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『これからの思考の教科書』酒井穣・著 vol.2262


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【知らない人は損をする。まさに教科書】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4828415904
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本日の一冊は、オランダTilburg大学TiasNimbas Business Schoolを首席で卒業し、長くオランダで活躍していた著者が、これからのビジネスマンに必要な、差別化のための思考法を解説した一冊。

著者には、『はじめての課長の教科書』という、10万部超の優れた著作がありますが、今回の本に限っては、前作の印象を忘れていただきたい。

※参考:『はじめての課長の教科書』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4887596146

というのは、土井が見る限り、本書は優れたビジネスマンとしての著者の横顔ではなく、父親の影響で幼い頃より本を読み続けてきた読書家であり、優れたクリエイターである著者の側面が、前面に打ち出された一冊だからです。

ロジカルシンキングからクリティカルシンキング、そしてラテラルシンキングまで、さまざまな思考法と思考ツールが紹介された、実践的な本ではありますが、もっとも感じ入ったのは、著者の知的生産への愛にあふれた姿勢です。

本書を読んで、なぜ著者がこれまでベストセラーを連発することができたのか、その理由がわかった気がしました。

著者いわく、<自社と競合の間に、入手できる「情報の格差」が期待できない現代社会においては、ロジカル・シンキングだけから斬新なアイディアを生むのは困難>。

そこで、<企業が生き残るために必要な差別化を実現するためには、直感による「ひらめき」が求められ>るのです。

自社に勝利をもたらす人材になるためにも、またライバルに一歩先んじるアイデアを生み出すためにも、ぜひ読んでいただきたい一冊。

<アイデアにあふれる毎日を送ることが、人間の幸せに関係する>という著者の言葉に賛同する方は、ぜひ読んでみてください。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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ロジカル・シンキングに精通した人材が集まると、問題となるのは「いかなる事実があるのか」という情報のインプット

ロジカル・シンキングは漫才の「ツッコミ」に相当し、ラテラル・シンキングは「ボケ」に相当する

そもそも「皆がどうしているか」ということは、事実としての掘り下げが足りません。例えば、人間であれば「皆が食事をする」というのは一見正しいようですが、その本質は、生命維持には栄養の摂取が必要ということです。そう考えれば、「栄養さえ摂取できれば、それが食事でなくても構わない」という視点も得られるはず

◆クリティカル・シンキングで特に注意すべき4点
1.事実に曖昧なところはないか?
2.結論に具体性が欠けるところはないか?
3.ロジックに独断的なところはないか?
4.ロジックに飛躍はないか?

いかなる提案においても、その提案のネガティブな面を正直に述べることを忘れるべきではありません

◆網羅性確保のための3つの手法
・基本書の目次を参照する
・フレームワークを活用する
・1人で考えない

動的なチームワークが求められる世界では、同僚の行動から、その背後にあるロジックを正しく読むことができる人材でないと役割が務まらない

◆アブダクションの推論形式
驚くべき事実Cが観察された
しかし、もし説明仮説Hが真であれば、Cは当然の事柄であろう
よって、説明仮説Hが真であると考えるべき理由がある

対象となるテーマを抽象化することで類似の事象を見つけ出していくために重要となるのは、意外かもしれませんが「知識量」(引き出しの数)です

◆TRIZ研究者ダレル・マンが推奨する発明原理トップ8
1.分割 2.先取り作用 3.逆転の発想 4.動きを取り込む
5.周期的作用 6.ピンチをチャンスに 7.セルフサービス
8.パラメータの変更

635法という名前は、この発想支援ツールが「6」人のメンバーが、「3」つずつアイディアを紙に書いて、その紙を「5」分ごとに隣の人と交換するという方法を取るところからきています。メンバー6人が、わずか30分で、108個ものアイディアを出すという計算

ラテラル・シンキングの力は一般に若いほど優れていると言える

生きることの達人は、仕事と遊び、労働と余暇、心と身体、教育と娯楽、愛と宗教の区別をつけない。何をやるにしろ、その道で卓越していることを目指す。仕事か遊びかは周りが決めてくれる。当人にとっては、つねに仕事であり遊びでもあるのだ。(老子)

哲学者ヘーゲルが『精神現象学』の序論で述べたとおり「分けて考えることは、対象を殺してしまうこと」

古代ギリシアにおいて人間の認識メカニズムについてはじめて言及したとされる哲学者エンペドクレスは、このように分割された要素を寄せ集める行為こそ「愛」であると説いています

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『これからの思考の教科書』酒井穣・著 ビジネス社
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◆目次◆

はじめに
第1部 ロジカル・シンキング(垂直思考)
第2部 ラテラル・シンキング(水平思考)
第3部 インテグレーティブ・シンキング(統合思考)
おわりに

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