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『「事務ミス」をナメるな』中田亨・著 vol.2390


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【事務ミスを減らす方法】
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優秀なトレーダーが会社を潰すほどのミスをしたり、優秀な看護師が患者の取り違えをしたり、ホテルの従業員がお客様のプライバシーをうっかりTwitterでつぶやいたり…。

そこまで大げさではなくても、職場では、日々ヒューマンエラーが起こっており、それが企業業績に深刻な影響を及ぼしています。

とくに、Twitterによる情報漏洩など、凡ミスが取り返しのつかないミスに成り得る現在、凡ミスは絶対に防がなくてはならない重要課題になりました。

本日の一冊は、ヒューマンエラーの研究を専門とする著者が、職場の「事務ミス」をなくす方法を述べた一冊です。

著者によると、<「人間の知恵が働きすぎたため、その副作用で間違えた」というべき事例が、多く見受けられ>るそうで、どうやらミスを防ぐには、熟練するだけではダメなようです。

本書には、人間がどのような場合にミスをするか、例題を通して実感してもらい、その上で対処法を論じています。

友人が部屋に忘れた「青いカバン」のケースや、県庁所在地の話、「連言錯誤」の典型的ケースなど、確かに引っ掛かりそうな問題が並んでいます。

現在、会社の作業手順を見直している最中ですが、この本は、ミスをなくすだけでなく、作業手順を刷新する視点を提供してくれる、じつに有用な一冊です。

取り返しのつかないミスをする前に、信用を修復するコストを減らすために、ぜひ読んでおきたい一冊です。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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人間の頭は、意思とは関係なく、強制的かつ即時的に、情報の乱れを除去してしまうことがわかります。この能力が働きすぎると、「細かい異常には気付けない」という副作用をもたらします

【例題】
友人が部屋の中に青いカバンを置き忘れたとします。あなたがその部屋へ行って、青いカバンを見つけたら、忘れ物として友人のところへ持って行くことでしょう。これは正しいのでしょうか?

論理学的に慎重に考えてみると、「友人の忘れ物は青いカバン」ですが、「青いカバンならば友人の忘れ物」とは限らないのです

【例題】
群馬県の県庁所在地は、「タカサキ」でしょうか「タカザキ」でしょうか?

(中略)単に「群馬県の県庁所在地はタカサキですか?」とだけ尋ねられれば、もっと慎重に考えたことでしょう。実は、正解は「前橋」なのです

一旦こうに違いないと思い込んでしまうと、その後に着手する作業が、なまじ練習効果があるために、素早く徹底的に実行されてしまう

桁は多いが変化の少ない番号データは、雑に扱われるのが世の常です

【問題】
次のうち、最も可能性の高いケースはどれでしょうか?
A:容疑者Xは、生活費に困っていたため、空き巣に入った。
B:容疑者Xは、生活費に困っていた。
C:容疑者Xは、空き巣に入った。

(中略)連言とは「かつ」のことです。Aの正体は「BかつC」であり、連言で成り立っているものです。連言は可能性を下げるはずなのに、原因と結果が示唆するストーリーが妙に説得力を持ち、可能性が高く見えてしまうことを「連言錯誤」といいます

無用な区別は、それが「文化」になる前に改正するに越したことはありません

ミスが生じやすい仕事なら、いっそ廃止してしまえ

薬を手配する時に、薬品名だけを指示するのでは危険です。薬品名の前に補強用の情報も付け加えて、「強心剤の◯◯」というように、伝達しなければなりません。補強用の情報を付け加えることを「情報の複線化」といいます

取り違え事故を防ぎたいならば、混同してはならない物同士を、別々に隔てて作業する

事故経験に次いで教育効果があるのが、他人に仕事を教えること

劣悪なレイアウトが事務ミスを生んでいる

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『「事務ミス」をナメるな』中田亨・著
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◆目次◆

I 理論篇 なぜ人はミスをし続けるのか?
第1章 人は「有能」だからこそ間違える
第2章 間違えのメカニズム追究はきりがない
第3章 そもそも「間違い」とは何か?
第4章 時代が事務ミスを許さない!
II 実践篇 ミスはこう防ぐ
第5章 ミスの解決は、「6つの面」から考える
第6章 「気付かない」から事故になる
─ミスを防ぐ力その1「異常検知力」をつける
第7章 異変のはじまりはどこか?
─ミスを防ぐ力その2「異常源逆探知力」で復旧を容易にする
第8章 「ミスをしないこと」は目標になりえるか
─ミスを防ぐ力その3「作業確実実行力」とのつき合い方
第9章 御社の「手順」はムダだらけ
─ミスを防ぐ作業手順を組み立てる
第10章 氾濫する「ダメ書式レイアウト」
─書式を改良して事務ミスを防ぐ
第11章 「ミスに強い」組織に変える

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