2011年5月11日
【あなたの適性が上達の理論からわかる】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/479736310X
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100万部売れる著者と、1000部しか売れない著者。
出版の世界は、一流とそれ以外では、多い時で1000倍、少なくとも10倍の差がつく、実力勝負の世界です。
そしてそれは、スポーツの世界も同じ。
土井がバッターボックスに入って、プロ野球投手の球を打ったら、おそらくイチロー選手の10分の1程度(これでも多く見積もり過ぎかも)しかバットに当てられないでしょう。
では、この一流とそれ以外の差は、いったいどうやってつくのか。
本日の一冊は、その疑問に応えてくれる一冊です。
著者は、米国オリンピック委員会スポーツ科学部門の客員研究員として、オリンピック選手のデータ分析に従事した経験を持ち、プロスポーツ選手のメンタルカウンセラーも務める人物。
一流のアスリートがどうやってものすごいスピードの球を打ち返しているのか、どうやってスキルを上達させているのか、興味深い話がいくつも紹介されています。
「強さ」を競う競技と、「うまさ」を競う競技の話、運動能力の「4つのスキル」の話、「あらゆるスポーツをこなせる運動神経をもつ人間はほとんどいない」という話…。
われわれビジネスマンが適性を考える上でも、役立つ話が満載です。
また、初心者の学習と上級者の学習ではやり方が異なるという話や、分散させて小刻みに練習することの効用など、学習のノウハウにも
ページを割いています。
後半の集中力、記憶力、やる気の話などは、既知の内容が多くやや退屈でしたが、前半は、ビジネスのアナロジーとしてじつに興味深く読めました。
自身のスキル開発のヒントに、ぜひ読んでおきたい一冊です。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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教科書に書かれている基本をいくらマスターしても、オリジナリティがなければ、決して一流のアスリートにはなれません
最近の理化学研究所の実験では、大まかなスイングの記憶は大脳皮質に分散して記憶される「長期記憶」に残りますが、細かい技は長期記憶に定着しにくく、日々鍛錬しないと定着しないことがわかっています
傾向として、特にウェイトリフティングや陸上短距離のような、短時間に絶対的な記録を競うスポーツでは「強さ」が、フィギュアスケートや体操のような、採点員が得点をだすスポーツでは「うまさ」が評価基準の軸になる
上達の近道という観点でいうと、自分の得意なタイプ(強さか、うまさか)に適したスポーツを選ぶことが、重要
◆運動能力には「4つのスキル」が存在する
1.状況把握能力
2.正確な動きをする能力
3.すばやい動きをする能力
4.持続性
◆オリジナリティの2つの要素
・技のオリジナリティ
・与えられた状況のオリジナリティ
スイングの再現性こそ上達に不可欠な要素
あらゆるスポーツをこなせる運動神経をもつ人間はほとんどいない
9歳から12歳ごろの「ゴールデンエイジ」と呼ばれる時期に運動経験のないアスリートは、なかなか一流になれない
テニスで瞬時に体の動きをプログラムしてナイスショットを打つことは、「事前に知っていないかぎり」困難
人間は「できなかったことができることを快感にした」から、爆発的に進化できた
初心者が全習法から入ると、練習のテーマを絞り込めず上達効率が悪くなります
同じ練習時間でも、固めて練習するのではなく、分散させて小刻みに練習するほうが効果的
人の顔と名前は20秒かけて記憶する
他者に左右されず、自分の能力を向上させる行動目標のほうが、順位は納得できなくても、モチベーションを上げやすい
創造力を磨くには、慣れ親しんだ習慣から脱却することが大切
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『上達の技術』児玉光雄・著 ソフトバンククリエイティブ
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/479736310X
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◆目次◆
第1章 最高の実力をだす技術
第2章 結果をだせる練習の技術
第3章 勝負強くなる技術
第4章 集中力を高める技術
第5章 記憶の達人になる技術
第6章 高いやる気を発揮する技術
第7章 打たれ強くなる技術
第8章 創造性を発揮する技術
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2011年5月10日
【営業がつらくなった時に読む本】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4822230570
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この5月から営業に配属されたという方から、「230件電話したのに、アポが一件も取れませんでした…」という悲しいお知らせをいただきました。
アポ取りだったら、以前ご紹介した『ムリせず、ウソをつかず、1億売れた!! 「営業トーク」』がおすすめなのですが、傷ついている状況であれば、まずは心構えから。
※参考:『ムリせず、ウソをつかず、1億売れた!! 「営業トーク」』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4799100009
それも、どうせなら、厳しいフルコミッション営業を経験した人の本がいい…。
ということでご紹介したいのが、和田裕美さんによる、注目の一冊。
こちらは、「日経ビジネスアソシエ」の人気連載をまとめたもので、かつて教材販売で世界No.2営業ウーマンとなった和田さんが、仕事の心構え、そして営業で成果を出す考え方を説いてます。
・「一番にならなくてもいい」という言葉に惑わされない
・高い波に乗り続ける
・達成する寸前で次の目標を見つけて歩き出す
