2010年2月8日
【20代の過ごし方で人生が決まる】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4820717545
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本日の一冊は、ベストセラー『財務3表一体理解法』の著者、國貞克則さんによるキャリア論。
※参考:『財務3表一体理解法』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4022731443/
なぜ会計本の著者がキャリア論? といぶかしがる向きもあるかもしれませんが、國貞さんは、もともと会計の専門家ではないのに会計をすっきり理解する方法を考えた、ということで注目された人物。
実際には、MBAも取得していますし、神戸製鋼では海外プラント事業部や人事部も経験しています。
本書は、そんな著者の、経験的キャリア論です。
読んでいて興味を引かれたのは、著者が「夢」や「やりたいこと」に対して、極めて理性的なスタンスを取っていること。
「『やりたいことが見つかるまで就職しない』などと考えず、まずご縁のあった仕事をやりはじめればいい」「嫌いなことをやることによって自分の守備範囲が広くなり、器が大きくなっていく」「夢がないから自由でいられる」「一番つまらないと思うのは将来が見えてしまうこと」
すべてとは言いませんが、いずれの言葉も、いまどきの若い方の主張とは異なっていて、かつキャリアの現実を説いています。
・世の中は競争で成り立っており、「『自分なりに一生懸命やりま
した』と言う人はたいてい成果が出せない。
・むしろ、こだわるべきは「成果」であり、人は成果に対してお金を出す
人の上を行く仕事力を身につけるために、ぜひ読んでおきたい一冊です。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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この世で仕事ほど面白いものはない
「仕事が一番楽しい」と思えるのは、仕事には苦労があり、失敗があり、挫折があり、葛藤があり、そして同時に工夫があり、創造があり、達成感があるからです
現実の世の中は矛盾に満ちています。その矛盾を自分で噛み砕いて自分の中に入れることができるようになった時、人は「大人になった」と言われるのだと思います
「やりたいことが見つかるまで就職しない」などと考えず、まずご縁のあった仕事をやりはじめればいい
嫌いなことをやることによって自分の守備範囲が広くなり、器が大きくなっていく
夢がないことで肩身のせまい思いをすることもありますが、夢がないから自由でいられるような気もします。私にとって一番つまらないと思うのは将来が見えてしまうことです
社会に出たら、自分の好きなことに意識を向けるのではなく、自分の役割と責任に意識を向けることが大切
私が心底スゴイなと思うのは、希望もしていない部署で好きでもない仕事を頑張れる人
若いうちは自分の経験値の不足を補うためにも勉強することが大切
現実の世の中は競争だらけです。人間の社会だけではなく生き物の世界はどこも競争社会です
芸事の世界では「けいこを一日休めば自分にわかり、二日休めば師匠に知られ、三日休めば客にばれる」と言うようです
◆問題発見のためのステップ
1.本質を見極める
2.一般化と抽象化
3.じっと眺める
4.試行錯誤を繰り返す
5.効率的に解く
「自分なりに一生懸命やりました」と言う人はたいてい成果が出せない人
こだわるべきは「成果」です。人は成果に対してお金を出すのです
仕事を選ぶなら自分と同じタイプが集まりそうな業界ではなく、自分とは全く違うタイプの人たちが集まる世界へ飛び込むのもひとつの道
失敗をしても、自分の非を認め、相手への損害を最小限に食い止めるために誠心誠意対応してくれるような人とは、その後もお付き合いしたいと思うもの
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『20代に考えるべきこと、すべきこと』日本能率協会マネジメントセンター 國貞克則・著
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4820717545
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◆目次◆
第1章 「仕事」を難しく考えない
第2章 自分の体で経験し自分の頭で考える
第3章 一生モノの勉強習慣を身につける
第4章 数学思考で仕事力を高める
第5章 人の上を行く仕事力を身につける
第6章 人とは違う道を行く
第7章 仕事のうえでの人とのかかわり方
第8章 キャリアデザインについて考える
