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『経営のコツここなりと気づいた価値は百万両』 松下幸之助・著 vol.2460


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【経営者だからこそわかる一冊】
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最近、震災の影響で家にいる時間が長くなったせいか、家の本棚にある、過去に読んだ本に目が行くようになりました。

そのなかで本日は、サラリーマン時代には価値がわからなかったけれど、経営者になって初めて意味がわかった、そんな本をご紹介します。

ご紹介するのは、松下幸之助「心得帖」シリーズの一冊で、『経営のコツここなりと気づいた価値は百万両』。

現場で実践的なノウハウを求めるビジネスマンにはピンと来ないものでも、経営者になると心に染みる言葉というのがあります。

本書は、まさにそんな言葉が散りばめられた一冊です。

どうして人が育たないのか。それは、社長に使命感が欠けているから。

どうして社員が動かないのか。それは、社長が一心不乱な姿を見せていないから。

どうして番頭が自分を信頼してくれないのか。それは、自分から進んで尋ねないから。

どうしてかつての功労者を辞めさせられないのか。それは社長が会社は社会の公器だということを忘れているから。

経営者が悩む、およそすべての答えが厳しくかつ明快に書かれており、読んでいて、とても清々しい気持ちになりました。

そして極めつけは、「眠れなかったり、煩悶したりしている姿こそ社長の姿で、そこに社長としての生きがいがある」という言葉。

苦しさから逃れてはいけない。むしろそれを楽しむこと。

「経営の神様」から、とてもいいヒントをいただきました。

経営者だからこそ、わかる本がある。

本書は、そんな本のうちのひとつだと思います。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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売れないときには無理に売ろうとせずひと休みする。そしてまた売れるようになれば懸命につくる。そういうごく当たり前のこと、平凡なことが、雨が降れば傘をさすということであり、それを着実に力強く実践していくならば、商売なり経営というものは、もともと成功するようになっている

やはり利益をあげるためには仕入値以上の価格で売る。また借金をする前に、まず集金に全力を注ぐのがほんとうで、それでもなお資金がいるときに、初めて他から借りるべきでしょう

一心不乱にやる。そうすると、まわりもただ見てばかりはいないものです。一心不乱というほんとうに真剣な姿を見ていると、そこには必ず教えられるもの、心を動かされるものが出てきて、まわりの人々は、いちいち言わなくても手伝うし、働くようになる

基本的に重要なのは、経営に対する経営者自身の使命感といったものです。そういうものがなかったら、人を育てようと思っても人は育ちません

人間というものは、やはり、自分のやっていることの意義なり価値をよく知ったときに、ほんとうにそれに打ちこむことができ、他人にも好ましい影響を与えることができる

過去の功労者で、相当の地位にいる人の中には、適性を欠くようになっている人が少なくない

◆「辞めてください」と言えるかどうか
その人が会社というものを自分個人のものと見るか、従業員のものと見るか、あるいは社会のものであると見るか、その解釈いかん

番頭さんは自分が主人になろうと思っているわけではありません。ですから、自分が番頭として一生懸命やっているのに、二代目の人があまり商売に関心がない、熱意がないということであれば、それを非常に不安に思うものです

なかには、“任せられたのだから、わしは勝手にやるんだ”ということで報告もせず事を進め、脱線してしまう人もあるでしょう。そういう場合は、そもそもその人に任せたのが間違いで、人を替えなければならない

先に買う人は進歩への貢献者

値切って信頼されてこそほんとうの仕入れ

ダムが必要なのは、資金の面だけではありません。「人材のダム」「設備のダム」「在庫のダム」「技術のダム」というように、適正な経営をしていくためには、あらゆる面でゆとりをもつことが大切

経営者としての大きな任務の一つは、社員に夢をもたせるというか、目標を示すということであり、それができないのであれば経営者としては失格である

眠れなかったり、煩悶したりしている姿こそ社長の姿で、そこに社長としての生きがいがある

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『経営のコツここなりと気づいた価値は百万両』松下幸之助・著 PHP研究所
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◆目次◆
第一章 商売のコツ 経営のコツ
第二章 経営者の心得

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