など、厳しい言葉が並んだ後は、「ゴールまでは近い方がいい」。だから「1年を52週で区切」るなど、具体的なアドバイスを提示。
営業で成果が出ない時、読んだら心に染みるだろうなあ、と思って読みました。
そして、これはすべての仕事に共通することですが、「お金は、将来の自分の可能性に対して使う」こと。
震災の影響で、あらゆるものが自粛モードですが、希望は未来を信じることからしか生まれてきません。
未来を信じ、自分に投資する意志を持つ方に、ぜひ読んでいただきたい一冊です
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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「一番にならなくてもいい」という言葉に惑わされない。何かにおける一番を目指す
誰にも見られていないところで実力をつけるための、「見えない貯金(影練)」をする
「おまえの波は10と0の間を描く波だ! けどなあ、結果を残す奴の波は、10と9の波なんだよ!」(著者が昔の上司に言われた言葉)
プロセス目標には、期限が必要です。そしてゴールまでは近い方がいいのです
私は1年を52週で区切って毎週の目標を立てていました。目標を短期目標に置き換えたのです
目標達成の3要素、「仲間、柔軟さ、やる気」を揃える
誰かのために頑張ろうと思える力こそが、やる気の源
人に何かを伝える時は「傷つけない言葉」を選ぶ
「方向性の統一」「透明性の保持」「笑い」の3点セットで、結果を出し続けるチームを作る
限りある選択肢の中から答えを選ぶのではなく、本質を考えることの方がはるかに大事です。想像力に枠をはめずに熟考すると、外からの情報にとらわれずに発想を広げ、自分だけの答えを創り出すことができる
松下幸之助さんの「51%の決断」という言葉を聞いたことがあります。「お、いいな」という気持ちが、50%より1%でも多かったら、悩まずにすぐにやってみるという考え方です
すべての仕事にタイムリミットを2段階で設ける
時には効率を忘れ「無駄」だと思えるモノに挑戦する
昇進を打診されたら迷わず受ける。その後で、必死になって、役に見合う器を創る
お金は、将来の自分の可能性に対して使う
少数のマイナス意見に振り回されず、大切な人からの声援をしっかり受け止める
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『仕事で成長し続ける52の法則』和田裕美・著 日経BP社
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4822230570
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◆目次◆
第1章 仕事力を高める法則1~25
第2章 キャリアアップのための法則26~39
第3章 生き方を見直す法則40~52
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2011年5月9日
【「語感」を鍛える】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4004313058
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みなさんは、ベストセラーを出している著者や編集者に、欠かせない資質があることをご存知でしょうか?
それは、「語感」。
同じ意味を表すタイトルであっても、この「語感」が良いか悪いかで、売り上げは大きく変わる。
逆に言えば、これに鈍感な作り手は、いつまで経ってもベストセラーを出せないことは言うまでもないと思います。
かつて、エリエスの出版戦略セミナーに、芥川賞作家の平野啓一郎さんにお越しいただいたことがありますが、ちょうど『鏡の法則』などがベストセラーになっていた当時、平野さんは、「最近のタイトルは<の>がつくものが多いですね」とおっしゃっていました。
さすがは、芥川賞作家です。
この「語感」が重要なのは、何も本の世界に限りません。
「ガリガリ君」や「スゴイダイズ」、「甘栗むいちゃいました」など、ヒット商品のネーミングは、いずれも語感に優れているもの。
つまり、ヒット商品を手掛けたいビジネスパーソンにとって「語感」は必須科目とも言えるものです。
本書では、この語感を鍛えるべく、たとえば「些細」と「瑣末」、「どうぞ」と「どうか」、「建築」と「建設」と「建造」など、似ているけれどニュアンスの違う単語を徹底比較。
それぞれの語の感じ方の違い、そして意味の本質に迫っています。
誤って使われている日本語についてもたっぷり言及されているので、教養として読んでも、楽しい一冊です。
ぜひ読んでみてください。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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同じ外来語でも、輸入年代の違いに応じて「ストライキ」と「ストライク」、「ミシン」と「マシン」と姿を変えて別々の意味を分担する例もある
「些細」と「瑣末」はどちらも、取るに足らないどうでもいいことを言うが、「些細」が細かすぎるところに重点があるのに対し、「瑣末」は本筋と無関係であるところに重点がある
「好調」の最高の段階をさす「絶好調」もあるが、どこか長続きしない感じがつきまとう
◆語感の三系統
1.表現する《人》に関する語感
2.表現される《もの・こと》にかかわる語感
3.表現に用いる《ことば》にまつわる語感
現代では危ないことになりそうなという意味合いで一般にも広まった「やばい」は今や、驚くほどすごいといった意味の用法にまで広がった。が、これも、もとをただせば、不都合や危険を意味した江戸時代の「やば」に端を発している
「感心」と「感服」とを比べると、感動の程度とは別に、前者は上の立場から、後者は下の立場から評価している感じがある
「給料」も「給与」も同じものをさすが、後者のほうが支払う側の視点が連想される
「独壇場」ということばも信じすぎると恥をかく。正しくは「独擅場」と書く。「擅」は「ほしいままにする」という意味で「セン」と読む
