2011年9月22日
【大前研一が唱えるこれからのリーダー論】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4098251183
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本日の一冊は、大前研一さんの『SAPIO』の連載『「人間力」の時代』からの抜粋、および『週刊ポスト』の連載『「ビジネス新大陸」の歩き方』を、大幅加筆・修正した一冊。
『「リーダーの条件」が変わった』といっても、触れられているのは企業のリーダーより政治リーダーの話が多く、またトピックも、国際政治の話や、今回の震災を始めとしたリスクマネジメントの話が多くなっています。
ただ、掲げられたリーダー像や、お手本として出てくる各国のリーダーの話は、参考になる部分が多く、政治家はもちろん、経営者にとっても、重要な示唆を与えてくれています。
「未曾有の危機に際しては、復旧や調整という発想ではなく、大胆に新しいものを生み出すくらいのオプションを考えて真に有効な対策を打ち出す」という話や、緊急事態に備える「ビジネス・コンティニュイティ・プラン(BCP/事業継続計画)」の話、さらには「システムに“揺らぎ”を作り、数年ごとにインセンティブを付け直さなければならない」という話など。
通常のビジネス書にはあまり出てこないマネジメントのポイントが示されており、じつに参考になりました。
そして、個人的に感銘を受けたのは、メドベージェフ大統領の外交手腕と交渉力。
一国のセールスマンとして、結果を出すために飛び回る氏の姿勢に、リーダーの一つのモデルを見た気がしました。
日本の政治家批判は読んでいて気分のいいものではありませんが、これからのリーダーシップのあり方を考えるきっかけとして、良い一冊だと思います。
ぜひ読んでみてください。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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想定外の危機に直面しているのに、いつもと同じ側近の社員に頼っているような経営者ではダメ
ウォルマートやGE(ゼネラル・エレクトリック)といった一流企業で、イラクやアフガニスタンで駐留経験がある若手将校の採用を重視する傾向がある。逆に、これまで引く手あまただった一流大学の学生は、エリート意識が高くてリスクを取りたがらないということで、敬遠されるようになってきている
未曾有の危機に際しては、復旧や調整という発想ではなく、大胆に新しいものを生み出すくらいのオプションを考えて真に有効な対策を打ち出す。それが有事のリーダーの役割
企業はそういう緊急事態に備え、事業の中断によるロスを最小限に食い止めるための「ビジネス・コンティニュイティ・プラン(BCP/事業継続計画)」や「コンティンジェンシー・プラン(不測事態対応計画)」を策定しておかねばならない。具体的には「バックアップシステムの整備」「バックアップオフィスの確保」「社員の迅速な安否確認」「指揮・命令系統の確認」「要員確保」「顧客流出対策」「本部機能の移転」などである
いついかなる時も、自分が預かっている組織や集団のダメージを最小・最低にするための方向性を示し、判断を下す。それがリーダーの役割
海外にはタンデム体制やトロイカ体制でうまく回っている国が多い
指で数えられるくらいの部下を率いる最前線のリーダーは「率先垂範」でないといけない。まず自分が行動して成果を上げることで部下を鼓舞し、個々の実力をフルに引き出していくのである
システムを構築する時に念頭に置かねばならないのは「人は必ず嘘をつく」ということ(性悪説)である
組織を動かすリーダーはシステムに“揺らぎ”を作り、数年ごとにインセンティブを付け直さなければならない
メドベージェフ大統領の外交手腕、交渉力を見ていると、「人間力」や「リーダーシップ」とはこういうものだ、と思う。つまり「結果を出す」ということである
「強いリーダー」は強い反対意見の中から生まれる
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『「リーダーの条件」が変わった』大前研一・著 小学館
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4098251183
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◆目次◆
はじめに ──能力なきリーダーしかいない日本の不幸
第1章<現状認識> 東日本大震災でわかった「危機に克つリーダー」の条件
第2章<対策> 組織を元気にするリーダーシップの育て方
第3章<比較研究> 日本が学ぶべき世界のリーダーシップ
第4章<提言> 私が「リーダー」だったら日本の諸課題をこう乗り越える
おわりに ──「強いリーダー」は強い反対意見の中から生まれる
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