2012年3月2日
【海洋堂社長の仕事哲学】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4872905415
[エラー: asin:4872905415 というアイテムは見つかりませんでした]
「相対主義から絶対主義へ」。
東日本大震災以降、そんな価値観のシフトが起こっている気がしてなりません。
これまでよりも豊かに、隣の家よりも裕福に、という相対主義を超えて、人々が、自分で納得のいく生き方を模索する、絶対主義の時代。
おそらくこれからもてはやされる人物は、人と比べてお金持ち、というのではなく、その絶対的生き方に魅力を感じる人物。
他人が何と言おうと、自分の信じるビジョンに向かってまっすぐ進んでいく人物ではないかと思います。
本日ご紹介するのは、そんな絶対主義の著者による一冊。
ご存じ、熱狂的ファンを持つ老舗フィギュアメーカー、海洋堂の社長、宮脇修一さんによる仕事論です。
<儲かる>よりも<「勝った!」といえる結果>を追求する、仕事にパワーを宿らせるためにあえて日陰者に徹する、誰もわからない10点のために、原価をかける…。
妥協なき仕事への姿勢、そして反骨心に、メラメラと闘争心をかき立てられる、そんな啓発書に仕上がっています。
個人的に好きだったのは、著者の仕事への厳しさを感じさせる、以下の一節。
<仕事上の仲間というのは、戦うべき相手。要するに、戦うに値する人間ということです。お互いにいい関係でいるためには、ゆるい関係は築かないことです>
ちょっと残業、徹夜をしただけで「ブラック企業」と呼ばれてしまう残念な時代に、一心不乱に打ち込むことの素晴らしさを教えてくれる、じつに清々しい一冊です。
仕事への心構えを新たにするために、ぜひ読んでみてください。
—————————————————
▼ 本日の赤ペンチェック ▼
—————————————————
どんな仕事でも、たとえ金銭的にはそれほど儲からなくても、「勝った!」といえる結果を残したい
ヒット商品にマーケティングはいらない
手を抜くことは、つらいこと
大切なのは、本当にやるべきことを見失わない力を持つということ
人生、勝ちを目指すことも大事ですが、極度に負けを恐れないことも大事です
世間にばかり目が向いてしまうと、モノづくりの主体が、自分たちではなく世間になってしまうような気がするんです
海洋堂はあえて社員を育てよう、教育しようなんて、おこがましいことは考えていません。ほったらかしです。育つ「場」さえあれば、ほったらかしても人は育っていくんです
いまの企業には、どこか「見守る力」みたいなものが欠けているような気がします
誰もわからない10点のために、原価がどんどん跳ね上がってしまうんです。その10点をあきらめれば、海洋堂はもっと儲かるかもしれません。しかし同時に、誰もわからない10点の部分が、海洋堂を支えているともいえるのです
そこにいるだけでメジャー感があるような場所からは、すごい作品なんて生まれない気がします。なぜなら、僕らのやっていることって、毒ガスを出すようなものだからです
「自分は完成した」と思うことは、戦う気持ちをなくしてしまうのと同じ
仕事上の仲間というのは、戦うべき相手。要するに、戦うに値する人間ということです。お互いにいい関係でいるためには、ゆるい関係は築かないことです
下請けとか元請けとか、関係ありません。しょせん下請けだとバカにして、こちらが真剣にならなければ、相手もそれなりの仕事しかしないものです
仕事の疲れは仕事でとる
好きなこと、やりたいこと、会いたい人、知りたいこと、見たいもの。これらをすべて、仕事に結びつけてしまえばいいんです
————————————————
『「好きなこと」だけで生きぬく力』宮脇修一・著 WAVE出版
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4872905415
————————————————-
◆目次◆
はじめに 「好き」という力が、人を強くする
第1章 “非”常識な力を身につける
第2章 究極のプロに学ぶ仕事力
第3章 「人間力」こそ最強の武器
第4章 死ぬまで買わせる技術
第5章 「好き」を極めて生きていく
おわりに 「あるべき姿」より「こうありたい」を大切にする
[エラー: asin:4872905415 というアイテムは見つかりませんでした]
2012年3月1日