謙虚な姿勢を示すつもりで「私には役不足です」などと言うと、自分にとってその役割は軽すぎるという意味だから、むしろ自分の能力をアピールすることになってしまう
映画監督の小津安二郎は敬愛する作家の志賀直哉からもらった手紙の末尾に「どうか遊びに来てくれ給え」とあるのを読んでほんとうに嬉しかったらしい。「どうぞ」でなく「どうか」ということばを選んだところに、ぜひいらっしゃいという志賀さんの気持ちがこもっていると、ことのほか喜んだという
「猫糞」も「着服」も「横領」の一種だが、少しずつ程度の違いが感じられる。「猫糞」は「着服」より罪意識が軽く、「着服」は不正な行為ではあるが「横領」ほどの明確な違法性は感じられず、「横領」は「着服」より犯罪のにおいが強い感じがある
「か細い」「か弱い」といった語が繊細な感じを与えるのも<接辞>「か」のもたらす語感だろう
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『語感トレーニング』中村明・著 岩波書店
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4004313058
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◆目次◆
1.定年後を輝かせる「新たな仕事」
2.「不純」の大いなる効用
3.どうすれば運命を使いこなせるか
4.現実を受け止められないとき、行き悩むとき
5.問題は「どう生きたか」
6.人生の思いがけない「からくり」を知る
7.遠距離「世間」のすすめ
8.「自分の時間」を管理する知恵
9.ささやかだけれど贅沢な生き方
10.自分なりの「始末のつけ方」
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2011年5月8日
【人生をいかに終えるか】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4594063691
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本日の一冊は、『老いの才覚』が大ベストセラーとなっている、曾野綾子さんの注目の新書。
※参考:『老いの才覚』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4584122954
『自分の始末』とは、これまた刺激的なタイトルですが、人間には必ず終わりが来るのだから、若いうちから始末のつけ方を考えても悪くないと思い、読んでみました。
本書は2010年2月に単行本として出されたものを新書化したもののようですが、内容は、これまでの曽野作品のなかの名言を、自己啓
発風に再編集したもの。
書き下ろしではないのが残念ですが、年老いた方だからこそわかる、人間関係の機微や、生きる上での指針、死を覚悟する方法などが伝わってきて、じつに参考になりました。
あと3年若かったら、絶対に理解できない内容だと思いますが、30代も後半になり、死を意識し始めると、よくよく理解できます。
死を迎える時、どんな人間であるべきか、どんな人生を送れば後悔のない人生になるのか。
『老いの才覚』ほどのインパクトはありませんでしたが、生き方の指針として、参考になる一冊だと思います。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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本来の「始末」は、折り目正しい言葉なのだろう。始めがあれば、終わりもあるのが自然でまっとうな推移なのだし、首尾一貫と言えば、それは整った状況を意味すると思われる(新書判のためのまえがき)
肉体と精神の機能の低下は少しくい止めることはできるように思う。それは生活の第一線から、引退しないことである。職を引かないこ
とではない。日常生活の営みを人任せにしないことである(「晩年の美学を求めて」)
末席の楽しさを知るべきだ。末席が一番よくすべてが見える(「中年以後」)
制度と、自らが決める規範とは、全く別のものである。制度は平等を物差しにし、自分が決める規範は、自分の美学を尺度にする(「貧困の僻地」)
信じないことが、節度と愛の第一歩だということを知ったのはもう二十代の初めからである。この原則を守らないと、相手に一方的な想いをかけ、必ずと言っていいほど裏切られて怒らねばならないことになる(「砂漠・この神の土地 サハラ縦断記」)
食べものなどの衣食住が十分あって、安全があって、それによって生きるということはあっても、魂で生きるというような発想が日本にはなくなってきたんではないでしょうか。人は何に人生を捧げるか、という視点がなくなってきたような気がします(「愛のために死ねますか」)
人は与えるからこそ、大人になり、おいぼれではなく青年であり続けるのである(「晩年の美学を求めて」)
英語にセレクションという言葉がある。今の日本の子供たちは、この単語の日本語の意味は「選択・選抜」だとは習うが、「淘汰」という意味もあるとは教わらない(「貧困の僻地」)
死生学を提唱しておられるアルフォンス・デーケン神父は、人間の最期に必要なのは許しと和解だと言っておられる(「貧困の僻地」)
退屈ということは実に偉大なエネルギーの貯蔵庫である(「時の止まった赤ん坊 下」)
それでいい。植えた者がそれを食べねばならぬという約束はどこにもない(「贈られた眼の記録」)
ものの過剰は人間を疲れさせるし、もの一つ一つの存在の意義も見失わせる(「貧困の僻地」)
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『自分の始末』曽野綾子・著 扶桑社
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4594063691
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◆目次◆
1.定年後を輝かせる「新たな仕事」
2.「不純」の大いなる効用
3.どうすれば運命を使いこなせるか
4.現実を受け止められないとき、行き悩むとき
5.問題は「どう生きたか」
6.人生の思いがけない「からくり」を知る
