2011年1月23日
【神様コトラーが説くマーケティング3.0】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4023308390
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本日の一冊は、フィリップ・コトラーと、インドネシアのコンサルティング会社、マークプラス社の2人が書いた、マーケティングの新コンセプト。
製品中心のマーケティングを1.0、消費者志向のマーケティングを2.0と定義し、より大きなビジョンやミッションを持ち、グローバルな社会貢献を目指すマーケティング3.0を提唱しています。
正直、最初この本をちらっと読んだ時には、「要はまっとうな経営のあり方を『マーケティング3.0』と言い換えただけのもの」という印象が拭えなかったのですが、自著の発売を通じ、SNSで読者とやり取りするなかで、本書の言わんとすることが、わかってきました。
つまり、これからのマーケティングは、消費者や取引先、従業員との相互作用のなかからしか生まれてこないということ。
これは、企業にとってブランドを維持することがこれまでとは比べものにならないくらい難しくなったことを意味しています。
一方で、明確なミッションを持ち、その実現のために誠実な努力を重ねている企業にとっては、これまで以上にやりやすい環境が整ったと言えるでしょう。
これからの時代、消費者は企業にとってパートナーであり、競争相手は市場の共創相手。
かかわるすべての人を幸福にし、発展させるために何をすればいいか、本書は示してくれているのです。
もちろん、抽象的な議論が多く、トレンドの寄せ集め的な印象は否めないのですが、それでもこれからのマーケティングを考える上で、いいきっかけになることは間違いありません。
土井同様、何となく気乗りがしなかった方も、SNSが盛り上がっている今読めば、その意義が感じられるはず。
あまりマーケティングに詳しくない方にとっては、マーケティングの歴史と代表的な理論を簡単にまとめてくれている点で、重宝する一冊だと思います。
ぜひ読んでみてください。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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ニューウェーブの技術は、個人や集団が互いにつながったり交流したりすることを可能にする技術であり、三つの大きな要素で構成されている。安価なコンピューターや携帯電話、低コストのインターネット、それにオープンソースである。この技術は個人が自己を表現することや他の人びとと協働することを可能にする
今日のマーケターは、もはや自社のブランドを完全にコントロールすることはできない。今では消費者の集合知の力と競争しなければならないのだ
オープン・イノベーション・プログラムは、世界中の起業家や供給業者で構成されるP&Gのネットワークを生かして、斬新で革新的な製品のアイデアを提供してもらうことをめざしている。P&Gの売り上げの三五パーセント前後が、このプログラムの恩恵を受けている
破壊的イノベーションは往々にして低所得市場で起きる
意味を提供することが、マーケティングにおける未来の価値提案である
皆がマーケターであり、皆が消費者なのだ
マーケティング3.0では、マーケティングはブランドとポジショニングと差別化のバランスのとれた三角形として定義し直される必要がある。この三角形を完全なものにするために、われわれは「3i」というコンセプトを打ち出している。brand identity(ブランド・アイデンティティ)、brand integrity(ブランド・インテグリティ)、brand image(ブランド・イメージ)の三つである
成功している企業は金銭的利益から出発して計画を立てるようなことはしないと、ドラッカーは主張した
ブランドがいったん成功したら、当該ブランドはもう企業のものではなくなる
◆『Made to Stick』で語られたストーリー・プロットの3タイプ
1.チャレンジ型 2.コネクション型 3.クリエイティブ型
最高の販売員は、自分の販売している製品を自分自身が使っており、その製品のことを隅から隅まで知っている
成功の大きな要因のひとつは、貧しい人びとへのアクセスを拡大する努力にある
貧しい消費者は価格が安ければどんなものにでも飛びつくというわけではない。信頼されているブランドを高く評価するのである
企業はパッケージングについても創造性を発揮する必要がある。とるべき戦略は製品のアンバンドリング(ばらばらに分けて販売する手法)である。可処分所得が少ないため、消費者が一度に購入できる量が限られている場合には、製品やサービスを手ごろな価格のパッケージにして提供することがきわめて重要になる
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『コトラーのマーケティング3.0』フィリップ・コトラー、ヘルマワン・カルタジャヤ、イワン・セティアワン・著 朝日新聞出版
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4023308390
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◆目次◆
第1章 マーケティング3.0へようこそ
第2章 マーケティング3.0の将来モデル
第3章 消費者に対するミッションのマーケティング
第4章 社員に対する価値のマーケティング
第5章 チャネル・パートナーに対する価値のマーケティング
第6章 株主に対するビジョンのマーケティング
第7章 社会文化的変化の創出
第8章 新興市場における起業家の創造
第9章 環境の持続可能性に対する取り組み
第10章 まとめ
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