挟まずによく聞いて、愛嬌を磨くことです
◆NWBの法則
N──泣かす
W──笑かす
B──びっくりさせる
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『非常識な読書のすすめ』清水克衛・著 現代書林
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/477451344X
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◆目次◆
プロローグ
PART1 なぜ、読書で人生がガラッと変わるのか?
PART2 「常識」に操られると搾取された人生になる
PART3 世の中は一握りの人間の思考で動く
PART4 人のために本を読むと力がわく
PART5 読書を信じる者は救われる
PART6 「生き抜く知恵」はすべて読書が教えてくれる
エピローグ
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2012年3月9日
【NHK流、正しい日本語表現】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4799101161
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本日の一冊は、NHKでのキャスター歴16年という、現役報道アナウンサーが、信頼を勝ち取る話し方のコツを記した一冊。
東日本大震災の報道で株を上げたのは、民放ではなくNHKでしたが、その理由は、事実を正確に、正しい日本語で、正しい伝え方をしたおかげです。
ややもすれば、「面白味がない」と言われがちなNHKですが、公の信頼を勝ち取る姿勢、ノウハウには一日の長があります。
本書『その話し方では軽すぎます!』は、そんなNHKで16年間学んだ著者が、「社会的に望ましい」プレゼン、スピーチのコツを述べた一冊。
本書の冒頭にも書いているように、<話し方に重みがあるのか、ないのか。この差が信頼できるか、できないかという判断に直結する>わけですが、著者によればこの「重み」は、意図的に作り出すことができます。
好印象の要因となる「親しみやすさ」「活動性」「社会的望ましさ」のうち、自分はどこを狙うのか、そのためにどんな内容を、どんな話し方で伝えればいいのか。
本書には、その具体的テクニックが書かれています。
冒頭~1章は正直退屈ですが、2章「話し方を改善する7つのポイント」以降は、がぜん面白くなります。
他人事
たにんごと× → ひとごと○
一段落
ひとだんらく× → いちだんらく○
施策
せさく× →しさく○
三階
さんかい× → さんがい○
うらめん× → りめん○
などといった正しい日本語の読みや、
日本銀行
にほんぎんこう× → にっぽんぎんこう○
日本郵船
にほんゆうせん× → にっぽんゆうせん○
などの固有名詞の読み方、
「たくさんの人が亡くなった」× → 「大勢が亡くなった」○
など、正しい日本語表現のあり方が、伝え方のコツと一緒に、まとめられており、じつに参考になります。
ほかにも、公の場でのスピーチのコツや、謝罪会見のポイントなど、プロのテクニックがいくつも紹介されており、これは重宝する内容。
非常時、公の場で信頼されるリーダーになるために、ぜひ読んでおきたい一冊です。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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人が相手に好印象を与える要因は、「親しみやすさ」「活動性」「社会的望ましさ」という三つ
ある心理学の実験で、相手に印象を与えているものは、「その人の声、顔や服装、体格の順で影響が強い」と報告されています
「親しみやすさ」を狙う人は、やや高めの声でゆっくりと話します。「社会的望ましさ」の人は、反対に低めの声で、ゆっくりと話してください。「活動性」の人は、やや高めの声で速めに話すように心がけてみてください
肩書と印象が釣り合っていない原因は、「肩書と年齢・性別」「肩書と言葉づかい」「肩書と見た目」の三つの組み合わせが考えられます
モノマネされるくらいの特徴をつくるには、言語表現を使うのが一番簡単です。つまり口グセです
◆話し方を改善する7つのポイント ※一部紹介
1.具体的に発言する
2.事実と感情を分けて表現する
4.絶えず動かない
5.言葉の語尾をきちんと下げる
7.高めの声で話さない
内容を正確にするポイントは三つです。まず「数字・固有名詞を示す」、次に「情報源を明らかにする」、そして最後に「推測は話さない」ことです
話に重みをつくるものは「事実」です。事実が入っているからこそ、その話は説得力を生み、信頼を勝ち取ることができます
「有言実行」は「不言実行」をもじって生まれた言葉
「評価する言葉」は削除する
文全体のイントネーションは、文のはじめの音が一番高く、し
