『上達の技術』児玉光雄・著 vol.2485


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【あなたの適性が上達の理論からわかる】
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100万部売れる著者と、1000部しか売れない著者。

出版の世界は、一流とそれ以外では、多い時で1000倍、少なくとも10倍の差がつく、実力勝負の世界です。

そしてそれは、スポーツの世界も同じ。

土井がバッターボックスに入って、プロ野球投手の球を打ったら、おそらくイチロー選手の10分の1程度(これでも多く見積もり過ぎかも)しかバットに当てられないでしょう。

では、この一流とそれ以外の差は、いったいどうやってつくのか。

本日の一冊は、その疑問に応えてくれる一冊です。

著者は、米国オリンピック委員会スポーツ科学部門の客員研究員として、オリンピック選手のデータ分析に従事した経験を持ち、プロスポーツ選手のメンタルカウンセラーも務める人物。

一流のアスリートがどうやってものすごいスピードの球を打ち返しているのか、どうやってスキルを上達させているのか、興味深い話がいくつも紹介されています。

「強さ」を競う競技と、「うまさ」を競う競技の話、運動能力の「4つのスキル」の話、「あらゆるスポーツをこなせる運動神経をもつ人間はほとんどいない」という話…。

われわれビジネスマンが適性を考える上でも、役立つ話が満載です。

また、初心者の学習と上級者の学習ではやり方が異なるという話や、分散させて小刻みに練習することの効用など、学習のノウハウにも
ページを割いています。

後半の集中力、記憶力、やる気の話などは、既知の内容が多くやや退屈でしたが、前半は、ビジネスのアナロジーとしてじつに興味深く読めました。

自身のスキル開発のヒントに、ぜひ読んでおきたい一冊です。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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教科書に書かれている基本をいくらマスターしても、オリジナリティがなければ、決して一流のアスリートにはなれません

最近の理化学研究所の実験では、大まかなスイングの記憶は大脳皮質に分散して記憶される「長期記憶」に残りますが、細かい技は長期記憶に定着しにくく、日々鍛錬しないと定着しないことがわかっています

傾向として、特にウェイトリフティングや陸上短距離のような、短時間に絶対的な記録を競うスポーツでは「強さ」が、フィギュアスケートや体操のような、採点員が得点をだすスポーツでは「うまさ」が評価基準の軸になる

上達の近道という観点でいうと、自分の得意なタイプ(強さか、うまさか)に適したスポーツを選ぶことが、重要

◆運動能力には「4つのスキル」が存在する
1.状況把握能力
2.正確な動きをする能力
3.すばやい動きをする能力
4.持続性

◆オリジナリティの2つの要素
・技のオリジナリティ
・与えられた状況のオリジナリティ

スイングの再現性こそ上達に不可欠な要素

あらゆるスポーツをこなせる運動神経をもつ人間はほとんどいない

9歳から12歳ごろの「ゴールデンエイジ」と呼ばれる時期に運動経験のないアスリートは、なかなか一流になれない

テニスで瞬時に体の動きをプログラムしてナイスショットを打つことは、「事前に知っていないかぎり」困難

人間は「できなかったことができることを快感にした」から、爆発的に進化できた

初心者が全習法から入ると、練習のテーマを絞り込めず上達効率が悪くなります

同じ練習時間でも、固めて練習するのではなく、分散させて小刻みに練習するほうが効果的

人の顔と名前は20秒かけて記憶する

他者に左右されず、自分の能力を向上させる行動目標のほうが、順位は納得できなくても、モチベーションを上げやすい

創造力を磨くには、慣れ親しんだ習慣から脱却することが大切

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『上達の技術』児玉光雄・著 ソフトバンククリエイティブ
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◆目次◆

第1章 最高の実力をだす技術
第2章 結果をだせる練習の技術
第3章 勝負強くなる技術
第4章 集中力を高める技術
第5章 記憶の達人になる技術
第6章 高いやる気を発揮する技術
第7章 打たれ強くなる技術
第8章 創造性を発揮する技術

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