7.遠距離「世間」のすすめ
8.「自分の時間」を管理する知恵
9.ささやかだけれど贅沢な生き方
10.自分なりの「始末のつけ方」
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2011年5月7日
【凄本】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/482223343X
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昔、下北沢に住んでいた知人に、「取っておきの店があるから」といって連れて行かれたお店がありました。
そのお店は、土井好みのスタイルのお店ではありませんでしたが、確実にファンをつかんでおり、店内はものすごい活気にあふれていました。
食事も美味しく、とても気持ちよく帰った記憶があります。
そのお店は、「くいものや楽」。かつて一世を風靡した居酒屋です。
この伝説のお店「くいものや楽」や「汁べゑ」を手掛けたのが、「居酒屋の神様」と呼ばれる、宇野隆史氏。本日ご紹介する本の著者です。
著者は、これまでに100人以上の若者を経営者に育て上げ、尊敬を集めているという、飲食業界では有名な方で、本書には、独立のアイデア、アドバイスも数多く書かれています。
先日ご紹介した、『繁盛店をつくる立地選び』同様、この本も、独立を考える人には必読の一冊となるでしょう。
※参考:『繁盛店をつくる立地選び』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4534048076
本書の白眉は、この宇野氏が考える、お店を繁盛させるための具体的アイデアの数々。
こんな接客、食事提案をされたら、一発でファンになってしまうというアイデアがてんこ盛りなのです。
豚足を食べているお客さんがハサミを要求したら、先回りして切って差し上げる、今日は真っ直ぐ家に帰る、というお客さんがいたらおでんをいくつか渡して差し上げる、残ったカツをお持ち帰りいただく際は、薄いパンを二枚サービスして差し上げる…。
あまりのサービス精神に、思わずやられてしまう、そんなアイデアばかりなのです。
もちろん、100人以上の居酒屋経営者を育てた百戦錬磨の著者だけあって、集客やメニュー作り、料理のネーミングなども、見逃せないノウハウです。
・開業資金は「遊び心」を出す余裕を残して使う
・皿が二〇枚必要だったら、一気に必要な枚数を買わずに四回に分けて
・最初に出す店は「手段の店」
など、本気で開業を考える人には、珠玉のアドバイスがぎっしり。
この本自体のサービス精神にも、すっかりやられてしまいました。
巻末に書かれた、かつての弟子、ベイシックス代表・岩澤さんからの感謝コメントも感動的。
起業家を目指す人、サービスに携わる人には、ぜひ読んでいただきたい一冊です。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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一生誰かの下で愚痴を言いながら働くよりも、店を持て! そして商売を楽しめ! オレはそう思うんだ
店に「遊び心」を出す余裕がなくなるような無理な投資はしちゃいけない。これが、オレたちの商売が成功する秘けつだと思うんだ
メニューにはそのときどきの流行りをうまく取り入れていく必要がある。でも、例えば一時期ジンギスカンの店がちまたを席巻したように、店全体で流行りを追っちゃダメだ
「独立したら、こんな店を持つんだ」という明確なイメージを思い描ける力を持っていなければ店長にはできない。店長や経営者に絶対欠かせないのは、「イメージする力」なんだ
この間、独立した子の店に行ってみたときのことなんだけどね。その店には、メニューに豚足の煮込みがあってさ。あるお客さんがオーダーしたんだけど食べにくかったらしく、「ハサミ貸してもらえる?」って言ったの。すると、その子はただ、「はい、どうぞ」ってハサミを渡したんだよ。それってお客さんに親切だと思う? オレは、そんな接客はあり得ないって思った。こんなときには、「食べにくかったですか? こっちで切りますね」と言って、切ってあげなきゃダメ
いつの時代にも強いのはさ。本当の意味でお客さんに得をさせている店だよね
例えば、皿が二〇枚必要だったら、一気に必要な枚数を買わずに四回に分けて五枚ずつ買う。そうしたら、何度も店に行くことになって、店の人は絶対、声をかけてくれるようになる。こうなれば、しめたもの。「今度近くに居酒屋をオープンするんで来てください」って、自然に話ができる。地域の人たちの口コミにもつながるよね
逆に、店の周りでは絶対にやらないこともある。例えば、サングラスはプライベートでは掛けるけど、店に関係する場所では絶対に掛けない。タバコも吸わない。ある有名な寿司屋の板前さんが、休憩時間にタバコを吸っているのを見たことがあるんだけどね。その手で握った寿司なんて食べたくないと思った
残ったカツを、キャベツやからしソースと一緒にお客さんに持ち帰ってもらうんだ。そうすれば、翌日もお店のことを思い出してもらえるでしょ。もちろん、この程度であれば既にやっている店もあるだろう。でも、オレは、これに薄いパンを二枚サービスで付けてあげるの。そうしておけば、これだけで次の日の朝食やお弁当にできるでしょ
昔やっていた小さな店で、常連の女の子が帰ろうとして出入口の扉に手をかけたときに、近くにあったみかんを「みち子ちゃん!」と名前を呼んでカウンターからポーンと投げたことがある。女の子がパッと取ったら、そこにいたほとんどのお客さんが「ナイスキャッチ!」と言って笑顔になった(中略)忙しくてわざわざ入り口まで見送りに行けなくても、お客さんに喜んでもらう方法はいくらでもあるんだ
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『トマトが切れれば、メシ屋はできる 栓が抜ければ、飲み屋ができる』宇野隆史・著 日経BP社
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/482223343X
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◆目次◆