だいに音程が下がってきて、文の終わりでは下がりきるのが正
しい日本語の発音です
頭を下げながら声を出さない
「たくさんの人がいる」は許せても、「たくさんの人が亡くなった」という表現はふさわしくないと感じるのです。そのため「大勢が亡くなった」と言うべきなのです
「実は」を頻繁に使わない
足音はしゃべります。元気なときと、落ち込んでいるときの足音は違います
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『その話し方では軽すぎます!』矢野香・著 すばる舎
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4799101161
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◆目次◆
1章 人前で話す立場になったら、厳守してほしいこと
他人に「与えたい印象」をお決めください
2章 軽い「話しグセ」を改善する!7つの即効策
余分な言葉・動作を取り除きましょう
3章 エグゼクティブの「やってはいけない」言動リスト
「過剰敬語」「安直な行い」はココを見直します
4章 クラス感が漂う「自己演出」の基本
信頼を勝ち取る「次のステップ」へ進みましょう
5章 隙(すき)をつくらない!人前に立つときの「万全策」
「あがり防止策」「注意すべき所作」を指南します
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2012年3月8日
【起業家必読の孫語録】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4797366508
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本日の一冊は、かつてソフトバンクの社長室長として、Yahoo!BB事業や、ナスダック・ジャパンの立ち上げに携わった著者が、孫正義氏の語録をまとめ、解説した一冊。
名言集というよりは、孫正義氏の経営手腕に触れた内容で、名言の裏にある孫正義氏の思想、実際の経営エピソードなどを盛り込んで、経営ノウハウとしてまとめています。
想定ターゲットとしては、これから何かを成し遂げようとする若者、そして起業家。
「結果を現実として受け止め、柔軟に対応」することの大切さや、集合知活用の重要性、人が嫌がってしないビジネスをやることの利点など、学ぶところがいくつかありました。
また、具体的ノウハウとしても、プレゼンに数字を入れることや、すぐに電話すること、「これならどうだ?」と投げ返すことで専門家の意見をポジティブに取り入れる方法など、役立つ内容がいくつも載っています。
個人的に勉強になったのは、コムデックスとジフ・デービスを買収して得た情報で、同社がヤフーを知ったという話。
やはり情報投資には、価値があるというのがよくわかるエピソードでした。
本としての読みごたえは「まずまず」ですが、起業家であれば、心に響くものがあると思います。
ぜひチェックしてみてください。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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<成功する者と失敗する者の違いは、頭の差より性格の差の方が大きい>
たとえ孫正義でも、すべての競合の手が数手先まで読めているわけではない。それよりも結果を現実として受け止め、柔軟に対応できる性格を持っていることが重要なのだ
孫正義は、プレゼンテーションでは数字を打ち出すことに強いこだわりを持っている
孫正義が部下に求めているものは、「言い訳」ではなく「合理的な説明」と「有効な対策」
<ある有名なアーティストの話、「〆切無しに作品は生まれない。」正にその通り。何事も期限を付けねば物事は決まらない、完成しない場合が多い>
孫正義は、議論をしていて論点が出てくるとすぐに電話をする
仕事で眠れないほど悩むときには、その悩む原因について「今日できること」と「明日しかできないこと」に分けることが重要
<これからの経営者はテクノロジーがわかる経営者でなければならない>
業務受託中心で事業を続けていると、図らずもベンチャー企業というよりも、大企業の下請け中小企業となってしまう
大企業病の弊害を乗り越えて新しい事業を行っていくために重要なことは、専門家の知識をネガティブな方向でなく、ポジティブに事業を行うために使うことだ。そのために必要なのは、その新規事業を推進しようとする人が「これならどうだ?」と投げ返すことだ
<借金も企業価値だ>
コムデックスとジフ・デービスを買収することで、孫正義は世界におけるIT業界の情報を一手に握ることが可能になったのだ。そしてこの2社の買収で得た情報で、ヤフーという会社を知ることとなる
<人が嫌がってしないビジネスをやれ!>
<ほら吹きと言われても夢や志を語るべき>
