2011年1月8日
【起業家のためのお金の話】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4534047576
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最近は、寒い日が続きますね。
寒い時には温かいもの、暑い時には冷たいもの。つねに反対が欲しくなるのが人情というもの。
本書は、起業という、ともすれば精神的になりがちなテーマを、ファイナンスという現実的な切り口で論じ、かつファイナンスの話なのに情熱的という、絶妙なバランスを実現している本です。
土井がこれまでに読んだ起業家向けの実用書のなかでは、ガイ・カワサキの『完全網羅 起業成功マニュアル』や『経営のやってはい
けない!』などが実用的ですが、本書はそれらに勝るとも劣らない実践的な内容。
※参考:『完全網羅 起業成功マニュアル』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4903212122
※参考:『経営のやってはいけない!』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4844371126
なかでも、上場を目指す起業家への資本政策のアドバイスは、じつに具体的かつ網羅的で、これ以上の入門書はないと言っていいかもしれません。
出資を受ける際の注意点や、金銭的に有利な法人化のタイミング、事業計画の作り方、ストックオプションの活用、企業価値評価まで、じつにさまざまなトピックを、過不足なく押さえています。
もちろん、上場する際にはもっと詳しい本を参照する必要がありますが、起業家が教養として知っておくには、これで十分だと思います。
また、読者が上場を目指さない場合でも、資本構成の話や、税務の話は参考になるはず。
起業を目指す方、全員におすすめしたい一冊です。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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不況時に起業した会社はうまくいく
金融というのは「お金が帰ってきてナンボ」
本当に成功するベンチャー企業はわずかでも、ベンチャー企業が既存企業にアタックをかけるような社会にすることこそが、日本の成長戦略に寄与するはず
イノベーティブなことをやる場合に、銀行からの借入をあてにしてしまってはいけません
◆未上場企業に投資をして株式をEXITし、キャピタルゲインを得る方法
1.会社を証券取引所に上場する
2.会社がバイアウトされる
3.その他の株式の売却
ベンチャー企業が上場するためには、ベンチャー企業の会計を監査法人に監査してもらう必要があります。上場するためには、2期分の監査証明が必要
上場する会社は、株主が数千人以上になりますので、株主名簿を自分で管理するのではなく「株主名簿管理人」を置かないといけません
証券印刷会社は、「Iの部」や「有価証券届出書」「目論見書」など、財務局に提出したり投資家に配ったりする非常に分厚い資料を専門的にチェック
成長性等に問題がないビジネスモデルか、財務諸表をきちっと作っているか(会計監査)や、法令や規則を遵守しているか(取締役会の監督状況や監査役監査などのコーポレートガバナンス、内部統制、内部監査室の内部監査の状況、弁護士のデューデリ等)などが基本ですが、今どきは、反社会的勢力・反市場的勢力(「反社」「反市」)が会社に関与していないかどうかのチェックも非常に厳格に行われます。特別利害関係者として、役員の二等親以内の親族の氏名・住所などを提出したり、株主や株主の関係者も徹底的にチェックされます。そうした中に暴力団関係者などが混ざっていると、上場審査ではねられることになります
基本的に、素性のよくわからない人を株主や取引先にしてはいけません
実務上重要になるのが、「説明コスト」です
資本金というのは、本来「債権者が資金を回収しやすくするためのバッファ」です。資本金が大きいほど、配当できない財産が会社に多く残るので、資本金が大きいということは債権者には有利ですが、株主には直接メリットではありません
外部の株主に50%超を持たれていても、会社の創業者などが3分の1超を持っていれば、たとえ取締役は続けられないことになったとしても、株主として社名変更や増資や合併などに対する拒否権はある
(ストックオプションは)概ね、上場時に発行済株式数の10%以内に収まるようにしておけば、大きな問題にならない
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『起業のファイナンス』磯崎哲也・著 日本実業出版社
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4534047576
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◆目次◆
序 章 なぜ今「ベンチャー」なのか?
第1章 ベンチャーファイナンスの全体像
第2章 会社の始め方
第3章 事業計画の作り方
第4章 企業価値とは何か
第5章 ストックオプションを活用する
第6章 資本政策の作り方
第7章 投資契約と投資家との交渉
第8章 種類株式のすすめ
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