2011年5月15日
【独自性を打ち出す戦略とは?】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4903212254
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―戦略とは、違うレースを選ぶ、自分が勝てるレースを設定するということだ
これは、本書のなかで紹介されている、マイケル・ポーターの言葉ですが、ほとんどの企業は、誰かのレースに参加するだけで、不利な展開を余儀なくされています。
誰かが作ったレースは、その誰かに有利なように設計されていて、後発には不利なことが多い。これでは利益率を高めることはできません。
では、自社に有利なレースを自ら創り出すにはどうすればいいか。
そのカギとなるのが、本書が提案する「独自性」です。
原題”Differentiate or die”は、マーケティングの世界的権威、ジャック・トラウトによる書籍で、あの『ポジショニング戦略』と並ぶ代表作。
本書には、企業がいかに自社を差別化するべきか、計10個の戦略が示されています。
・「一番乗り」を射止める
・「業界リーダー」を目指す
・「伝統」で勝負する
・「製法」にこだわる
・「最新」で差をつける
今すぐできることから、じっくり取り組むべきことまで、さまざまなやり方が、企業の実例とともに示されています。
既に古くなった事例もあるとはいえ、独自性をどう打ち出すか、良いヒントをもらえると思います。
選択肢が増え、さらに情報もあふれているとなると、もはや差別化なしに選んでもらうことは不可能。
本当は、本書に『ストーリーとしての競争戦略』にあったような、成長、改善の視点があれば、もっと良かったと思いますが、単発の打ち手を研究する書としては、参考になります。
※参考:『ストーリーとしての競争戦略』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4492532706
もともと『ユニーク・ポジショニング』というタイトルで邦訳されたものの増補版(原書は2008年)ですが、まだ読んでいない方は、ぜひチェックしてみてください。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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マーケティング分野という海で、商品カテゴリーはシャーレで分裂するアメーバのようにひたすら増殖する
選択を手伝うことを専門とする商売が生まれた。すでに触れたザガットのレストラン・ガイドや医療機関の成績表はその一例だ
市場の変化を無視すると、企業の独自性の価値がなくなる
販売部門や大手小売業者にせっつかれてパニックになった製造業者は、ブランド構築に金をかけるよりも、クーポンや無料プレゼントなど流通業者が喜ぶ割引戦術に走る。バイヤーを重視すればするほど、ブランド力からは遠ざかる
◆コモディティの差別化
1.識別する(バナナの「チキータ」)
2.人間化する
3.新しいカテゴリーを作る(「クレンショー・メロン」)
4.名前を変える
5.カテゴリーを変える
問題は、どのスローガンも、どうして他の会社の商品ではなく自社の商品を買うべきかを伝えていないことだ
◆価格攻撃をかわす方法
1.特別なことをする(大口顧客への特別なオファー)
2.混乱を引き起こす(市場が混乱したらリーダーが勝利する)
3.論点をずらす(初期コストに対抗するトータルコストの考え方)
ザッポスの創業者はちょっとした秘密を知っていた。インターネットの時代が来るずっと前から、四〇〇億ドル規模の靴の市場では五
パーセント(二〇億ドル)をカタログ通信販売が占めていたという事実だ。模倣者を寄せつけないために、ザッポスは大金を投入して最上級の顧客サービスを確立した
「フルラインナップ」から「趣味とセンス」へ
◆人が購入する際に感じるリスク
1.金銭的なリスク(損をするかもしれない)
2.機能的なリスク(うまく動かないかもしれない
3.肉体的なリスク(危険かもしれない)
4.社会的なリスク(買ったら友だちがどう思うだろう)
5.心理的なリスク(買ったら後ろめたく感じるのではないか)
リーダーであることを元に、いかに自社がナンバーワンになったかというすばらしい物語を展開することができる
出身地が大切なのは、国による商品の差別化があり得るからだ
「伝統」には商品を際立たせる力がある
教訓―すべての人たちに選んでもらえないなら、選んでくれる集団を探そう
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『独自性の発見』ジャック・トラウト、スティーブ・リヴキン・著 海と月社
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4903212254
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◆目次◆
はじめに
1章 「多様な選択肢」という不幸
2章 「ありふれた商品」になる理由
3章 いまこそ「USP」を!
4章 困難だが、逃げれば惨敗
5章 「品質戦争」と「顧客志向」には要注意
6章 後悔しない広告戦略とは?
7章 「低価格」で独自性は出せない
8章 「品揃え」でも独自性は出せない
9章 差別化にいたるステップ
10章 差別化1「ポジショニング」と「フォーカス」の徹底
11章 差別化2「一番乗り」を射止める
12章 差別化3「特色」を模索する
13章 差別化4「業界リーダー」を「目指す
14章 差別化5「伝統」で勝負する
15章 差別化6「専門性」を磨く
16章 差別化7「みなに選ばれている」をアピールする
17章 差別化8「製法」にこだわる
18章 差別化9「最新」で差をつける
19章 差別化10「ホット」で注目を集める
20章 「成長」に潜むワナ
21章 「犠牲」を恐れるな!
22章 戦術は場所ごとに変える
23章 違いを維持するためのガイドライン
24章 クチコミの正しい活用法
25章 こんなことまで差別化できる
26章 優れたトップはどこが違う?
エピローグ
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