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『孫正義名語録 情熱篇』孫正義・著 ソフトバンククリエイティブ
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4797366508
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◆目次◆
第1章 情熱がビジネス成功の極意
第2章 事業への情熱が経営の基礎
第3章 孫正義の情熱を支える人と組織
第4章 次世代に伝えるベンチャーの情熱
第5章 日本の未来にかける情熱
第6章 情熱を秘めた孫正義の人物像
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2012年3月7日
【迷いが消える名言集】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4537259264
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本日の一冊は、全米CEOグループのコンサルタントとして、数々の講演・研修を行っている著者が、古今東西の偉人の箴言を厳選し、まとめた一冊。
いわゆる「名言集」なら世にたくさんありますが、本書の違いは、言葉がビジネスにおける具体的アドバイスになっているという点。
<つねに「人に見られている」と思って行動しろ>
<何も失うものがないやつとは戦うな>
<自分より出来のいい人間に秘密を打ち明けるな>
<されたことは忘れろ。してもらったことは忘れるな>
など、人生やビジネスで大切な処世の術が、コンパクトにまとめられており、じつに重宝する内容です。
ニーチェも読んだというバルタザール・グラシアンの『処世信託』の言葉、ナポレオン、ジョン・F・ケネディといった偉人、さらにはピーター・リンチ、ジェシー・リバモアなどの投資家まで、じつにさまざまな有名人の箴言が、びっしりと詰まっています。
ビジネスや人間関係でしくじらないために、ぜひ押さえておきたい処世の術。
名言集としても、なかなかレベルの高い一冊です。
ぜひ読んでみてください。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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つねに「人に見られている」と思って行動しろ(バルタザール・グラシアン『処世信託』)
今日手の内をすべて見せてしまったら、明日見せるものがなくなってしまう。つねに相手が驚くような、目新しいものは隠しておけ(バルタザール・グラシアン『処世信託』)
何も失うものがないやつとは戦うな(バルタザール・グラシアン『処世信託』)
自分より出来のいい人間に秘密を打ち明けるな(バルタザール・グラシアン『処世信託』)
頂上に着くまで、山の高さを測るな。頂上に着くと、思っていたほど高くないことがわかる(ダグ・ハマーショルド)
どんなものであろうと、持って生まれたものを大切にしろ。自分に与えられた天分を放棄するな。自然が意図した通りに生きろ。そうすれば成長できる(シドニー・スミス)
贈り物の馬の口の中を見るな(もらいものにケチをつけるな)
その人の靴をはいて1マイル歩くまで、人を裁くな、(同じ立場に立ってみるまで、人を批判するな)
敵が間違いを犯しているときは、邪魔をするな(ナポレオン・ボナパルト)
自分が会話を仕切っていると思うときは、かならず退屈している人間がいることを忘れるな(ヘレン・ガーリー・ブラウン)
されたことは忘れろ。してもらったことは忘れるな(孔子)
敵は許せ。しかし、その名は忘れるな(ジョン・F・ケネディ)
クレヨンで描けないアイデアには投資するな(ピーター・リンチ)
底値で買おうとするな。つねに早すぎるぐらいで売れ(ジェシー・リバモア)
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『たった1つの言葉が人生を大きく変える』Dr.マーディ・グロース・著 日本文芸社
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4537259264
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◆目次◆
第1章 「リスク」を敵にするな
「ことばの魔術師」からの贈り物
第2章 今日の楽しみを明日に延ばすな
人生を楽しく大らかに生きるために
第3章 自分で持ち上げられないコンピュータは信用するな
何もかも「破格ずくめ」のインパクト
第4章 「相手によかれ」と、よけいな世話を焼くな
人生を良くも悪くもする「人間関係」の秘訣
第5章 女には後ろから近づくな
愛、セックス、ロマンス─男と女の「特選ネバリズム」
第6章 今日地球が滅びようとギブアップするな
