2008年12月19日
【言葉を商業化した男】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4492556281
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本日の一冊は、ピンクレディー「UFO」、都はるみ「北の宿から」などのヒット曲を連発し、日本レコード大賞はじめ、数々の賞を総ナメにした天才作詞家、阿久悠を論じた本格評伝。
発売されたシングルの総売上枚数でも作詞家歴代1位にランクインされる、稀代の作詞家にしてマーケター。
本書は、その勝利の方程式と、ヒットが生まれた時代的背景、阿久悠の人となりに迫った一冊です。
飢えから解放された日本人が求めた「新種のみなし児」としてのアイドル、「望郷」ではなく、故郷を離れて旅をする「幾分か前のめりの女たち」を描くことの意味、美空ひばりから遠く離れて追求した世界観…。
直接マーケティングノウハウを説いた本ではありませんが、行間からクリエイターの精神と技術、そしてヒットの秘訣が学べる、そんな一冊に仕上がっています。
平成の時代にどんな言葉が売れるのか、それに関してはヒントのみを示したかっこうとなっていますが、読者がクリエイターであれば、本書からはいい刺激がもらえるに違いありません。
企画や言葉で勝負したい方に、おすすめの一冊です。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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彼は知っていた。飢えから解放された戦後日本社会にあって、「アイドル」という新種のみなし児たちを、時代が求めていたことを
ネガ(陰画)が、ポジ(陽画)に反転することで生じる言葉の商品価値、市場化可能性を、作詞家はここで最大限に引き出していた
演歌の詞にしても、彼がストレートに定番の「故郷」を歌にすることはまずなかった。それは『京都から博多まで』『北の宿から』『津軽海峡・冬景色』といったヒット曲を眺めれば一目瞭然であろう。それらに共通するのは、何らかの理由で旅をする女、故郷にしがみつくのではなく、そこを離れて北なり西を目指す、幾分か前のめりの女たちである
八〇年代のはじめから、最晩年まで二六年間にわたって書き継がれた「日記」は、彼の衰えを知らぬその企画力の源泉でもあった。一日の出来事を日記帳の一ページに収めるために、彼は「一人編集会議」と称する情報整理を連日連夜実践したのだ
「ぼくはもともと歌人間ではなく、どちらかというと活字人間であったり映像人間であったわけだから、常に歌から飛び出す意識を持っていた」(『なぜか売れなかったぼくの愛しい歌』)
つまり阿久悠的な歌の冒険とは、歌謡曲の定番が確固としてある限りでの、スリリングなそこからの「はみ出し」だった
阿久悠の離れ業は、ここで去ってゆく女の「怨念」や「情念」を見事に消し去ると同時に、その女の後ろ姿よりも、見送る男の前向きのやせ我慢を、より格好良く見せることに成功したことにある
美空ひばりから遠くはなれて――。まさにそれが阿久悠という作詞家の可能性の中心だった
その人に伝えるべき「飢餓」も「憧憬」も見失われた、のっぺらぼうの平成の世にふさわしい歌を、ついに彼は美しいメロディのつい
た一曲として、世に送り出すことがなかったのである
敗戦後の日本は、その反動として、極端な「私」化に走り、個々人のエゴイズムを超えた普遍的な価値というものを貶める風潮を蔓延させてしまった
徹底して自己中心的なユーミンの世界は、果てしなく生成し続ける”みなし児の歌”を本質としている。それをスペクタクルのスケー
ルに拡大してみせたのが、松任谷由実の世界だったのだ
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『ヒットメーカーの寿命 阿久悠に見る可能性と限界』東洋経済新報社 高澤秀次・著
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◆目次◆
はじめに
第一章 ヒットメーカー阿久悠の軌跡
第二章 「反転」の発想法
第三章 パロディを多用する意味
第四章 何が「阿久悠」を生み出したのか
第五章 阿久悠が「歌詞」を書けなくなるまで
第六章 阿久悠亡きあと――平成という「私」語りの時代
おわりに
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2008年12月19日
【古今東西の名言から仕事の心構えを学ぶ】
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未曾有の大不況、リストラの嵐…。連日暗いニュースが続く昨今、ぜひみなさんに読んでいただきたい一冊が登場しました。
その本は、ベストセラーとなった『働く理由 99の名言に学ぶシゴト論。』の待望の続編。