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2010年2月7日
【土井が初めて読んだライトノベル】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4840233020
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本日の一冊は、以前から社員や山田真哉さんなど、各方面から薦められながら読めなかった、話題のライトノベル『狼と香辛料』。
「第十二回電撃小説大賞銀賞」と言われても、ビジネス一筋の土井には響くはずもなく、これまで放置してきたのですが、「これって商売の話なんですよ」という周囲の言葉に押され、ついに読んでみることにしました。
で、感想なのですが、あまりの出来に、驚いた、というのが正直なところです。
狼の耳としっぽを持った美しい娘がどうこういうのには、まったくといっていいほど興味がありませんが、行商人ロレンスと他の商人たちとの丁々発止のやり取り、随所に散りばめられた商人の知恵は、小説とは思えないほどの教訓に満ちあふれています。
本書に書かれているのは、いわゆるビジネスノウハウものでは決して手に入らない、商人の知恵と処世術。
起業して成功する人が必ず持っている、いわゆる「ビジネスセンス」が学べる、じつに希少な読み物です。
萌え系のイラストに、思わずひいてしまう人もいるかと思いますが、食わず嫌いは本当にいけないな、と思わされた一冊です。
先入観を捨てて、ぜひ読んでみてください。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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貨幣は価値の変動が大きいので行商人は儲けを物に変えて持ち歩く。銀の短剣はそんなもののうちの一つで、銀はあらゆる化け物に打ち勝つ神の金属だ
作物はその土地にあるからこそよく実る、というものが多い
商人なら、自分の顔がどんな印象を相手にもたらすか絶対に把握しているはず
駆け出しの行商人は、自分が得るばかりで相手に渡すものが何もない
嘘をつく時、大事なのはその嘘の内容ではなく、なぜ嘘をつくかというその状況じゃ
真であればそのまま儲けに乗ればよく、嘘であれば誰かが何かを企んでいるということだから、そういう時は、注意深く裏を突けば大抵が儲け話になる
契約を交わした商人達で金を出し合って、船舶を借りるんだ。出した金額で積める荷物の量が決まるんだが、船は陸路と違って難破すれば荷物どころか命も危ない。ちょっと強く風が吹けばもうそれだけで危険だしな。しかし、儲かる
よいか、と聞かれる時、商人なら簡単に返事はしない。きちんと相手の言うこと、その裏、影響までをも把握してから返事をすることが常識だ。口約束も立派な契約だ。どんな目にあっても、契約は契約なのだ
貨幣相場の変動について最も鋭敏な耳を持っているのは、両替商と国境を越える商売を行う者達だからだ
見え透いたやり取りだが、そんな欺瞞の中にも真実があるから商談は面白い
だまされた時に怒っているようじゃ話になりんせん。そんな方法もあるのかと感心してこそ一人前じゃ
国と国の戦争は何も兵士同士の戦いに限らない。他国の貨幣に自国の市場を席巻された時、その国は戦争に負けたのと変わらない
貨幣というのがそんな信用の上に成り立っているものだから、ある貨幣に人気が集まれば額面以上の価値を持つことが多々ある
自分は絶対に損をしない構図を描き、相手にだけ損か得かの勝負をさせるのも立派な詐欺じゃろ
ある特定の銀貨を目立たぬように集めるためには複数の商人達の欲を突いて彼らに集めさせるのが一番よい。一儲けを企んで銀貨を買う商人達は、他の連中に儲けを渡すまいとして総じて慎重に、また無口になるからだ
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『狼と香辛料』メディアワークス 支倉凍砂・著
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4840233020
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◆目次◆
序幕
第一幕
第二幕
第三幕
第四幕
第五幕
第六幕
終幕
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2010年2月6日
【ファッション業界紙デスク、11年分の取材ノート公開。】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4828415610