なぜ運のいい人がいるのか、どうすればその1人になれるのか
第7章 1日の「始め」かた、1日の「終わり」かた
グッドが「ベター」に、ベターが「ベスト」になるまで
第8章 人生と仕事に効果的な「混沌と秩序」のアプローチ
マネジメントの奥義と失敗しない仕事術
第9章 大切なのは立ち直る力、心のスタミナ、エネルギー
人の上に立つ人、これから立つ人へ
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2012年3月6日
【下巻も紹介!】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4122049679
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本日の一冊は、東大・慶應・早稲田で文庫ランキング1位、世界中で40年以上読み継がれているというオックスフォード大学出版局のロングセラー、ウィリアム・H・マクニールによる、“A WORLD HISTORY”の邦訳、昨日に続く下巻です。
あまりに話題になっているので読んでみたところ、これは正直、「やられた」と思った、という話をしましたが、下巻の方は、上巻に比べると、因果関係、ストーリーが抑え目で、割と普通の世界史の記述が多いです。
扱っているのは、1500年から現代にいたるまでの、約500年間。
大航海時代から、ルターの宗教改革、西欧の優勢、産業革命、世界規模でのコスモポリタニズムの始まりにいたるまで、膨大な歴史を、じつにコンパクトにまとめています。
爆発的な経済発展をもたらしたこの時期の世界を眺めていると、われわれが今後、どんな変化を起こすべきなのか、抽象的ではありますが、ヒントが浮かび上がってきます。
上巻で学んだ、社会発展のためのしくみや制度。そしてこの下巻で学べる経済発展の歴史。
併せて読むことで、今後の経済・ビジネスのヒントが見えてくる、そんな内容です。
かつて世界史を学んだ方は、おさらいとして、新たに学ぶ人は、最初の教科書として、ぜひ読んでみてください。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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(価格革命によって)一定の収入をもつ人々は、深刻な購買力不足に陥り、一方事業に携わる人々はしばしば金を儲けた。それはその人たちの扱う商品の価格が上昇する傾向にあったからである
一般的にいって、船が大洋を航海するようになったため、港から港へ商品と同様細菌も運ばれたことは明らかである
一六八八年以後のイギリスにおける議会政治の成功のもうひとつの原因は、新しい貸付け制度、すなわち国債の発明であった。これは、たいへん有利な条件で、緊急の支出の財源をつくるために社会から金を借入することを可能にした
単一の作物としては、ジャガイモの普及が、ヨーロッパ農業に最も重要な変化を与えた。なぜならそれは食糧生産の容量を著しく高めたからである。例えば、バルト海地方のドイツの砂地と寒冷な気候のもとで、収穫したジャガイモからは、穀物の四倍ものカロリーを得ることができた
トマス・ホッブズは、人間は生まれつき邪で残忍な生物だから、絶対的な力をもった君主に無制限の権力を付与することによってのみ文明社会が作り出される、と論じた。ジョン・ロック(一六三二 ─ 一七〇四年)はこれとは逆に、契約は公衆と統治者の間に結ばれるものだから、もし統治者がある特定の限界を踏み越えれば、民衆は彼の権利侵害に抗議して反乱をおこしてもかまわない、と考えた
彼(ルソー)は王が民衆を満足させない場合には、社会契約がいつでも反乱を正当化すると考えた
特徴的だったのは、重要な新製品が作られるたびに、それが新しい産業の創設を必要とし、あるいは可能にしたことである。例えば自動車の発明は、タイヤの需要をよびこみ、その結果ゴム産業に大変革をもたらした。電気産業が銅産業に与えた影響も同じである。電流用の伝導体として、銅が使われたからである
規模の拡大には、輸送と通信の大幅な強化が必要であった。遠隔地から原料を運びこみ、作り出した製品を遠隔地の市場に運びだすことが、機械による大量生産の成功には不可欠だった
物資を移動する手段として、荷駄用の家畜のキャラバンが、あるいは人間の運び手だけにしか頼れなかった地域では、ひとつの地域に大量の食糧や物資を集めることは途方もなく高価についたから、さきの例のように専門家の技術の開発にあてられる余裕はほとんどなかった。アフリカ大陸の大部分で文明が栄えることのなかったのもそのせいだった
伝染病がまた復活する明らかな兆候がある
人類が、都市環境のもとで、地方の、個人接触の多い共同体社会の支え(および圧迫)なしにこれからも生きてゆかれるかどうかは、たぶん二十一世紀の中心的な社会問題になるだろう