※参考:『働く理由 99の名言に学ぶシゴト論。』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4887595654/
雇用すら危ぶまれる時に、働く理由なんて考えてられないよ! という向きもあるかもしれませんが、そんな方にこそ読んでいただきたい。
なぜなら本書には、仕事で成果を出すための覚悟やビジョン、独創性、行動力の源となる考え方が示されているからです。
巷ではさまざまなノウハウ書が売られ、ベストセラーになっていますが、人間が仕事で成果を出す秘訣は、結局のところ他者にない勇気や情熱や工夫、忍耐だったりします。
やる気のない従業員に、安易な首切りを行う無責任な経営者。これでは、経済が良くなるはずがありません。
本書の著者も、われわれの甘えを許してはくれないようで、こんな苦言を呈しています。
「もしもあなたが『働くことはお金を稼ぐ手段にすぎず、会社はお金を稼ぐ場にすぎない』と考えるならば、会社の経営者が『会社はお金を稼ぎ出す装置にすぎず、従業員はお金を稼ぐための道具にすぎない』と考えることを認めなければいけない」
不況の現在、責任を人に転嫁する人が増えるのはわかりますが、本当に大切なのは、全体の繁栄のため、一人一人が自分の職分を果たすこと。
それによって、自分にもチャンスが巡ってくるのです。
こんなご時世だからこそ、本書に登場する偉人たちの名言を読んで、やる気を出してほしい。
そんな思いを込めて、本書をおすすめします。ぜひ読んでみてください。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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「興味がない!」という言葉を軽々しく使ってはいけない。それは、単に「知らないから興味がない」だけのことのほうが多いからだ
既存の要素を新しい一つの組み合わせに導く才能は、事物の関連性をみつけ出す才能に依存するところが大きい
独創は組み合わせにある。独創は”あいだ”にある。Aだけではありきたりかもしれない。しかしA×Bならばありきたり度は薄まる。A×B×Cならばもっとそれは薄まる。あなたは何と何を組み合わせるのか。あなたはどういう方法でそれらを組み合わせるのか
映画監督になりたいという人がいるが、その考えは間違っている。何かになりたいというのは、有名になりたい、人から認められたいという気持ちの表れにすぎない。大事なのは、映画をつくりたいと心から思うことだ。(ジャン=ピエール・ジュネ 映画監督)
才能とは継続する情熱である(モーパッサン)
独創的なことがしたいのなら、まずは模倣から入るしかない
われわれは、どちらかといえば、幸福になるためよりも幸福だと人に思わせるために、四苦八苦しているのである。(ラ・ロシュフコー)
われわれは、安逸と贅沢が得られなければ人生の幸福はあり得ない、と考えているが、実際に人を真に幸福にするものは、何か我を忘れて取り組める事柄を持つことである。(チャールズ・キングズリ 牧師)
不安がゼロであれが希望もゼロである。どちらも、予測不可能な未来について語るときに使う言葉だからだ
女房は亭主の着物を造ることを通じて亭主と附合つてゐたのだ。それでは女房だけが損をしたのか。そんなことはない。亭主はそれを着ることで女房と附合つてゐたのだ。造る側が損をして、着る側が得をするといふのは、消費が目的で生産が手段といふ今の考へ方である(福田恆存 戯作家、文芸評論家)
ハプニングを楽しむ余裕を持つ
忍耐は希望を持つための技術である(ヴォーヴナルグ 哲学者)
関係とは行為である。自分以外の誰かあるいは自分以外の何かから刺激を受け、それに反応していくこと――そのプロセスが自分である
やりたいことを職業名でしか答えられない人よりも、やりたいことを<職業名>と<テーマ>と<世界観>のセットで言える人のほうが、志望理由がより強固である
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『続・働く理由 99の至言に学ぶジンセイ論。』ディスカヴァー・トゥエンティワン 戸田智弘・著
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4887596758
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◆目次◆
はじめに
01 ニーチェ
1.可能性を見つける
2.「やりたいこと」と「できること」
3.自分の価値観を知る
4.仕事で自分を表現する
5.幸福 vs 成功
6.仕事 vs 労働
7.迷う力、決める力
8.挑戦する力、持続する力、適応する力
9.良い自分探し VS 悪い自分探し
10.自分探しと”世界探し”
11.豊かさのパラドックス
12.人生の意味
13. 生きるとは自分の物語をつくること
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