1.儲からない店なんて、絶対にない
2.人通りのない場所にこそ店を作れ
3.料理ができなくても、人気メニューはできる
4.お客さんを喜ばせるのは簡単だ
5.「売ろう!」と思えば、モノはじゃんじゃん売れる
楽コーポレーションで育った経営者が見た宇野隆史という人
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2011年5月6日
【社長には耳の痛い一冊】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4822264254
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本日の一冊は、「日経トップリーダー」などを経て、現在「日経ビジネス」の副編集長を務める著者が、これまでに取材で会った数多くの名経営者から学んだ経営の教訓を、一冊にまとめたもの。
まえがきにも書かれていますが、著者が、経済誌の編集者として得た気づきは、<人生のさまざまな局面で成否が分かれるのは、『運の差』ではなく『考え方の差』>というもの。
このまえがきに書かれている、「成功者がやらない行動の例」を見るだけでも、本書を読むことの意義が感じられるのではないでしょうか。
【成功者がやらない行動の例】
・顧客を囲い込む
・年末に一年を振り返り反省する
・新製品が売れなかったときに「売れない理由」を分析する
できる経営者、ビジネスマンが多いBBM読者なら既におわかりのように、「顧客を囲い込むのではなく、魅力で引き寄せる」、「年末に反省するのではなく、日々反省する」、「売れない理由を分析するのではなく、売れた理由を見つける」のが正解。
本書には、このように、凡庸な経営者がやってしまいがちなミスや勘違いが、計40個、載っています。
実際に経営に携わっている方なら、何かしら反省させられる部分があるのではないでしょうか。
お勤めの方、あるいはこれから就職する方にとっては、その会社がこの先有望かどうか、見極めるいいヒントになると思います。
さらりと読める文量ですが、書かれてことは極めて鋭い。
ぜひ読んでいただきたい一冊です。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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「なるべくやれ」という指示では結局、誰も動かない
「ギリギリまで考える」と「ギリギリになって考える」は違う
仕事とは、何かを調べたうえで実行することである。対策および決断の伴わない現場視察や会議は、仕事ではなく、趣味に過ぎない
顧客は囲い込めない 顧客は引き寄せるしかない
名機と呼ばれる製品は、例外なくユーザーの立場に立って作られており、その構造やデザインには、先輩設計者の知恵が結集されている
ほんのわずかでも妥協すれば確実に目標が遠ざかるのが競争の世界なのだ。名経営者は、この”妥協の怖さ”をよく知っている。だから、彼らの多くはどんなことでも「最後までやり切ること」「取りこぼしをしないこと」にこだわるのだ
検討とは「あれこれ調べ考えること」。それに対して、検証とは「行動を起こし事実を確認すること」だ。経営者は「すぐ検討」ではなく「すぐ検証」しなければならない
年末に反省をする社長は来年も失敗を繰り返す
上司にとって致命的なのは、部下から「嫌われること」ではなく、「がっかりされること」だ
「新しいこと」をするより「違うこと」をする
人間は、損をしたり失敗すると必要以上に深刻に受け止める傾向がある。その結果、苦しいときほど、「確率が低くても状況を直ちに一変してくれるハイリスクな選択」を選びがち
売れない理由を100個探すより売れた理由を1つ見つける
「できること”から”やる」と言う人ほど、できること”だけ”やって終わってしまうことが多い
儲けている社長ほど、会社の財務に詳しい
人がやりたがらないことにこそ旨みがある―。このビジネスの本質を、名経営者は忘れない
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『敗者の錯覚』鈴木信行・著 日経BP社
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4822264254
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◆目次◆
※多すぎるので省略します
[エラー: asin:4822264254 というアイテムは見つかりませんでした]
2011年5月5日
【中国人の不可解な行動がこれでわかる!】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4887598831
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国内の人口減少がいよいよ現実のものとなった今、巨大市場中国をどうやって攻略するかに注目が集まっています。
中国市場を攻略する上で、大きな壁となるのは、中国人との関係のつくり方ですが、本日の一冊は、まさにこれを扱った内容です。
香港大学商学院国際マーケティング学部長のデイヴィッド・ツエ氏と、香港貿易発展局日本首席代表の吉田茂美さんが書いたもので、これ一冊あれば、中国人の不可解な行動原理をバッチリ理解できます。
本書が優れているのは、ただ単に中国と日本の違いを述べるのではなく、彼らの世界の見方、行動原理を明らかにした点。
どんなに不可解な行動にも原理があり、一見無秩序に見えるものにも、必ず秩序がある。
本書は、その原理・秩序をまとめた点で、注目すべき一冊だと思います。
著者らによると、中国人が2000年以上もの間に培ってきた行動原理には二つあり、それが「孫子の兵法」と「グワンシ」(人間関係の原理)。
<兵法は「外人」と呼ばれるアウトサイダー、部外者に対するときの行動原理で、グワンシのほうは「自己人」と呼ばれるインサイダー、つまり内輪・身内に対するときの行動原理>であり、中国人は、この外人と自己人をしっかり区別してつきあうのだそうです。