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『世界史(下)』ウィリアム・H・マクニール・著 中央公論新社
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4122049679
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◆目次◆
第III部 西欧の優勢
第IV部 地球規模でのコスモポリタニズムのはじまり
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2012年3月5日
【もっと早く欲しかった】
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本日の一冊は、東大・慶應・早稲田で文庫ランキング1位、世界中で40年以上読み継がれているというオックスフォード大学出版局のロングセラー、ウィリアム・H・マクニールによる、“A WORLD HISTORY”の邦訳です。
あまりに話題になっているので読んでみたところ、これは正直、「やられた」と思いました。
土井はつねづね、日本の世界史の教科書には、因果関係とストーリー、そして動機が欠如している、と思っていたのですが、本書は史実にそれを補うことで、世界の歴史をヴィヴィッドに浮かび上がらせてくれるのです。
なぜ本書がこんなに面白いのか、その理由は、序文のこんな文から理解することができます。
「世界の諸文化間の均衡は、人間が他にぬきんでて魅力的で強力な文明を作りあげるのに成功したとき、その文明の中心から発する力によって攪乱される傾向がある」
「時代が変わるにつれて、そのような世界に対する攪乱の焦点は変動した。したがって、世界史の各時代を見るには、まず最初にそうした攪乱が起こった中心、またはいくつかの中心について研究し、ついで世界の他の民族が、文化活動の第一次的中心に起こった革新について(しばしば二番せんじ三番せんじで)学びとり経験したものに、どう反応ないしは反発したかを考察すればよいことになる」
どうでしょうか。これを読むだけで、本書が他の教科書と「違う」ことがおわかりかと思います。
そう、この本は、点と点がつながって線になる、そんな知的体験を楽しめる、世界史教科書なのです。
土井は高校時代、世界史専攻でしたが、この教科書を当時知っていればどんなによかったか、と悔やまれます。
今からでも遅くはない。ビジネスマンの教養として、ぜひ読んでおきたい一冊です。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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人間の歴史における最初の注目すべき出来事は、食糧生産の発達だった。これによって人口が飛躍的に増大し、文明発生の基礎が築かれたのである
それから約一千年ばかりして、人間は、文明化した複合社会を、降雨によって水を与えられる地方にまでおしひろげはじめた。その際、犂の発明は決定的な役割を果たした。これによって、動物の力を利用して農耕が行えるようになり、耕作者個人の力で食糧生産力を充分増大させることが可能になった
農耕民は、畠で規則正しく、骨おしみせずにきちんと働かねばならず、また植えつけのための正しい季節を見きわめるために、時をはかる必要をもつ。こうしたわけで、農耕民の生活スタイルは狩猟民のそれとはちがったものになった。未来への見通しを持つことや自分をおさえることも必要だった。飢えのときですら、未来の収穫を確保するため適当量の種子を取っておかねばならなかったからである。勇気とか力に訴える習慣は、狩猟民にはなくてはならぬものだったが、農耕民にはさして重要でなかった
測定の技術は、それまでになく重要かつ正確なものとなった。運河や溝の建設、平原上に人造の山のようにそびえる巨大な神殿建築などは、正確な測定と綿密な計画なしにはありえないものだった
暦を伝えてゆくためには知識が必要だったが、その知識のおかげで、神官たちは社会のうちでも特にきわだった地位を占めることができた。一般の農民にしてみれば、季節を予言することのできる人たちは、神々と特別な関係にあり、尊敬に価すると考えられたのである
どんな軍事的衝突においても、上流の都市は常に有利な立場にあった。というのは、それは、下流の町の運河を断ったり、水の供給を止めることができたからである
鉄器時代の蛮族が軍事的成功をおさめたのは、だれでもが戦力のある兵士になれるような、未開の平等な共同体社会の持つ心理的統合があったからである
仏教は、その初期形態において、人間生活一般の危機的時期──誕生、死、結婚、成年その他──に対応する儀礼をなにも持たなかった
生産手段や輸送手段が技術的に限られている時代には、もしある人々が、高い文化を身につけ、それをさらに高めるために暇な時間を持つべきであるとするならば、ほかのある人々は自由な時間なぞ全然ないことが絶対に必要