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本日の一冊は、11年間ユニクロを追い続けた、ファッション業界紙「WWDジャパン」のデスクが、その11年分の取材ノートをまとめ、書籍化した一冊。
ユニクロの進化の歴史と、その時々の施策、そして他のメディアでは紹介されない柳井正氏の横顔や、インタビューの際のやり取りなども収められた、貴重な情報源です。
個人的に印象に残ったのは、著者がまとめた十カ条の「私見・ユニクロの成功習慣」。
なかでも、「一点突破、全面展開」は、メディアを活用して成功するための王道を説いており、詳しく読めば、経営の参考になること間違いなし。
ほかにも、「一流と組む」「自ら情報発信メディアとなる」など、成長するためのヒントがいくつも紹介されています。
そして、心に残ったという点では、著者が「今までで一番大きな決断は何だったのか?」と聞いた時の答えが一番。
柳井氏の答えは、「ユニクロの1号店を作った時」で、その理由として、こんな言葉が紹介されています。
「個人経営だった時代には、つぶれたらすべてを失ってしまうから本当に必死だった。開店当日は朝から行列ができて、地元のFM局で取り上げられた。やたらと人が来てくれた。危ないからもう来ないでくださいとお願いしたほど。あの時は嬉しかったなあ」
どんな商売でも、原点を忘れてしまえばそこでお終い。
本書は、われわれビジネスマンに、初心に帰ることの大切さ、そして挑戦者として活動しつづけることの大切さを教えてくれます。
ジャーナリスト目線の本であり、当事者が書いたのに比べ、情緒に欠ける部分はありますが、人気企業ユニクロを客観的にとらえた、価値ある資料だと思います。
ぜひ読んでみてください。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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◆私見・ユニクロの成功習慣
1.変化することで生き延びる
2.一点突破、全面展開
3.スピードが命。拙速も許容する
4.リーダーが夢を語り、社員が明日を作る
5.リスクテイク
6.大いなるニッチ。潜在需要を考える
7.一流と組む
8.自ら情報発信メディアとなる
9.短所よりも長所に目を向ける
10.本質を見極める
「消費環境や人々の価値観は変わった。私は商業主義に陥り、大企業化してしまったラグジュアリーブランド業界に魅力を感じなくなっていた。全く新しいことに挑戦してみたいと思っていたころ、『ユニクロ』からオファーを受けた。一番魅力に感じたのは、『デモクラティック・ウエア』というコンセプトだった。ユニクロのシンプルで機能的でベーシックなウエアを世界中の人に着てもらえるようにする、というコンセプトに共感した」(ジル・サンダー)
「この商売で最も恐ろしいことは、マンネリ化することだ」(柳井正)
一番&圧倒的なことで驚きを与え続ける。ユニクロは常に話題を集めてきた
「混迷の時代にこそ、トップ自らが現場で陣頭指揮を執らなければならない」(柳井正)
かつて私は柳井社長に聞いたことがある。「毎日が決断の連続だと思うが、今までで一番大きな決断は何だったのか?」。その答えは「ユニクロの1号店を作った時」というものだった。「個人経営だった時代には、つぶれたらすべてを失ってしまうから本当に必死だった。開店当日は朝から行列ができて、地元のFM局で取り上げられた。やたらと人が来てくれた。危ないからもう来ないでくださいとお願いしたほど。あの時は嬉しかったなあ」
「意味があるのはブランドではなく、デザイナー本人である」(柳井正)
彫刻のような立体的で美しい服を作るために、想像もできないほどの時間と労力をフィッティングに費やす(ジル女史の仕事について周りの評価)
現在のユニクロの成長を陰で支えた人物の1人に、2007年から高級スーパーの成城石井の社長を務めている大久保恒夫氏がいる(中略)出版社の商業界が主催する毎年恒例の2月ゼミに2009年、大久保氏は講師として登場した。そこで「売り場でしか企業価値は測れない」「無理な在庫削減はしない、売れる商品が山のようにないと長期的な成長はできない」「固定客を増やすか定番商品を増やすしか、売り上げ成長はない」「期待値を超えることが信頼につながる」と、持論を展開した
最高の情報は最強のコンセプトを生む。すべては最強のコンセプトを生み出すためにある。なぜなら最強のコンセプトは、すべてを駆動させる
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『ユニクロ進化論』ビジネス社 松下久美・著
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4828415610
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◆目次◆
