2007年8月16日
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本日の一冊は、モルガン銀行時代、東京屈指のディーラーとして世界に名を轟かせた「伝説のディーラー」、藤巻健史さんが、経済の基本理論と今後の日本経済の動向、そこでどうやって資産を運用すればいいのか、をまとめた一冊。
難しい理論を講義風にわかりやすく説明したのが功を奏し、既にベストセラーとなっています。
為替、債券、不動産投資、株投資の実際が裏事情も含めて語られており、極めて興味深い論考です。
著者も認めているとおり、ポジショントークも入っていますが、大
まかな見方は参考にしていいのではないでしょうか。
もちろん、投資はあくまでタイミングや運、人間にはコントロール
できない外部要因なども影響するため、著者の言うとおりになると
は限りません。
とはいえ、投資のゲームに参加する以上、参加者の利害関係や性格、
フトコロ状態は知っておくに越したことはありません。
その意味で、日本銀行やヘッジファンドなどの裏事情を語った本書
は、投資家必読の一冊と言っていいでしょう。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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最近、私がインフレ気味の資産ポートフォリオをつくっているとい
う背景は、そこにあるのです。お金がどんどん刷られている、お金
の価値が下がればモノの値段が上がっていくんじゃないか、という
ことを考えているわけです
お金の量は時々刻々と変化します。中央銀行が刷りたければいくら
でも刷れるし、刷りたくなければ回収して、もう刷らないというこ
ともできるからなのです。中央銀行の意図で、臨機応変にお金が増
えたり減ったりするのです
日本のGDPは500兆円ですけど、家計の金融資産は1550兆円と言われています。日本の場合、その約半分ちょっと(51.4%)が、現金、もしくは現金に準ずる預金です。先進国でこんなに現金とか銀行預金にお金を集中させている国民は、日本人の他にいない
バブルの時には、インフレだったから景気が良かったわけではなく
て、資産の価格、ストックの価格が上がっていたからこそ景気が良
かったのです
◆インフレになると有利な人
・借金をしている人
・株とか土地を持っている人
・外貨を持っている人
私のポートフォリオは、長期固定でお金を借りる、そのお金で土地
を買っている、株を買っている、外貨建て商品を買っている。つま
りインフレが来たら儲かるポートフォリオなんです
円で消費する人が大変だということは、円で生産する人にとっては
望ましいということになるのです。熱海の旅館は円製品なのです
穏やかな資産インフレであろうとハイパーインフレであろうと、現
金や銀行預金のみで資産運用をするのは、今後は危険
金利が上がると判断すれば、儲けるチャンスもたくさんあります。
債券先物を売るという手法です。もしくは金利スワップで固定金利
の支払いという方法があります
先物を買いたい人が増えるということは、直物マーケットの買いが
増えるということなのです
全国津々浦々、土地の値段が上がるわけではなくて、やはり地方都
市も人が集まるところだけが上がっていく
長い目で近代の歴史をふりかえってみると、デフレの時代もありま
したが消費者物価はかなり上がっています。それにヘッジできた人
は株とか土地を持っていた人だけなのです
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『マネーはこう動く』
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┃▼目次▼
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┃ はじめに
┃ 1章 マネーはもうジャブジャブだ
┃ 2章 マネーはどこに消えたのか?
┃ 3章 経済政策には何があるか?
┃ 4章 日本の財政はいかに悪いか
┃ 5章 長期金利は今後上がるか下がるか?
┃ 6章 為替はどうなるか?
┃ 7章 不動産マーケット
┃ 8章 株のマーケット
┃ 9章 いま世界経済はどうなっているのか?
┃ 10章 今後の日本はどうなるか?
┃ あとがき
┃ 付録「健太の質問」
┃
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