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『世界史(上)』ウィリアム・H・マクニール・著 中央公論新社
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4122049660
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◆目次◆
第I部 ユーラシア大文明の誕生とその成立
紀元前五〇〇年まで
第II部 諸文明間の平衡状態
紀元前五〇〇──後一五〇〇年
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2012年3月4日
【セネカ永遠の名著】
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本日の一冊は、ローマの哲人セネカが、晩年に記したとされる書簡集。
人生訓として優れた内容のため、現在にいたっても読まれている、名著中の名著です。
解説によるとセネカは、後62年、皇帝ネロ─に隠遁の許しを乞い、政敵の反感を避けるため、ネローからもらい受けていた資産をネローに返還する旨の申し出をし、それまでの権勢にもとづく暮らしぶりを改め、隠遁生活に入ったようです。
それから3年後の65年、セネカはネローに強いられる形で自殺したのですが、本書簡集は、この引退から自殺までの3年間に、セネカが感じたこと、考えたことをまとめた希少な内容。
限りある人生の時間とどう向き合えばいいのか、どうやって規律ある生活を実現すればいいのか、どうすれば人は不安や恐怖から逃れ、心の自由を獲得できるのか。
実務で成功した親友、ルーキーリウスへ宛てた手紙の形でまとめられているため、読んでいてじつに心に染みる内容です。
充実した人生を送るために、また潔く死を迎えるために、ぜひ読んでおきたい人生の必読書です。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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私たちの時間はときに奪い取られ、ときに削り取られ、ときに流れ去る。だが、もっとも恥ずべき損失は怠慢のせいで起きるものだ。それに、君がよく注意しようと思っていても、人生はこぼれ落ちる。大部分はなすべきではないことをしているあいだに、もっとも多くは何もしないあいだに、全人生は筋違いのことをしているあいだに
明日を当てにすることを少なくしようとするためには、今日をしっかりと確保しておけばよい。先延ばししているあいだに人生は走り過ぎてしまうのだから
わずかしかもたぬ人ではなく、より多くを欲しがる人、それが貧乏人だ
相手かまわず信用するのも、誰も信用しないのも、どちらも過ち
不安のない人生を手に入れることはできないのだよ、あまりに長く生き永らえようと考える人、何度も執政官を務めることを大きな幸せに勘定する人には
どんな幸せなことも、それをいま手に入れている人に失ったときの心構えができていなければ、幸せにはしてくれない
恐怖の責め苦は、記憶によって甦る一方、先見によって予測されるのだから。現在の状況によってのみ不幸な人は一人もいない
貧乏が真実の友人、確かな友人だけを引きとめ、君ではなく他のことにつき従っていた者はみな立ち去るだろうから
自然は私たちに愚痴をこぼして言わねばならない、「これはどういうことか。私がおまえたちを生んだときは、欲念も、恐怖も、迷信も、背信も、その他の悪疫もついてはいなかった。おまえたちが入場したときと同じ姿で退場せよ」。知恵を感得した人とは、誕生のときと同じように不安なく死を迎えられる人のことだ
唯一、美徳だけが不朽にして憂いのない喜びを実現する
自然が君に授けたものを見捨てなければ、君は神と並び立てるだろう
知恵のみが自由だ
過度の快適さは魂を女々しくする
運命は奪い去った。しかし、与えもしたのだから
人生とは、死ぬ勇気がなければ、隷従なのだよ
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『セネカ哲学全集5 倫理書簡集I』セネカ・著 岩波書店
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◆目次◆
倫理書簡集I
解説 倫理書簡集I
人名索引
資料
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2012年3月3日
【小商いのすすめ?】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4903908321
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本日の一冊は、著書『移行期的混乱』のなかで、「有史以来初めての人口減を食い止める方策は、経済成長ではない。それとは反対の経済成長なしでもやっていける社会を考想すること」と述べた著者が、「縮小均衡」時代のビジネスのあり方、個人のあり方を述べた一冊。
