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『大局観』羽生善治・著 vol.2407


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【年齢を重ねるほど磨かれる力】
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昔、中学で軟式テニスをやっていた時、自分より明らかにショットのパワーで見劣りする大人にどうしても勝てず、悔しい思いをした記憶があります。

どんなに序盤でポイントをリードしても、気がつけばポイントを取られ、試合の流れを持っていかれてしまうのです。

その時は、どうして負けるのかわかりませんでしたが、今ならはっきりとなぜかわかります。

そう、土井に欠けていたのはゲームの流れを読む「大局観」でした。

本日ご紹介する一冊は、この「大局観」を養う方法を、羽生善治さんがまとめたもの。

天才棋士が勝負の流れをどうとらえ、どう選択し、勝利につなげているのかを、詳しく学ぶことができます。

中身は、意思決定の話や、集中力を高める技術、創造性を高める技術などさまざまです。

意思決定で最大のパフォーマンスを出すにはどうしたらいいのか、勢いのある若手を制して勝利するために、40代以降求められるスキルとは何か。

ぜひ学んで、歳をとっても勝てる戦略を身につけてください。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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選択肢が多いことは、迷いにつながる

がむしゃらに読み込む力は、年齢が若い棋士が上だが、熟年になると、この「大局観」で逆に「読まない心境」となり、勝負の上で若い棋士とも互角に闘える

将棋には他力的な傾向がある。自分が一手指してしまうと、相手にすべての選択権が移り、そこで何をされるのかはまったく予想もできないし、セーブもかけられない。そういう他力の状況を受け入れ、諦めることが大切だと思っている

私は、新しい手を見つけたら、メジャータイトルを含む実際の対局で試すようにしている。練習で試すと、すぐに対策が立てられてしまう。新しい作戦をいきなり本番で試すのはリスクが高く、負けて一時的に勝率が落ちることもあるのだが、本番で試すリスクをおかさない限り、プロ棋士としての成長はない

大きなリスクを取るということは、スピードを出している状況と同じで、視野が狭くなる傾向がある。リスクばかりに焦点を当て、他の部分に注意が行き届かなくなってしまうわけだ。裏返せば、視野を広げるということは、それだけでリスクを軽減していることになる

現在の状況と、自分の状況認識の間に、少しでもズレがあると、そこから導かれる決断にもズレが生じる可能性が高くなってしまう

「隣の芝生は青い」ではないが、人間は、自分が選択しなかったことが実際より良く見えてしまう傾向がある

恐怖や不安が挑戦者をためらわせ、挑戦をやめさせたり、延期させたりする。武道のトレーニングの大きな目的は、技を鍛えることよりも、恐怖心を取り除くことにあるのではないか

なぜ、「可視化が難しいテーマ」が集中力のトレーニングとして良いのか。人間は、視覚からかなりの部分の情報を得ているので、可視化が容易なテーマなら、それほど苦労することもなく処理できる。だから、深い集中は必要ではない。その点、可視化が難しいテーマの処理には、深い集中が必要とされるのだ

何かに上達したいなら、「繰り返し」をすることがとても大切だ

情報や知識はしばしば創造に干渉する

「時代の先を読む眼」とは、表面的な出来事を見ることではなく、水面下で起きているさまざまな事象を注視すること

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『大局観』羽生善治・著 角川書店

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◆目次◆

第一章 大局観
第二章 練習と集中力
第三章 負けること
第四章 運・不運の捉え方
第五章 理論・セオリー・感情

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