【破綻・ワイキューブの真相】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4833420007
[エラー: asin:4833420007 というアイテムは見つかりませんでした]
オフィスの一階に、高級フレンチを思わせる豪華なワインセラー、地下の会員専用バーには、専属の一流バーテンダー…。
かつて若手ベンチャーの旗手としてメディアを騒がせ、社長自らベストセラー作家になることで脚光を浴びたワイキューブ。
人材業界に新風を巻き起こし、業績も順調に見えていた同社が、2011年3月30日に、突然の民事再生法適用を申請。その話題はたちまちネットを駆け巡り、安田佳生社長のツイッターフォロワーは一日で千人増。ニュースは、ヤフートピックスでも取り上げられました。
ピーク時には売上高46億円を記録した同社が、リーマンショック後は売上高十数億円に転落。
なぜ順調だったはずの同社が、ここまで落ちてしまったのか。
本日の一冊は、その真相を、社長の安田佳生氏本人が語った、注目の一冊です。
成功にいたる道は驚くほど多様ですが、失敗へいたる道はいつも同じ。
著者の場合、自らのコンプレックスや虚栄心、さらには経営知識の不足が招いた失敗だったようです。
この手の失敗モノは、かつてベストセラーとなった『社長失格─ぼくの会社がつぶれた理由』はじめ、良書がいくつかありますが、本書もまた、生々しい当事者の声が書かれていて、読み応えのある一冊です。
※参考:『社長失格─ぼくの会社がつぶれた理由』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4822241300
ぜひチェックしてみてください。
—————————————————
▼ 本日の赤ペンチェック ▼
—————————————————
私はワイキューブを「その他大勢の中小企業」で終わらせたくなかった
波風立てずに秩序を保って生きていれば、誰もあなたの呼吸を止めはしない。そうすれば息はできる。呼吸をしているという意味では、生きているといえるのかもしれない。けれども、私にとってそれは「生きている」ことにはならない。ただ「死んでいない」ということにすぎないのだ
明日の仕事が決まっていないことよりも、明日からの満員電車が決まっていることのほうが、私には怖かった
「やりたくないことを避ける」ことは、決して悪いことではない。イヤなことを無理してやっても、不満が募るし、仕事の効率も悪くなるだけだ。ただし、やりたくないことの線引きにはセンスが必要である
私がワイキューブで試したことのなかには、成功したものもあれば、失敗に終わったものもある。いま振り返ればそれらのほとんどは、業界の巨人であるリクルートへのあこがれ、対抗心、虚栄心から生まれたものだった
ラスベガスに行ったり、シーザーズ・パレスやべラジオに泊まったりしたところで、実際には何も変わらなかったのだ。「俺たちは選ばれた人間だ」いちばんそう思いたかったのは、私自身だった
反感を買うようなセミナーのタイトルをつけたこともあった。「サルならわかる経営の真実」というタイトルだ。四時間半のセミナーとDVDでひとり六万円のセミナーだった。(中略)ほかにも、「素材が悪いヤツは育たない」「犯人は社長です」のような挑発的なメッセージを次々と投げていった
オフィスへの投資は一億五千万円くらいだったので、得られた広告効果に比べれば安いものだった
年収アップを実施したとはいえ、その分の原資が自分たちにあったわけではなかった。給料はすべて、借り入れ資金だった
積極的に新卒を採用しようという会社は、二万社以上には増えなかった。マーケットはすでに飽和状態だったのだ
会社というのは仕事をする場である。利益を上げていくことが、会社が存続するための前提条件なのだ。その優先順位を見誤っていた
————————————————
『私、社長ではなくなりました。』安田佳生・著 プレジデント社
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4833420007
————————————————-
◆目次◆
1章 満員電車からの脱出
2章 営業カバンからの脱出
3章 劣等感からの脱出
4章 アポ取りからの脱出
5章 資金繰りからの脱出
6章 引け目からの脱出
7章 社長からの脱落
[エラー: asin:4833420007 というアイテムは見つかりませんでした]