※参考:『移行期的混乱』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4480864040
高速道路や原発など、ヒューマン・スケールを超えて作られたものへの反省から、社会がヒューマン・スケールに立ち返ることの必要性、さらにビジネスにおいても、<「いま・ここ」にある自分に関して、責任を持つ>小商いの思想の必要性を説いています。
本書を読んで、経済・社会の歴史を振り返ると、いかにしてこの国が現在の価値観に至ったか、そのプロセスがよくわかります。
競争が前提のこのグローバル経済で、著者の主張がどこまでインパクトをもたらせるのか、疑問な点はありますが、ミクロレベルなら、実践可能なことも多いと思います。
帝国データバンクがまとめた『百年続く企業の条件 老舗は変化を恐れない』からもわかるように、長期間続く企業は、「小商い」と相場が決まっています。
※参考:『百年続く企業の条件 老舗は変化を恐れない』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4022732946
一方的な見方でビジネス書を批判している点には腹が立ちましたが(そのくせタイトルはビジネス書読者に媚びている)、どんな企業を作るか、どんな社会を作るか、思考のヒントとなり得る一冊だとは思います。
ぜひ読んでみてください。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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「わからない」問題にわたしたちはどのように対処すべきなのか(中略)それは、いつ来ても大丈夫というリスクヘッジと、何があっても受け止めるだけの耐性を身に付けておくということです
高速道路はヒューマン・スケールで作られたものではない(中略)産業革命とは、人間生活の側から見れば、力の拡大であり、時間の圧縮であり、空間の圧縮でした
人間の価値の指標が、筋肉の強度や頭脳の性能以上に、富の蓄積に傾くという傾向を生み出しました。貨幣が人間の差別指標に使われるようになったのです
あふれるゆたかさにいたるためには、もう一つ禅の道がある。これはわれわれの道とはいささかことなる前提から出発する。つまり、人間の物質的欲望は有限で僅少であり、技術的手段は変えなくとも全体として欲求に適している、と考える。禅の戦略をとると、ごく低い生活水準でも、比類のない物質的潤沢さを享受できる(マーシャル・サーリンズ『石器時代の経済学』)
ひとびとが食うために生きている時代から、楽しむために生きる時代へと舵を切るきっかけとなったのが「余暇」の出現
問題があるとすれば、労働という人間に固有な活動をとおしてひとびとが作り上げてきた価値観や倫理観が、消費が生み出す価値観や倫理観に急速に浸食されていったということであり、生きることと働くことが同義であったような働き方から、金のために働くという考え方が支配的になったということ
大量生産、大量消費を続けるためには、商品が爆発的に市場に浸透することと同時に、その商品寿命が短命であり、後続の商品に市場を明け渡すことが必要な条件になる
貧乏とは若さの別名であり、それは強さとか美しさといったこととも同義であるべきだということであり、人間の本源的な強さというものは貧乏という裸の人間の中にだけ宿っている
国民経済にとって重要なことは、経済を拡大するか、縮小するかということではなく、均衡するということ
合理的なビジネス理論を学べば学ぶほど、非合理的なビジネスの現場について自分たちがどれほど無知であるかについての配慮ができなくなる
人間は意思することと必ず違うことを実現してしまう生きもの
「経営規模としてはむしろ小なるを望む」。ソニーの創業者井深大が書いた設立趣意書はまさに小商いの精神で貫かれた、小商いマニフェストである
小商いとは、「いま・ここ」にある自分に関して、責任を持つ生き方
小商いは、存続し続けることが、拡大することに優先するような商いのこと
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『小商いのすすめ』平川克美・著 ミシマ社
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4903908321
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◆目次◆
第一章 経済に蚕食された社会
第二章 街角のフォークロア
第三章 ちいさいことの意味
第四章 「経済成長」から「縮小均衡」の時代へ──東日本大震災以後
第五章 小商いのすすめ
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