このグワンシが重要なのは、中国人はこれをもとに資源を配分する。つまり、平時のビジネスで身内を優先するのは当たり前で、非常時になれば、<グワンシが資源配分の基準となる>。
日本企業のなかにも、このグワンシを正しく理解し、成功を収めている企業があるそうで、本書にはその実例がいくつか出てきますが、確かに、これは簡単なことではなさそうです。
言うは易く行なうは難し。
ここに書かれた規範をきちんと守ってビジネスできるかどうかは、今後の日本企業の中国進出を考える上で、大きなカギとなりそうです。
中国ビジネスを真剣に考えている方、今後中国のパートナーと仕事をする予定のある方は、ぜひ読んでみてください。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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◆日本企業が取り組むべき三つのグワンシ
1.対従業員
2.対消費者
3.対地方政府
集団における自分と他者との関係は、自分自身を中心とした同心円で表すことができます。いちばん中心にあるのが自分とその家族。そして、親戚、その周りに友人。そして遠い親戚。そしてその友人と、順に同心円状につながっていきます。実際、中国という国全体が、同心円のように表されると言ってもいいでしょう
中国には、大きすぎてもともとみんなを平等に扱うことなんてできない、という前提がある
かれらは、ふつうの親と同じように、小遣いを子どもたちにやります。小遣いで、これを買ったり、あれを買ったりしろと。ところが、それに加えて、また別の小遣いをやります。それは関係、すなわちグワンシをつくるためのお金です
◆五つの役割
君子、官吏、父親、夫、息子
◆八つの道徳的な価値
孝(父母に)・悌(兄弟に)・忠・信・礼・義・廉(清廉)・恥
◆グワンシをつくる3要素
1.血縁 2.ツール(出身地、出身大学)3.志
中国では一般的に、「親戚に貧しい人が三人いたら金持ちにはなれない」と言われています。逆に「親戚に金持ちが三人いたら、貧しくなんてなれっこない」とも言われます
日本では会社に対して恥を考えるのです。でも中国では、たとえば、「私」の恥は家族に対してです
中国ビジネスにおいて、契約履行の信用を保証するのは、法律の前にグワンシ
◆中国人の、人と関わる上での4つのルール
1.他人から好意を受けたら、受け取らなければならない
2.受け取った好意に対しては、ただちに返答しなければならない
3.依頼事項を受けたら、多少なりとも呼応しなければならない
4.人は与えた好意に対して返答があることを期待している。しか
し、その意思を表立って表現してはならない
優秀な人ではなく、適切な人を雇うこと
中国ではどんな組織も、社長やCEO、エグゼクティブなどの幹部は、従業員が不正をしないように常にモニターやチェックをしている
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『グワンシ 中国人との関係のつくりかた』デイヴィッド・ツエ、吉田茂美・著 ディスカヴァー・トゥエンティワン
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4887598831
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◆目次◆
第1章 中国理解と進出の鍵、グワンシ
第2章 グワンシの、欧米や日本との人的「関係」との決定的な違い
第3章 グワンシの負の部分からいかに逃れ、その利点をいかに活用するか?
第4章 中国人社会における社会装置としてのグワンシ
第5章 グワンシをいかに活用するか? 日本企業への実践的アドバイス
参考資料
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2011年5月4日
【これは名著だ】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4806713996
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本日の一冊は、あのベストセラー『銃・病原菌・鉄』以来の知的興奮を味わえる、感動の名著。
※参考:『銃・病原菌・鉄』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4794210051
以前、東京農業大学にお邪魔した時に、生協で購入したものですが、これは、農大生だけに読ませておくには、あまりにもったいない。
われわれは、文明の興亡の原因を、戦争や自然災害に求めがちですが、本書によると、その原因は、じつは「土壌」にある。
人口増加を、土壌が支えられなくなった時、また土壌が消失して、大地がもろくなった時、悲劇は起こる。
文明の興亡の原因を「土壌」に求め、見事に説明しているばかりか、その戦略的重要性を明らかにし、人類の歴史をダイナミックに描き出したあたりは、見事としか言いようがありません。
なぜエジプトはナイルの賜物と言われたのか、なぜギリシャ・ローマは滅びたのか、なぜヨーロッパは世界を植民地化したのか、なぜ南北戦争は起きたのか、なぜイースター島の繁栄は続かなかったのか…。
土壌調査により、ここまで人類の歴史がわかるとは、本当に驚きました。
原発事故の影響で、福島県の土壌汚染の問題がクローズアップされていますが、土壌の損失というのは、どうやら単に作物の問題だけではなさそうです。
国レベルで土壌の戦略的重要性を知ること、文明がどうやって繁栄と衰退を繰り返してきたかを知ること。
これこそが、日本復興のカギを握るのだと思います。
ひさびさに出合った名著、ということで、もちろんイチオシの一冊です。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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土壌肥沃度を高めることが重要であるとわかっていながら、土壌の喪失は初期の農耕文明から古代ギリシア、ローマに至る社会の終焉の一因となり、後にはヨーロッパにおいては植民地制度の勃興、北米大陸においてはアメリカの西進を助長した
土地が支えられる以上に養うべき人間が増えたとき、社会的政治的紛争がくり返され、社会を衰退させた。この泥の歴史は、土壌の扱
