2008年12月22日
【ハーバード流・人脈作りの5つのステップ】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4492043284
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本日の一冊は、ハーバード大学でMBAを取得後、ヘッドハンターとして活躍、ダボス会議では「Young Global Leaders 2007」に選出されたという著者が、「戦略的人脈作り」のノウハウを語った一冊です。
中軸となるのは、著者が説く「人脈スパイラル・モデル」の5つのステップで、
1.自分にタグをつける
2.コンテンツを作る
3.仲間を広げる
4.自分情報を流通させる
5.チャンスを積極的に取りに行く
の順にノウハウが展開されています。
「自分にタグをつける」というのは、土井が普段から主張しているプロフィール作りの重要性を説いたもので、さすが人脈で飯を食っているカリスマヘッドハンター、鋭い考察が光ります。
ある種ドライなビジネス人脈の要件や、「自薦より他薦」といった原理原則も、著者が人脈の本質を熟知していることがうかがえます。
また、ヘッドハンター的な見方で、人に認められるための条件を書いており、こちらは就職、転職、出世のノウハウとしても活用できます。
読んだ方の感想として「難しい内容」というのがあるようですが、コンサルタント的な本に慣れた人なら問題なく受け入れられるレベ
ルです。
個人的には、ゆるい人脈本よりも、これぐらい戦略的に書かれている方が、実践的で読み応えがあると思います。
ビジネスチャンスを引き寄せる「戦略的人脈作り」のために、ぜひ読んで欲しい一冊です。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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成功を収めた人によく聞いてみると「自分でもよくわからないが、なぜか抜擢をされるチャンスが到来し、そこで実績を作れたお陰で次のチャンスに恵まれた」という人がほとんど
もっと戦略的に「抜擢」を呼び込む努力をするべきではないでしょうか。その努力とは、能力開発と人脈構築です
相手は私の何を『貢献』と見なすのかを探す
「私はこれができます」という「自分目線」ではなく、「その事象に対し、自分はどのような貢献ができるか=あなたから見てもオトクでしょ」という「相手目線」の説明
自分の志向やスキルをタグにする人の場合には、本来は、自分の信念や使命感といったものとどこかで結びついていないと、説得力の弱いタグになってしまいます
◆ビジネス人脈の要件
・ギブ&テイクの関係が成立することを双方が認識している
・お互いへの期待値がどこかで合致している
・一定の期間限定の可能性もあり、関係の永続性を前提としない
◆タグの3要素
1.将来、どんな仕事をしたいか(Will)
2.自分にできることは、何か(Skill)
3.相手にどんなメリットをもたらすか(Value)
人はあなたの実力(できる)だけではなく、「可能性(できそう)」に着目する
多くの人は実際の成果物や成績の優劣よりも、逃げない姿勢や、失敗から学んだことを次に活かす能力に対して信頼を寄せてくれるもの
「実力」は、効率化だけでは手に入れることができません
◆仕事の縁(よすが)
・結局のところ、いまやっているこの仕事が好きだ
・この社長や上司なら、ついていける
・一緒に仕事をしている仲間となら困難にも立ち向かえる
勉強会や会合は、自分の仕事を外から見るきっかけにもなり、自分の仕事やキャリアを「メタ認知」できるというメリットもある
人脈は「レイヤーアップ」させなければ意味がない
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『抜擢される人の人脈力』東洋経済新報社 岡島悦子・著
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4492043284
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◆目次◆
第1部 なぜ今、「人脈」なのか?
第1章 ハーバードで学んだ人脈の哲学と人脈スパイラル・モデル
第2章 人脈のパラダイム・シフトに伴う戦略的人脈構築の必要性
第2部 人脈スパイラルと人脈レイヤー
STEP1 自分にタグをつける
STEP2 コンテンツを作る
STEP3 仲間を広げる
STEP4 自分情報を流通させる
STEP5 チャンスを積極的に取りに行く
第3部 人脈スパイラルモデルの先には何があるのか?