序章 山口県の小売店が世界に出店
第1章 躍進
第2章 競合
第3章 商品戦略
第4章 ブランド戦略
第5章 組織
巻末・柳井社長への一問一答
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2010年2月5日
【あの哲学的人生論のベストセラーが文庫化!】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4532195306
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本日の一冊は、哲学博士の中島義道さんが書いたベストセラー『働くことがイヤな人のための本』の待望の文庫版。
仕事とは何か、生きがいとは何かを問う哲学的人生論ということですが、人生の理不尽さを織り込んでいる、という点が魅力です。
成功者は成功の法則を一般化したがるが、実際には偶然成功する人もあるということ、かといって仕事に成功しない膨大な数の人が、成功者よりその複雑な襞までとらえて人生をよく見ているわけではないことなど、さまざまな面から人生に光を当て、そのありのままの姿と、生き方を論じています。
目標は達成しなくても、あることで「辛いけれど充実した人生を味わえる」などと、弱者を慰める言葉があったかと思うと、すかさず「いかに自己実現したとしても、誰も二流、三流の自己表現の結果を賞味しようとはしない」と厳しい言葉が浴びせられる。
読者が「自分は正しい」という信念に囚われていれば、必ずや痛い目をみる、そんな内容です。
悲観を極めれば楽観に変じるものですが、本書には、そんな効能がある気がします。
人生が充実している人は戒めとして、現在、壁に直面している人は乗り越えるためのきっかけとして、ぜひ読んでいただきたい一冊です。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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いかに真摯な呟きでも自分の中に閉じこもってしまうと、それはぐるぐる同じところを回るだけで、いっこうに進捗しない。病的な自己嫌悪、病的な他人嫌悪、病的な世間恐怖……という具合に進んでゆき、もともと清潔で美しくさえあった悩みはいつしかどす黒く醜い炎に変身してゆき、自分をも他人をも焦がしてゆくのだ
おびただしい人々が芸術家に憧れるのは、私の考えでは、好きなことができるということのほかに、まさに社会を軽蔑しながらその社会から尊敬されるという生き方を選べるからなんだ
たしかに風呂から出れば寒いのだけれど、いつまでも入っていると水風呂の中で死なねばならないことを、頭ではなくからだ全体で知ることが大切だ
近代社会においては、出自や身分によってではなく仕事によってその人の値打ちが測られる
仕事に成功しない膨大な数の人が、成功者よりその複雑な襞までとらえて人生をよく見ているわけではない
いかなる失敗も、その目標の火が消えないかぎり、きみは耐えられる。最終的には、その目標を実現しなくてもいいんだ。完全に失敗してもいいんだ。だが、そういう運動を通じて、きみはたぶん辛いけれど充実した人生を味わえると思うよ
カミュが愛用していたニーチェの言葉がある。それは「私を殺さないかぎり、私はますます強くなる」というものだ
天才たちの成功話や不遇話はもういいじゃないか。それらは、平凡なきみが、仕事を始めるうえでなんの役にもたたない
自分の仕事にプライドをもっているなら、けっして「二流でいい」と自分にささやいてはならないように思う
いかに自己実現したとしても、誰も二流、三流の自己表現の結果を賞味しようとはしない。二流のピアニストのCDを買おうとはしないし、三流のコックがいるレストランを訪れようとはしない
権力に対して猛烈に反抗する人は、その態度自体をもって彼(女)が権力的な人であることを示している。こうした人が権力を握ると、あっという間に権力的になることは人類が数千年間目撃してきたことだ
「大人はみんな汚い、ずるい!」と叫ぶような中学生レベルの単純思考からは一刻も早く目を覚ますべきである。これは純粋を振りかざす暴力なのであるから
仕事には他者による評価が必要なのだ。他者の視線を浴びることにより鍛えられることが必要なのだ。そのいちばんわかりやすい尺度が金である
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『働くことがイヤな人のための本』日本経済新聞出版社 中島義道・著
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4532195306
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◆目次◆
1.一生寝ているわけにはいかない
