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『セネカ哲学全集5 倫理書簡集I』セネカ・著 Vol.2783


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【セネカ永遠の名著】
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本日の一冊は、ローマの哲人セネカが、晩年に記したとされる書簡集。

人生訓として優れた内容のため、現在にいたっても読まれている、名著中の名著です。

解説によるとセネカは、後62年、皇帝ネロ─に隠遁の許しを乞い、政敵の反感を避けるため、ネローからもらい受けていた資産をネローに返還する旨の申し出をし、それまでの権勢にもとづく暮らしぶりを改め、隠遁生活に入ったようです。

それから3年後の65年、セネカはネローに強いられる形で自殺したのですが、本書簡集は、この引退から自殺までの3年間に、セネカが感じたこと、考えたことをまとめた希少な内容。

限りある人生の時間とどう向き合えばいいのか、どうやって規律ある生活を実現すればいいのか、どうすれば人は不安や恐怖から逃れ、心の自由を獲得できるのか。

実務で成功した親友、ルーキーリウスへ宛てた手紙の形でまとめられているため、読んでいてじつに心に染みる内容です。

充実した人生を送るために、また潔く死を迎えるために、ぜひ読んでおきたい人生の必読書です。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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私たちの時間はときに奪い取られ、ときに削り取られ、ときに流れ去る。だが、もっとも恥ずべき損失は怠慢のせいで起きるものだ。それに、君がよく注意しようと思っていても、人生はこぼれ落ちる。大部分はなすべきではないことをしているあいだに、もっとも多くは何もしないあいだに、全人生は筋違いのことをしているあいだに

明日を当てにすることを少なくしようとするためには、今日をしっかりと確保しておけばよい。先延ばししているあいだに人生は走り過ぎてしまうのだから

わずかしかもたぬ人ではなく、より多くを欲しがる人、それが貧乏人だ

相手かまわず信用するのも、誰も信用しないのも、どちらも過ち

不安のない人生を手に入れることはできないのだよ、あまりに長く生き永らえようと考える人、何度も執政官を務めることを大きな幸せに勘定する人には

どんな幸せなことも、それをいま手に入れている人に失ったときの心構えができていなければ、幸せにはしてくれない

恐怖の責め苦は、記憶によって甦る一方、先見によって予測されるのだから。現在の状況によってのみ不幸な人は一人もいない

貧乏が真実の友人、確かな友人だけを引きとめ、君ではなく他のことにつき従っていた者はみな立ち去るだろうから

自然は私たちに愚痴をこぼして言わねばならない、「これはどういうことか。私がおまえたちを生んだときは、欲念も、恐怖も、迷信も、背信も、その他の悪疫もついてはいなかった。おまえたちが入場したときと同じ姿で退場せよ」。知恵を感得した人とは、誕生のときと同じように不安なく死を迎えられる人のことだ

唯一、美徳だけが不朽にして憂いのない喜びを実現する

自然が君に授けたものを見捨てなければ、君は神と並び立てるだろう

知恵のみが自由だ

過度の快適さは魂を女々しくする

運命は奪い去った。しかし、与えもしたのだから

人生とは、死ぬ勇気がなければ、隷従なのだよ

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『セネカ哲学全集5 倫理書簡集I』セネカ・著 岩波書店
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◆目次◆

倫理書簡集I
解説 倫理書簡集I
人名索引
資料

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