2008年12月10日
【映画、音楽、出版…ヒット商品の儲けの仕組みは?】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4813230695
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本日の一冊は、出版・映像制作会社の取締役であり、税理士としても活躍する著者が、映画、音楽、出版それぞれのビジネスモデルと収益構造を明らかにした一冊。
ジブリ映画、オーシャンズ13、ハリー・ポッター、宇多田ヒカル『First Love』など、コンテンツ業界のさまざまな作品を「お金」という面で論じ、それぞれどれぐらい儲かったのか、どれぐらいの費用がかかっているのかを、ズバリ書いています。
本書のポイントは、それぞれの作品の成否をお金で論じながら、会計のポイントが学べてしまう点。
実務に沿った文脈で、固定費と変動費の違い、損益分岐点、限界利益の考え方を学べるのは、じつに有用。
電卓片手に計算しながら読んでいけば、会計センスが身につくという、ありそうでなかった一冊です。
また、それぞれの業界のビジネスモデルを学ぶことで、事業のリスクを減らす考え方や資産を有効活用する方法を学ぶこともできます。
コンテンツビジネスに関わる人はもちろん、そうでない人も、うんちく本として、また会計のトレーニング本として、ぜひ読んでみてください。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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(『オーシャンズ13』は)人数が増えているにもかかわらず、前作よりも製作費が下がっていた
実は、出演料はいろいろな要素で大きく変動する。たとえば、脚本。いい脚本には、安いギャラでも出演したいということがあり、アル
・パチーノ自身、ある雑誌インタビューで「脚本が悪いほど、ギャラが高い」と語っている
限界利益で固定費を全額回収できれば赤字にはならない
劇場上映から、DVD、そしてテレビ放映というように、それぞれの映し出す窓を移し、その窓ごとに最大の収入が出るよう時期をずらしながら順を追って公開する。これを「ウィンドー戦略」という
DVD、DVDレンタル、有料放送、無料放送、キャラクターグッズ、ゲーム化、出版化など、劇場でヒットすると、2次利用でもヒットするので大きな儲けとなる
興行収入だけで、リクープすることはめったにない。興行収入だけでは赤字になることの方が多いのである。そのため、2次利用による収入などによって、カバーして製作費を回収するわけだ
製作委員会とは、先にも触れたが映画へ実際に出資する会社のことだ。実質的に映画のリスクを負担する会社であり、興行会社や配給会社、テレビ局などがメンバー候補である。映画自体は赤字なのに、製作委員会のそれぞれの出資企業自体は黒字になるのである
JASRACが管理するのは、あくまで楽曲の著作権であり、それを歌う人の権利を扱っているわけではないのである。歌手や演奏家
などの実演家は、自分の演奏を録音する権利を持っており、レコード会社にその権利を売り渡すことで歌唱印税をもらうのだ
作詞家や作曲家などに代わって、徴収漏れのチェックや、楽曲の売り込みをしているのが音楽出版社だ。徴収した使用料の50%を手数料として受け取り、残りを作詞家や作曲家に分配するのが一般的
特に”ビジュアル”をウリにしているアーティストのライブであれば、生写真は最も割りがいいグッズ
◆『ホットペッパー』の収益構造
回収するためには、固定費合計9000万円÷限界利益61万円=147ページ分を埋めるだけの広告依頼を受注する必要がある(中略)500ページで発行していることからすると、大分余裕がある。かなり手堅い商売だ
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『あの映画は何人見れば儲かるのか?』 TAC出版 松尾里央・著
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4813230695
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◆目次◆
第1章 映画業界編1 『オーシャンズ13』の製作費を賄う損益分岐点
第2章 映画業界編2 “ジブリ映画”は何回も儲かる。マルチユース
第3章 映画業界編3 『猿の惑星』の舞台を砂漠に変更。リスク回避
第4章 映画業界編4 『続・冬のソナタ』の製作費を費用配分する
第5章 音楽業界編1 宇多田ヒカルはいくら手にした? 印税の計算
第6章 音楽業界編2 新人は大物と抱き合わせで。広告宣伝費の管理
第7章 音楽業界編3 ライブは儲かる? ハコモノビジネスとノルマ
第8章 出版業界編1 ベストセラーなのに倒産する謎。在庫リスク
第9章 出版業界編2 広告収入モデルのフリーペーパーで儲けるには
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2008年12月10日
