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『ゲームニクスとは何か』


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本日の一冊は、ゲームクリエイターであり、「ゲームニクス理論」の研究者、サイトウ・アキヒロさんが、ゲーム業界の知恵をモノづくりに生かす方法を説いた一冊。

タイトルにもなっている「ゲームニクス理論」とは、「テレビゲームを”科学”することで、ゲームに隠されている『人を夢中にさせる』ノウハウを抽出して理論体系化したもの」。

この理論を応用すれば、他の分野でも、大ヒット商品が作れる、というわけです。

確かに言われてみれば、日本のテレビゲームには他の製造業が学ぶ
べき点が多数あります。

そのなかでも最たるものは、本書で「2つの不文律」としてまとめ
られている要素でしょう。

それは、「誰でも、取扱説明書を読むことなく、ゲームが始められ
る」ことと、「誰でも、遊んでいるうちに、ゲームにハマってしま
い、ゲームが上手くなっていく」ことです。

本書では、このような理想のモノづくりを行うために、ゲーム業界
がどんな工夫をしているか、詳しく分析されています。

ここで示されている考え方は、ゲームに限らず、家電、書籍、セミ
ナーなど、ありとあらゆる分野で応用できると思います。

読んでいてやや冗長な部分もありますが、内容は参考になります。
ぜひ読んでみてください。

なお、ヒューマンインターフェイスに関しては、『誰のためのデザ
イン?』という名著がありますので、こちらも参考にしてみてください。

※参考:『誰のためのデザイン?』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/478850362X

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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日本のテレビゲームには2つの不文律が存在します。1つは「誰で
も、取扱説明書を読むことなく、ゲームが始められる」。もう1つ
は「誰でも、遊んでいるうちに、ゲームにハマってしまい、ゲーム
が上手くなっていく」というものです

使い勝手がおざなりになった状態はそのままに、送り手(=メーカ
ー)が一方的に多機能化させたことが、受け手(=ユーザー)にと
って「分かりにくい」「使いにくい」というストレス状況を生んで
しまっている

人を夢中にさせるゲーム作りの要素として、「ストレス」は重要で
す。プレイヤーにある種のストレスを与えながらも、それを乗り越
えた先に快感が待っていると感じてもらい、それを乗り越えたいと
思わせるという「ストレスと快感のバランス」が、ゲームを作るう
えで一番大切なポイントとなっているからです

良い操作性というものは「触っているということを意識させない」、
もっといえば「触って気持ちよい」というもの

◆ゲームニクスの4原則
1.直感的なユーザー・インターフェイス(=使いやすさの追求)
2.マニュアルなしでルールを理解してもらう(=何をすればいい
  のか迷わない仕組み)
3.はまる演出と段階的な学習効果(=熱中させる工夫)
4.ゲームの外部化(=現実とリンクさせて、リアルに感じさせる)

戦闘シーンは派手でおもしろいけど、そればかりでは単調です。探
索シーンも知的好奇心をかきたてますが、地味な点は否めません。
ところが「戦闘」と「探索」を交互に繰り返すことで、ゲームにメ
リハリがつき、飽きにくくなるのです

「中目標」に関しては、プレイヤーが自分で設定するように仕組む
のです。「次はこれをしよう」と自発的に考えてもらうのがミソで
す。これによって、何をしたらいいか迷うことなく、いかにもすべ
て自分で立てた目標に向かって進んでいるかのような感覚を持って
もらうのです

プレイヤーが求めているのは、現実そのままのリアル感ではありま
せん。現実をうまく抽象化し、誇張することで、”現実よりもリア
ル”な「超リアル」感を演出できるということが、大きなポイント

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『ゲームニクスとは何か』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/434498045X
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┃▼目次▼
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┃ はじめに ゲームニクスとは何か
┃ 第一章 なぜ、子供は食事を忘れるほどゲームに夢中になるのか?
┃ 第二章 ゲームニクス理論 総論
┃ 第三章 ”任天堂一人勝ち”から分かること
┃ 第四章 iPod、グーグル、ミクシィ……本当のヒットの理由は?
┃ 第五章 ゲームニクスが医療・福祉・教育分野を救う
┃ 第六章 ゲームニクスが日本の未来を明るくする
┃ おわりに 日本のもてなしの文化を見直すこと
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