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2008年12月22日
【バブルの教訓】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478007926
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本日の一冊は、ベストセラーとなっている『大暴落1929』の後に書かれた、ガルブレイスによるバブル論。
※参考:『大暴落1929』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4822247015/
有名なチューリップバブルの話や、1987年の暴落など、前著に出ていない話も網羅しており、広く人間の投機的行為を論じています。
冒頭から驚かされるのは、「陶酔的熱病のエピソードは、それに参加している人々の意思によって、彼らを富ましている状況を正当化するために、守られ、支えられる」という指摘。
これはつまり、人間が欲にかられて投機行為に出た場合、他者の忠告など売れ入れる余地はない、ということ。
だからこそ、人々は同じ過ちをおかし続ける、というバブルの本質が、この一文からだけでも伝わってきます。
バブルが「てこ」の再発見により起こるということや、崩壊前には極度の楽観主義がはびこる、という点は類書と同じですが、秀逸だと思ったのは、「あらゆる投機的エピソードには、金融の手段または投資機会について一見新奇で大いに儲かりそうなことを発見して得意になるという面が常にある」という指摘。
新奇の儲け話やノウハウを求める風潮がいかに愚かか、考えさせられる話です。
知性を持って正しく「疑う」ために、読んでおきたい一冊です。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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陶酔的熱病のエピソードは、それに参加している人々の意思によって、彼らを富ましている状況を正当化するために、守られ、支えられる
投機は、商業もしくは金融の分野で何か一見新しいと思われるものに対して大衆的な想像力が定着する時に起こるものである
知性は金との結びつきに由来する。富が瓦解し消滅すると、彼は容赦ない罵倒を浴びた逃亡者となった
金融上の革新とは、いつものことながら、「てこ」の驚異が再発見されたこと
暴落が起こると、結局のところは、前には天才だと考えられていた人たちの精神的・道徳的なひどい欠陥が見つけ出され、そうした人たちは、忘却の彼方に沈むだけならまだましな方で、ひどい場合には、世間から誹謗されたり、投獄されたり、自殺したりした
ただ一つ見落とされていたのは、こうしたプロセスが逆の方向に動くとすればどうなるか、ということだった
株価が上昇するだろうとの期待によって株価は上昇したのであり、この期待から生まれる買いによって期待が実現された。こうした期待はやがて不可避的に逆転する
或る大きな災厄の記憶が消え、前回の狂気が何らか装いを変えて再来し、それが金融に関心を持つ人の心をとらえるに至る、というまでには通常二〇年を要する
暴落の前には金融の天才がいるということはウォール街の最も古い通則であり、今後もこの通則が再発見されることになるだろう
価値下落が起きる直前には、万事うまくいっているとの保証が殊のほか強い、ということをすべての人は気付かなければならない
現実には、唯一の矯正策は高度の懐疑主義である。すなわち、あまりに楽観ムードがあれば、それはおそらく愚かさの表れだと決めてかかるほどの懐疑主義、そしてまた、巨額な金の取得・利用・管理は知性とは無関係であると考えるほどの懐疑主義である
興奮したムードが市場に拡がったり、投資の見通しが楽観ムードに包まれるような時や、特別な先見の明に基づく独得の機会があるという主張がなされるような時には、良識あるすべての人は渦中に入らない方がよい。これは警戒すべき時なのだ
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『新版 バブルの物語』ダイヤモンド社 ジョン・K・ガルブレイス・著
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◆目次◆
訳者まえがき――新版に寄せて
日本版[一九九一年版]への序文
序言
1.投機のエピソード
2.投機に共通する要因
3.古典的なケース1 チューリップ狂、ジョン・ローとロワイヤル銀行
4.古典的なケース2 サウスシー・バブル
5.アメリカの伝統
6.一九二九年の大恐慌
7.再び一〇月がやって来た
8.教訓は歴史から
出典ノート
訳者あとがき[一九九一年版]
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2008年12月22日
