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『キュレーションの時代』佐々木俊尚・著 vol.2424


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【余震が続いていますが、頑張りましょう。】
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3月11日、14時50分頃、土井のオフィスがある新宿でも、震度5くらいの大きな揺れを感じました。

土井は小学校の頃、日本海中部地震を経験していますが、その時の悪夢を思い出すような大きな地震でした。

オフィスは最上階ということもあり、揺れが激しく、本棚は倒壊、なかにあった本も次々と飛び出し、オフィスの復旧はしばらく時間がかかりそうです。

幸いだったのは、パソコンや通信関係のダメージが少なかったこと。

会社専用のiPhoneも救い出し、何とかお客様とも連絡が取れる状態になりました。

ツイッター経由で知人の安否に関する情報が次々と寄せられていますが、宮城・福島の被害は本当に深刻なようです。

読者のみなさまのご無事を、心からお祈りいたしております。

こんな状況ではございますが、本日も一冊だけ、ご紹介。

佐々木俊尚さんのひさびさの書き下ろしということで注目されている、『キュレーションの時代』です。

通常、キュレーターというと美術館・博物館の「学芸員」のことですが、本書でいうキュレーターは、「視座」を提供する人のこと。そして「キュレーション」は、キュレーターが行う「視座の提供」です。

ネットの世界では、この「キュレーター」が持つ視座を人々が共有しながら、多様性を増して行く。

「コンテンツが王」である時代が終わり、それにコンテクストを付与する人の力が増してくる。

著者は、まさにそんな世界観を描き出しているのです。

土井が興味をひかれたのは、この「キュレーター」が、アウトサイダーアートを見出すという役割。

土井もビジネス書の専門家として、自分の役割をはっきりと認識することができました。

ネットに詳しい方にとっては、既知の内容も多いかと思いますが、読んでおいて決して損はない論考だと思います。

これからの情報化社会の行方を見定めるために、ぜひ読んでおきたい一冊です。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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HMVの棚は、だんだんと変質していってしまいます。洗練された店作りを狙うようになり、手書きのポップは印刷された解説ポップへとかわり、それらのポップは全国のHMVで共有されるようになりました。そしてポップや看板は、パッケージ化された広告としてレーベルに販売されるようになります(中略)その結果は―。HMVの店はどこもものすごい勢いで画一化され、それまで個人のバイヤーたちが持っていた個性はどんどん失われていきました

マス消費が消滅し、新たなビオトープが無数に生まれてきている情報圏域においては、情報の流れかたは決定的に変わります。それは人から人へと、人のつながりを介してしか流れない

記号的な価値にはだんだん意味がなくなっていくのであれば、クルマは単なる「人を運ぶための移動の道具」として買えばいい

かつてのような息苦しさは消え、逃走願望は消えてなくなり、風通しが良く、まるで風の吹き抜ける荒野にひとり立たされているような関係性へと変わってきたということです。しかしこの関係性の変容が、人々を不安に陥れているのも事実です

承認と接続のツールとしての、消費。そしてその承認と接続は、お互いが共鳴できるという土台があってこそ成り立っていく。この「共鳴できる」「共感できる」という土台こそが、実はコンテキストにほかならない

マスメディアの衰退とともに記号消費は消滅していき、二十一世紀は「機能消費」と「つながり消費」に二分された新しい世界が幕を開けるのです

クラウドとシェアによって生まれてきているシンプルな生活は実は現代の「清貧」を実現しつつあるのかもしれない

商品の消費から、「行為」や「場」の消費へ

チェックインはプライバシー不安を解消する

ライフログのようなアプローチでは、どうしても「自分の知らない世界」にたどり着くことができません。アマゾンでお買い物をしていると、アマゾンはつねにあなたの購買履歴だけを手がかりに「この商品はどうですか」と薦めてくる

コンテンツと、コンテキスト。その両方の要素があってこそ、私たちはコンテンツをさらに深く豊かに愛することができる

キュレーターはアウトサイダーアートを見いだす

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『キュレーションの時代』佐々木俊尚・著 筑摩書房
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◆目次◆

プロローグ ジョゼフ・ヨアキムの物語
第一章 無数のビオトープが生まれている
第二章 背伸び記号消費の終焉
第三章 「視座にチェックインする」という新たなパラダイム
第四章 キュレーションの時代
第五章 私たちはグローバルな世界とつながっていく

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