2.「命を懸ける仕事」はめったに与えられない
3.仕事と能力
4.仕事と人間関係
5.仕事と金
6.金になる仕事から金にならない仕事へ
7.死ぬ前の仕事
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2010年2月4日
【知的生産力を高めて稼ぐ技術】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478005753
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本日の一冊は、戦略コンサルティングファーム、アーサー・D・リトルを経て、現在は講演・執筆などで活躍する経営コンサルタントが、「読む・考える・書く」ための技術を紹介した一冊。
なかでもフォーカスしているのは、稼ぐための「書く技術」で、経営コンサルタントの使うフレームワークから、人の心をつかむための表現技術まで、幅広く論じています。
ビジネス書を書く人を前提としているため、ターゲットは狭いですが、これからビジネス書や自己啓発書を書こうと思っている方には、入門書として重宝する一冊です。
普段、出版のためのコンサルティングをしていて思うのは、みなさんコンテンツを作るためのコツを理解していない、ということ。
本書には、比喩力を鍛えることの意味や、抽象/具体を行き来することの重要性、何気ないことをパッケージ化するコツなど、ビジネス書を書くために必要な考え方が、ひと通り網羅されているので、行き詰まっている人は参考にするといいでしょう。
出版マーケティングの視点が入っていないので、これだけでベストセラーを出せるわけではありませんが、自分の中に眠っているコンテンツの種を見つける、という意味では、山田真哉さんの『目のつけどころ』同様、役立つ一冊です。
※参考:『目のつけどころ』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4763199919/
著者を目指す方、書いて稼ごうとする方は、ぜひ読んでみてください。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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消費の中心が「モノ」から「コト」に移り、人が「役に立つ」「なるほど」「楽しい」「気分がいい」と感じるものに富が集中している
メール、ブログ、SNSなど、コミュニケーションにおいて、書くことのウエイトと重要性が増している
書く力というのは、経験や情報という目に見えない素材をベースに価値を生み出す、現代の錬金術
同じ情報を見聞きしても、ある人には見えるけれども、それが見えない人もいて、それが差を生む。ここに「情報を編集する力」が必要な理由がある
文章の上達とは、自分をよりよく理解し、人間をよりよく理解する行為
知的生産力=(情報A×情報B)/自分=情報C
◆ビジネス分野のコンテンツを作るうえで、抽象化能力を鍛える2つの質問
・構成要素に分解し、「それは何力か?」を考える
・「それはいったい人間の何に作用しているのか?」を考える
抽象と具体の行き来をする
自分の表現はつたないとか、自分にはそれほど成功体験がないとい
う人は、魂をゆさぶるエピソードを集めてみてはどうでしょうか
大多数の読者は「簡単にできる答え」を求めている
問題提起と処方箋はセットであるべき
自分の体験を「一般原則化」「教訓化」する
「そもそも、なんでそうなってるんだっけ?」を考える習慣をつける
オリジナリティとは、誰も思いつかないことを発想することではなく、
同じものを見ても違う発想ができるということだ
アウトプットが増えれば増えるほど、インプットも増える
筋肉質の文章を作るには、削ぎ落としていくこと
出版こそ、普通の人がワンランク上の世界を手に入れる、最強最速の手段
愛の反対は憎しみではなく無関心、と言われるように、どうでもいい人は無視されるだけ
ビジネス書の著者生命を長く維持するには、リタイアしてはいけない
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『「読む・考える・書く」技術』ダイヤモンド社 午堂登紀雄・著
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478005753
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◆目次◆
プロローグ 知的生産力を鍛えよう!
第1章 コンテンツを生み出す5つの技術
発想の方程式・情報編集術・発想術・観察力・読書術
第2章 アウトプット力を高める方法
第3章 書く環境を整備する
第4章 出版があなたの世界を変える!