いが文明の寿命を定めうることを暗示している
おおまかに言って、多くの文明の歴史は共通の筋をたどっている。最初、肥沃な谷床での農業によって人口が増え、それがある点に達すると傾斜地での耕作に頼るようになる。植物が切り払われ、継続的に耕起することでむき出しの土壌が雨と流水にさらされるようになると、続いて地質学的な意味では急速な斜面の土壌侵食が起きる。その後の数世紀で農業はますます集約化し、そのために養分不足や土壌の喪失が発生すると、収量が低下したり新しい土地が手に入らなくなって、地域の住民を圧迫する
行き場のない人々が農耕を発展させた
シュメールの農業が塩類化に弱かったのとは対照的に、エジプトの農業は、古代のファラオからローマ帝国を経てアラブ時代に至る七〇〇〇年にわたって、絶えず文明を養ってきた。両者の違いは、ナイルの生命の源である洪水が、確実に毎年川沿いの農地に新しいシルトを運び、そこには塩類がほとんど含まれていなかったからだ
通常、狩猟採集社会では食糧はすべての人のものと考えられ、持っているものは快く分配し、貯蔵することはなかった
ローマ人は農場管理、輪作、堆肥を知っていたのに、イタリアの土壌はなぜ劣化したのだろうか? そのような行為は、土壌を改良するために農家の収入の一部を使うことを要求するが、一方で当座の収穫を最大にするには土地の肥沃度を利用する必要がある
技術が高度になるにつれ土地を損なう能力も増大する
土壌が消える速度は非常に遅く、人々はなくなったことに気づかない
土地への欲求が宗教改革を後押しした
「人間は、無知あるいは習慣から土を荒らすこともあるが、経済または社会的条件が、完全に人間の制御を離れて、破滅的な結果しか生まない土地の扱いにつながったり、それを強いたりすることのほうが多い」(歴史学者エイブリー・クレイブン)
文明の寿命は、最初の土壌の厚さと土壌が失われる正味の速度との比率によって決まる
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『土の文明史』デイビッド・モントゴメリー・著 築地書館
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4806713996
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◆目次◆
第一章 泥に書かれた歴史
第二章 地球の皮膚
第三章 生命の川
第四章 帝国の墓場
第五章 食い物にされる植民地
第六章 西へ向かう鍬
第七章 砂塵の平原
第八章 ダーティ・ビジネス
第九章 成功した島、失敗した島
第10章 文明の寿命
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2011年5月3日
【森の生活者、ソローが教える人生の知恵】
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本日の一冊は、アメリカ文学の古典的名著『森の生活』の著者であり、作家・思想家として知られるヘンリー・ディヴィッド・ソローの思想をまとめた一冊。
※参考:『森の生活』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4093874956
ソローは、弱冠16歳で奨学金を得てハーバード大学に入り、エマソンなどとも交流のあった優秀な人物ですが、ある時、自然の魅力に取り憑かれ、ウォールデン湖のほとりで自給自足の生活を始めます。
生活に追われる時間を可能な限り切り詰め、時間の大半を思索にあてたという著者が、その果てにつかんだ人生の真理とは何か。
文明人として生きているはずのわれわれが、お金や世間体に振り回され、いかに精神的に貧しい生活をしているか、著者は指摘します。
震災後の生活でわれわれがつかみかけている、シンプルな生活のあり方。
ソローは、シンプルに生きることでわれわれがどれほど労働から解放されるか、自然に学ぶことでいかに豊かになれるか、教えてくれています。
『森の生活』『市民の反抗』から引用した内容を編集・再構成したもののようですが、出典が明確だともっと良かったと思います。
昨日、盛岡を訪れた時も思ったことですが、地方に暮らして初めて価値がわかる本もある。
本書は、まさにそういう本だと思います。
静かな時間を持ちたいと考える人、仕事に追われる現状を改善したいと思う人に、ぜひおすすめしたい一冊です。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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さて、いまから徒歩で出発すれば、夜までにはフィッチバーグに着くだろう。以前このペースで、一週間歩いて旅をしたことがある。きみはその間働いて汽車賃を稼ぎ、明日、あるいは幸運にもかき入れどきですぐ仕事が見つかれば今夜にも、そこへ着くだろう。フィッチバーグを目指して歩く代わりに、きみは一日の大半をここで働いて過ごすわけだ。ということは、鉄道が世界を一周したとしても、僕は常にきみより先を行っていることになる。さらに、その地方を見物し、いろんな体験ができることを考えると、とてもきみのやり方につきあう気にはなれないね
衣服にせよ友人にせよ、新しいものを手に入れようとあくせくするのはやめたほうがいい。古いものを裏返して使えばいい。古いものに立ち返るのだ。ものが変わるのではなく、僕たちが変わるのだ。衣服は売り払っても、思想は守ろう
生きていくのに必要なものが手に入ったら、余分なものはいらない。人間にはそれ以外にも選択肢がある。つつましい骨折り仕事を終えて休暇が始まったいまこそ、人生の冒険に乗り出すのだ
虎を飼いならすのも、羊を獰猛にするのも、真の文化がすべきことではない
慈善家はあまりにしばしば、自分が脱ぎ捨てた悲嘆の記憶で人類を大気のように取り巻き、それを共感と呼ぶ。僕たちは、絶望ではなく勇気を、病気ではなく健康と安息を与えあうべきで、病気が伝染しないように気をつけなければならない
生きていくのに必要な食料は、信じられないほどわずかな労働で手に入れることができる
