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『模倣の経営学』井上達彦・著 Vol.2793


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【偉大な会社の模倣する技術】
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本日の一冊は、早稲田大学商学学術院教授、井上達彦さんによる注目の新刊。

宅急便やセブン-イレブン、スターバックス、ドトール、ライアンエア、グラミン銀行など、成功した企業がいかに「模倣」の恩恵を受けているかを明らかにし、経営における模倣の方法論を提唱しています。

遠くの世界から意外な模倣をするタイプの模倣と、悪いお手本から学ぶタイプの模倣、マネされないための「仕組みの模倣」、国、業界に合わせたカスタマイズの工夫、ビジネスモデル分析のための「P-VAR」と呼ばれるツールなど、「模倣の経営学」を実践するためのノウハウ、ツールがいくつも提供されています。

もともとの生業が医療用器具の使い捨てメーカーだったことから、使い捨てコンタクトレンズに目をつけたというジョンソン・エンド・ジョンソン、同じヨーロッパのカフェを参考にしながらも、店舗のスタイルがまったく異なるスターバックスとドトール、一見簡単にマネできそうなのにマネできないKUMONなど、さまざまな事例が紹介されており、じつに読み応えのある一冊です。

経営においていかに学習が大事か、実践が大事か、さらには仕組みやオペレーションが大事か、実感させてくれます。

ぜひ読んでみてください。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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クロネコヤマトの宅急便のアイデアが、牛丼の吉野家から生まれたという事実をご存じだろうか。宅急便を立ち上げた小倉昌男氏は、当時、牛丼一筋に絞り込んで成長してきた吉野家を見て、「取り扱う荷物の絞り込み」というアイデアを思いついたと自著『小倉昌男 経営学』に書いている

「独自な作家とは、誰をも模倣しない者ではなく、誰にも模倣できない者である」(フランスの作家 シャトーブリアン)

◆2つのタイプの模倣
1.自らを高めるために、遠い世界から意外な学びをする
2.顧客の便益のために、悪いお手本から良い学びをする

もともと、生産の流れを、ベルトコンベアによってスムーズにしたのはフォードである。フォードは自動車の車台(シャシー)の方を動かすことによって、それに取り付ける部品を持ち運ばなくても済むようにした

フランチャイジングは、独自の商品がなくても、特定のノウハウを梃子に成長できる優れた制度であるが、1つの弱点があった。ノウハウを吸収した加盟店が集団で脱退し、同じようなフランチャイズ制を模倣する恐れがあるのだ。このような致命的な弱点を克服したのが、セブン-イレブン・ジャパンである。

セブン-イレブン・ジャパンは、情報ネットワークによって各加盟店から最新情報を集め、それを再分配できる仕組みを整えている。これによって、本部は刻々と変化する売れ筋情報を把握することができるし、それを加盟店にフィードバックすることもできる

UCCファンが多い中でジョージアが追撃できたのは、なぜなのか。それは、全国に自動販売機網を整備していたからである

「本質の移転」によってイノベーションが引き起こされる

結局、利益率を左右するのは競争の激しさなのだ

P-VAR(Position, Value, Activity, Resource

「一般の銀行のやり方をよく見て、あらゆることを逆にしてみたんですよ」(ムハマド・ユヌス)

「新しい葡萄酒は新しい革袋に入れよ」と言うが、真にイノベーティブな製品であれば、それを最大限に生かす事業の仕組みが必要なのである

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『模倣の経営学』井上達彦・著 日経BP社
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◆目次◆

はじめに 「模倣のパラドクス」
第1章 「天才のなぞかけ」メタファーとイノベーション
第2章 「インドの露天商」模倣すべき本質をモデリングする
第3章 「クロネコの革命」4つの要素と5つのステップ
第4章 「2つのカフェ」模倣の創造性
第5章 「4人の教師」誰をどのように模倣するのか
第6章 「守破離」手本と現実のギャップを越える
第7章 「わな」模倣できそうで模倣できない会社
第8章 「反転」逆発想のモデリング
第9章 「作法」倣い方を倣う
あとがき 経営書を「消費財」で終わらせないために

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