【2009年は売りか、買いか?】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4894513269
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本日の一冊は、外資系金融機関でレバレッジ金融商品を設計した著者が、金融危機から資産を守る方法を指南した一冊。
金融商品設計に携わった著者が書いているだけに、どうやって現在のようなレバレッジ商品が生まれてきたのか、その説明がわかりやすい。今回のサブプライムローン問題の本質をとらえるのに重宝する内容です。
「金融業を基幹産業にすえるとは、早い話がアメリカに世界最大の賭場をつくるということ」
「賭場の胴元はお客さんの賭け金を巻き上げるのが仕事」
「歴史的に見ても、強者をいかに救い、同時に弱者の切り捨てをいかにうまく行うかということこそが、つねに政策判断の拠り所になってきた」
わかりやすい例えを用いながら、関係者の思惑が説かれているため、今後何が起こるのか、考える上でのヒントになります。
個人投資家が気づかない政治の動き、機関投資家の動きについてもコメントされており、じつに勉強になります。
どこで相場が反転するのか、今後チャンスがあるとすればそれはいつ、どんな銘柄なのか。
ヒントが欲しい方は、ぜひ読んでみてください。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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ヘッジファンドのアドバイザーでもあるグリーンスパンは、カジノ経済の旗振り役をはたした責任から、ふたたびアメリカ市場に大口投資家を呼び込むために、今後も含蓄に満ちた発言で、さまざまなサインを公然と送ってくるものと考えられます
日本株の売りの最大の理由は、じつは輸出がだめになるという投資家の判断ではありません。欧米の機関投資家がヘッジファンドの解約売り、為替差益で損失を少しでも取り戻すために日本株をいっせいに売り、現金化したことが原因です
わが国の生命保険会社が保有している日経平均の平均取得価格は、日本生命で7600円、明治生命で7400円とされています。この2社以外の平均取得価格は8000円台よりも上で、時価会計の緩和を行わなければ経営不安が生じる水準
ヘッジファンドの解約売りはまだまだ続くと予想されます。とすると、株価維持・押し上げ策後も、悪材料の出現とヘッジファンドの解約売り、さらにその動きに合わせた追撃の空売りによって、日経平均がさらに下げることを十分に想定しておかなければなりません
ミルケンは、多様なジャンク債を大量に集めてパッケージ化し、それを小分けにすることで、リスクを分散できることに気づきます。(中略)こうした手法が開発されたことで、銀行は信用度の低い融資先への債券をまとめてパッケージ化し、さらにそれを小口証券化して投資家へ販売するようになりました
サルコジ大統領の目指すところは、金融市場の復活であり、フランスへのアメリカ型金融立国モデルの導入といえそうです
08年の世界の排出権取引市場は、10兆円規模に拡大
もしドル安になれば、たちまち輸出企業の業績が悪化することになり、それが景気の停滞を招き、おそらくアメリカよりも一足先に、実体経済に深刻なダメージを受けることでしょう。ですから、日本がそうであるように、EUも、新興国も、誰一人としてドル安を望まないわけです。結果、アメリカよりも購買力の強い国が出てこない限り、変わらないのです
ボラティリティーの低下とともに株価が下落するときは、どこかで株価が反転したとしても、そこが大底ではない、もっと下がる可能性が高い、というサイン
金は、そもそもインフレヘッジを目的とする投資商品
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『100年に一度の金融危機から資産を守る方法』フォレスト出版 諸岡実麿・著
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◆目次◆
まえがき
プロローグ 金融危機は終わらない!しかし…
第1章 暴落するのはわかっていた!
―「100年に一度の金融危機」前後のグリーンスパンの動き
第2章 レバレッジ経済の恐怖―つまずいたアメリカの世界戦略
第3章 注目されるヨーロッパの世界戦略
―新しいシナリオを仕込む権力者たち
第4章 世界経済の「新しいシナリオ」
―形を変えた金融が支配する世界
第5章 オバマ新大統領の戦略―株価暴落はいつ止まるのか?
第6章 100年に一度の金融危機から資産を守る方法
―あなたの資産を守る・増やす方法
あとがき
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