【この読書法の是否は?】
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本日の一冊は、やっぱり出た、27万部ベストセラー『情報は1冊のノートにまとめなさい』の続編です。
※参考:『情報は1冊のノートにまとめなさい』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4901491768/
ベストセラー『フォーカス・リーディング』以来、主流になっている、じっくり系読書を標榜したもので、著者の選書方法、読書術、読書後のアウトプットと情報管理までを紹介しています。
※参考:『フォーカス・リーディング』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4569701620/
著者の読書フローをざっくり紹介すると、1.探書リスト作成、2.指名買い、3.マーキング、4.読書ノート作成、5.検索テキスト作成となっており、本書ではそれぞれのやり方を説明しています。
ただ、正直言うと、探書リストを作るのは時間のムダですし、読書は書籍の現物以外、すべてデジタル管理できるのに、あえてノートを作る意味がよくわかりません。
仕事の場合、作業フローに必ずアナログ要素が入ってくるため、前作のノウハウは有効だったと思いますが、読書でこれをやる意味が果たしてあったのでしょうか。
また、書店の使い方について、明らかにネットを使った方が便利なケースに書店を活用するといったコメントをしており、不自然な印象が残ります。
それと、仮にも情報やビジネスに携わる人間が、「ライターの名前まで把握する必要はないでしょう」と発信者軽視の姿勢を打ち出すのは、いかがかと思います。
あらかじめ書籍に付箋を貼っておく方法や、書店に置いてあるPR雑誌の活用、古典の入門書ガイドなどは参考になりますが、限られた時間で成果を上げることを要求されるビジネスマンの読書法としては、おすすめできません。
むしろ著者と同じ、文筆業の方にこそ、おすすめの読書法だと思います。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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本を確実に自分の中に落とし込み、インストールするためには、「読む」だけではなく、「探す」「買う」「活用する」という読書の流れ(フロー)全体を作り上げる必要がある
◆インストール・リーディング
探す:日常的な情報収集
買う:探書リストでの指名買い
読む:読書ノートの作成を見越した読書
記録する:読書ノート作りで体験化
活用する:読書ノートのデータベース化
本を探すとき、「タイトル」「著者」「出版社」がわかっていれば、格段に見つかりやすい
親書は著者名やタイトルがわかっていても、レーベル名がはっきりしない限り、どこの棚を見ればいいかわかりません(中略)逆に「レーベル名+通し番号」があれば、タイトルや著者名は不要
意外と忘れがちなのが、本屋のレジなどによく置いてあるPR雑誌です。講談社の『IN・POCKET』『本』、集英社の『青春と読書』、新潮社の『波』、筑摩書房の『ちくま』、ダイヤモンド社の『Kei』、光文社の『本が好き!』などは、よく見かける気がします
「探書リスト」のネタとして、僕がいちばん頼りにしているのは「本で紹介している本」です
アウトプットを前提とすることでインプットの能力がアップする
僕の読書ノートは少し変わっていて、「抜き書き+自分の感想」という組み合わせでできています
継続のコツは「適宜」と「随時」にあります
◆「ねぎま式読書ノート」
抜き書きには「●」、感想や補足説明などの自分の言葉には「☆」をそれぞれ付け、交互に書いていく。これだけです。焼き鳥の「ねぎま」のように、「引用」と「感想」がひとつ置きに出てくるわけです
自分の考えが覆された、認識が揺さぶられた箇所がもっとも抜き書きのしがいのあるところです
ライティングの技術を高めるためにも、「引用」を「自分の感想」と区別しておくようにします
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『読書は1冊のノートにまとめなさい』ナナ・コーポレート・コミュニケーション 奥野宣之・著
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4901491849
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◆目次◆
「読みっぱなし」は読んでいないのと一緒
第1章 「ノート」で読書をマネジメント
第2章 「探書リスト」で主体的・効率的に本を買う
第3章 「読書ノート」で本と対話する
第4章 ノートを活用して「アウトプット」
第5章 生活を変化させる「応用読書」
第6章 インストール「グッズ」
あとがき
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