おわりに つらいことも苦しいこともすべてネタになる
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2010年2月3日
【常識外れ。内部留保ゼロの経営とは?】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4479792724
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本日の一冊は、テレビ「カンブリア宮殿」で2週連続出演し、大反響を呼んだ広島のメガネ屋さん、「21(トゥーワン)」のユニーク経営と、それを支える哲学を明らかにした、注目の一冊。
──内部留保ゼロ、社員のボーナス五〇〇万円、給与・賞与はすべて公開、社長は任期制、目標・ノルマは一切なし──
著者は、一見、非常識に見えるこのユニークな経営で、1986年の創業以来、右肩上がりで業績を伸ばし、2009年3月決算で年商45億円を達成。
これに対する経常利益が350万円ということで、本当に大丈夫か?と訝しがる向きもあるかと思いますが、これがまたよくできているのです。
必要な資金は社員から集める「究極の直接金融」、社員の収入の3分の2を賞与が占めており、いつでも人件費削減が可能になるしくみなど、いざというときの備えも万全で、かつ社員に優しい配分のしくみ。
自分の会社に適用可能かどうかは、検討の余地がありますが、なかなかよくできたしくみだと思います。
税金を極力払わないやり方や、社員の採用面接時の質問など、一部批判が出そうな内容もありますが、考え方としてじつに参考になります。
著者が言うように、「経営陣が社員に見せる気遣いは、絶対に制度化されていなければなりません」というのが原則。
社員のためにいい制度を作りたい、と考える社長に、ぜひ読んでいただきたい一冊です。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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社員が納得して働けるのは、「儲かったときは配る」というフェアな関係がきちんと保証されているから
会社に内部留保しなければ、法人所得税の五五%がなくなり、個人が所得税を二〇%払っても、社員の収入はグッと増えます
儲かった分を社員で山分けして、それでも余ったら値引きという形でお客様に還元する
自分たちの志に共感し、真面目に努力するいい人材が集まり、自分の利益を優先し、相手を尊重できない人たちは自然と去っていく。そうやっていいグループができあがっていきます。大切なのは「いい分散・いい集合」なのです
「21」にはいろいろな働き方があって、自分に合うやり方を選択できます。ホームページの募集要項を見るだけでも「一般職コース」「独立支援コース」「跡継ぎコース」「チャレンジコース」などに種類分けされています
社員の収入のうち、三分の二を賞与が占めているので、業績が悪化した際はこれをカットすれば大幅な経費削減が可能
「21」の資金繰りは、すべて社員の出資によって成り立っています。銀行からの借り入れはゼロ。私が「究極の直接金融」と呼んでいるやり方です
これまでボーナスとして払っていた金額を「社員借り入れ」の利子として社員に支払うことに移行
いいときが続くと会社はダメになる
何か厳しい施策を行うとき、役員や経営陣など、会社のトップにいる人がもっとも損をする形をとることが肝心
評価の目的は働く人を元気にすること
どんな会社でも「実際の労働より低い給与で働く人」と「実際の労働より高い給与で働く人」が混在するのが当たり前です。だからこそ、互いを補完し合う優しさと感謝の気持ちが必要なのです
「仕事とプライベートは別」は抜群に仕事ができる人だけ
「自分のことを正しく評価してくれない」といつも周囲に文句を言う人は、たいてい自分を過大評価しています
「ミスを許さない」という姿勢が隠蔽体質をつくる
仕事とは、すべて他人のリクエストに応えること
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『会社にお金を残さない!』大和書房 平本清・著
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4479792724
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◆目次◆
第1章 儲けはすべて社員で山分け!『内部留保ゼロ』を目指す革新的経営
第2章 必要な資金は社員から集める『究極の直接金融』
第3章 社員の給料を全公開する『本当のガラス張り経営』
第4章 上下関係・役職なし! 徹底した『人事破壊』を実践する
第5章 ノルマ・目標すべて廃止! 社員第一主義の『非常識な制度改革』
第6章 『いい分散・いい集合』でモラルの高い集団をつくる
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2010年2月2日