もし人間がみな、簡素な暮らしをしたなら、盗みや略奪はなくなるに違いない。こうしたことは、必要以上にものを持っている人間がいる一方で、必要なものにも事欠く人間がいる社会でしか起こらない
余分な富で買えるのは、余分なものだけだ
有能で役に立つ人間は、地域社会がじゅうぶんな報酬を払おうと払うまいと関係なく、自分の仕事をきちんとやりとげる。しかし、無能な人間は、一番高く買ってくれる人に自分の無能さを売りこみ、採用されるのをいつまでも待っている
経済的に豊かなとき、向上するためにできる最善のことは、貧しかったときに心に抱いていた計画を実行に移す努力をすることだ
ギリシア人は世界を「美」あるいは「秩序」を意味する「コスモス」という言葉で呼んでいた
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『孤独の愉しみ方』ヘンリー・ディヴィッド・ソロー・著 イースト・プレス
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4781604579
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◆目次◆
I 孤独が一番の贅沢
II 簡素に生きる大切さ
III 心を豊かにする働き方
IV 持たない喜び
V 自然の教え
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2011年5月2日
【アイデア生産をシステム化する方法】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4062881039
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本日の一冊は、ベストセラー『IDEA HACKS!』の著者であり、かつて大手レコード会社でアーティストや映画のマーケティングを担当していた原尻淳一さんが、その知的生産の手法を語った一冊。
※参考:『IDEA HACKS!』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4492042598
クリエイティブ系の方が、その体験をもとに、ジェームス・W・ヤングの『アイデアのつくり方』に毛の生えたような本を書く、というのはよくある話ですが、本書は、その手の本とは一線を画しています。
※参考:『アイデアのつくり方』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4484881047
著者の手法は、知的生産活動が完全にシステム化されている、という点で魅力的。
「読書カード」「写真」「フィールドノート」の3つのデータベースを駆使し、書籍やエッセイを生み出していた鶴見良行先生のやり方をさらに発展させた、独自の手法が紹介されています。
フィールドワークのやり方や、「実読」としての読書の方法、クラウドサービスの活用、アイデア発想を刺激するための「5つの揺さぶり」、文章表現に「らしさ」を忍ばせる秘訣まで、知的生産に必要なヒントが、たくさん詰まっています。
伝統的な知的生産の技術と、最先端のツール・手法がうまく融合された、画期的なアイデア生産の技術。
アイデアで飯を食っている、すべての方におすすめの一冊です。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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参与観察は、勝手な思い込みや偏見を修正し、意外な発見や新たな仮説を導くのに役立ちます
一次情報のほうが二次情報よりも人をひきつけます
日本語検索で調べた後に、さらに英語で検索してみること。大変シンプルですが、情報収集量は確実に倍増します
メディア状況や社会問題、海外事情のリサーチであれば、NHK放送文化研究所のレポート、広告に関する市場規模であれば電通総研、消費者のトレンド予測であれば博報堂生活総研のレポートが充実
◆学術的な情報を探す際に役立つ
1.CiNii(サイニイ):論文情報ナビゲータ
2.Nii-DBR:学術研究データベース
プロダクトの「要素、構造、機能」は三位一体であり、3つのうちどれかを変更するとプロダクトの全容が変わる
◆5つの揺さぶり
1.意図的欠落(不足を意図的に引き起こして、新しい機能や構造を考える)
2.類化性能(違って見えるものの間に類似点や共通性を発見する思考)
3.目的変更
4.BTTF(Back to the Future)
5.仮説推論
◆企画書の基本構造
1.目的/目標
2.現状分析/課題抽出
3.戦略/戦術
4.工程表/予算表
◆文章表現のルールや技法
1.ベンチマーク研究:手本となる文章をいくつか見つけて分析する
2.文章表現のルールをつくる:分析結果をルールとして規定する
3.文章を磨く:文章を他人に読んでもらうことによって、修正点
をみつけ、リライトする
専門的な話を一般読者向けに展開するときには、アナロジーを活用するとわかりやすくなる
◆ワーマンの「インストラクションの構成要素」
1.使命 2.最終目的 3.手順 4.時間 5.予測 6.失敗
◆文章に「らしさ」を忍ばせるポイント
1.フォーマット 2.文字フォント 3.文末のスタイル
マーケティングはもはやBtoCではなく、BtoFの時代になる
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『アイデアを形にして伝える技術』原尻淳一・著 講談社
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4062881039
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◆目次◆
第1部 インプットの技術
第1章 「現場の情報」力
第2章 情報を集める技術・読む技術
第3章 データベース構築とアイデア発想
第2部 アウトプットの技術
第4章 型の効用
第5章 わかりやすく自分らしい文章術
第6章 企画書を書く
第7章 伝わるプレゼンテーション
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