【サミット中興の祖が語るスーパー経営】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478090130
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本日の一冊は、スーパーマーケット「サミット」中興の祖であり、伊丹十三監督の映画「スーパーの女」ではアドバイザーも務めた著者が、スーパー経営の本質を説いた、珠玉の一冊。
著者は、現在、オール日本スーパーマーケット協会会長を務める業界の大御所ですが、本書には、現場感たっぷりのスーパー経営論が書かれています。
高級な商品、特殊な商品を販売するスーパーに対し、「スーパーマーケットの経営者が、本来の使命を忘れて、そういう子どもっぽい自己顕示に走ることは間違いである」と手厳しい評価。
また、最近見られるPB化の動きに関しても、それがナショナルブランドを駆逐することで、客離れが起きると懸念事項を提示しています。
著者いわく、「小売業がバイイングパワーによって製造業を支配することが消費者にとっていいことだなどというのは小売業の思い上がり」だそうです。
相手の利害関係に徹底的に配慮すること。そこからしかいいビジネス関係は生まれてこないという、いい教訓になります。
また、戦略面でも、「天元(碁盤の中央の点)から打ち始めるのは愚策で、四隅を押さえてから天元を狙うのが定石」、「一度掴んだ商圏を守り抜く執念」など、貴重なアドバイスがなされています。
マーケティングからマネジメント、そしてスーパー経営の哲学にいたるまで、これほど書き手のぬくもりを感じる本もありません。
小売業の方はもちろん、そうでない人も、商売の心構えを学ぶために、ぜひ読んでみてください。
ひさびさに、愛のあるビジネス書に出合いました。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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GMSの狙いは「50万人の街のいちばんはずれからも客を引くこと」だ。当然、その品揃えは、都市のいちばんはずれの消費者でも来店してくれるような「珍しい商品」も置かなければならない。「珍しい商品」以外で、都市のいちばんはずれから客を引こうと思ったら、「価格を破壊的にする」のが最も早道だ
“つまらない売場”が最良のスーパーマーケット
日常的に自分の金で消費するものには、かなり厳格な予算があると考えていい
牛脂がなければ、スキヤキはできない
高級な商品を扱ったり、特殊な商品を売ったりするのは、ちょっと自慢になることだ。まるで小学生の自慢話のような気持ちなのだろうが、それはよく分かる。しかし、スーパーマーケットの経営者が、本来の使命を忘れて、そういう子どもっぽい自己顕示に走ることは間違いである。同じ自慢するなら、スーパーマーケットの経営者は、わが店では「日常生活に必要な商品が、品切れなく常に完璧に品揃えされていること」や「日常生活のための商品が、非常に地味ではあるけれど、絶対に裏切られない品質・鮮度で売られていること」を自慢すべきである
あるJR(当時、国鉄)の駅前に、GMSのA社の繁盛店があった。イトーヨーカ堂は、その駅裏に、広い駐車場を備えた店を作った。その結果、A社の店は、決定的な打撃を受け、閉鎖に追い込まれた。イトーヨーカ堂には独占的立地が残った
ドミナント化しやすい地方都市に生まれたスーパーマーケットが、成長の過程では断然有利だったと言える。囲碁でもそうだが、天元(碁盤の中央の点)から打ち始めるのは愚策で、四隅を押さえてから天元を狙うのが定石である
私は、30数年間、東京圏で店舗用の物件を探してきたのだが、その過程で、つくづくイトーヨーカ堂に感心させられたことがある。それは、この会社が、一度掴んだ商圏を守り抜く執念である
PBを売るために、売場の隅に追いやられたナショナルブランド(本来消費者が求めたものだ)は、PBを売るために価格的にも他のスーパーマーケットとの競争に対抗できず、結局、ナショナルブランドを求める消費者はその店を離れていくことになる
他社の売場は、取引先の本当の姿を見るのに役立つ。「お宅にはどこよりも早く納品します」とか、「お宅にはいちばんいい条件を出しています」などというセールス・トークに単純に乗せられていないかをチェックできるのは、他社の売場である
自分も含めて、人間には、一般に「ヒトを見る目」はないと考えるべきである
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『スーパーマーケットほど素敵な商売はない』ダイヤモンド社 安土敏・著
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478090130
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◆目次◆
はじめに 正直なビジネスに身を置く素晴らしさ
第1章 スーパーマーケットを正しく理解することから始めよう
高級和牛も最先端の流行商品もいらない
第2章 強い店舗作りと負けない出店
商圏を守り切れるのが強いスーパーマーケット!
第3章 スーパーマーケット経営の考え方
100年後も順調に利益を生み出せるしくみ作り
第4章 スーパーマーケットの商品
プライベートブランドとナショナルブランドの共存共栄が
強い店を作る
第5章 スーパーマーケットの販売促進と接客
接客サービスには経営の姿勢が具体的に現れる
第6章 スーパーマーケットの人事・教育
生きた人事管理・教育(躾)がスーパーマーケットを強くする
おわりに 最高の人生航海をするための指針
スーパーマーケットで幸せになろう
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2010年2月1日
【No.2に捧げる教科書】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/447800577X
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2月1日は、弊社古屋の取締役就任の日でした。
しかも、偶然にも、今日は彼の誕生日。東京は滅多にない雪に見舞われましたが、彼が生まれた29年前には、今日と同じく雪が降っていたそうです。
本日の一冊は、そんな古屋に読んでほしい、フォロワーシップの教科書。
未熟な上司である自分を棚にあげて言うのも何ですが、組織がうまく行くかどうかは、フォロワーシップにかかっています。
なかでもリーダーに諫言し、組織を正しい方向に導くには、側近の力が必要不可欠です。
本書では、「勇敢なフォロワーに求められる五つの勇気」を紹介しており、それらを実現するためにフォロワーがどう考え、行動すれば良いかがまとめられています。
読んでいて思うのは、結局、リーダーシップ、フォロワーシップの問題というのは、個人の自尊心をどう扱うかに尽きるということ。
なかでも参考になったのは、「優秀なリーダーかどうかは、フォロワーの成長ぶりを見ればわかる。そして優秀なフォロワーかどうかは、リーダーの成長ぶりによってわかる」という部分。
そういう意味では、土井はこれまでに優秀な部下たちに随分と助けられてきた気がします。
正論だけでは決して片付かない組織の問題に、どうやって対処するか。
本書には、そのヒントが書かれています。
ぜひ読んでみてください。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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◆勇敢なフォロワーに求められる五つの勇気
・責任を担う勇気
・役割を果たす勇気
・異議を申し立てる勇気
・改革に関わる勇気
・良心に従って行動する勇気
自分以外の何ものにも忠誠心を持たないようになると、自分の利益だけを追い求め、人に迷惑をかけても平気な人間になってしまう
リーダーに力が集中しているように見える状況はとても危険である。フォロワーは、リーダーの気まぐれで身を滅ぼすかもしれないし、リーダーにとっては、フォロワーがゴマをするようになるおそれがある
未熟さを露呈したリーダーの扱いに苦労するのは、自分自身が成熟できていないせいでもある。私たちは無力感ゆえに、リーダーの言動に対してなんらかの手を打つかわりに、ほかの人に延々と愚痴をこぼしてしまう。しかし、本人に問題をぶつけて互いの成長を図ろうとせず、子どもじみた愚痴をこぼしているだけでは、リーダーや組織のためにはならない
優秀なリーダーかどうかは、フォロワーの成長ぶりを見ればわかる。そして優秀なフォロワーかどうかは、リーダーの成長ぶりによって
わかる
フォロワーの動機となっているのが、リーダーや組織を支えたいと思う気持ちではなく個人的な目的であれば、フォロワーの能力の高さはリーダーにとってむしろ脅威になる
リーダーの情熱についていけないとしたら、ジュニア・パートナーよりも上の地位につくことはむずかしい
リーダーは普通、部下の自発的な行動を支えるものだが、フォロワーがリーダーを差しおいて注目を浴びようとしているように見える場合は話が違ってくる
権力の近くにいる人は、しばしば調子に乗って自尊心を膨らませがちだ。門番は、傲慢になったり、リーダーとの接触を求める人たちのニーズに無関心になったりしないように気をつけなければならない
リーダーの側近は意識していようといまいと、リーダーが相談相手を減らすのを後押ししがちだ。そうすれば自分の権限は強くなるが、そうやって個人の自尊心を優先させると、共通目的がなおざりにされてしまう。自分の権限を弱体化させるおそれがある人を内輪に迎え入れるのは勇気がいる
人は変われないというのは敗北主義者の見方
忘れてならないのは、リーダーは見えないところで変化している可能性があるということだ
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『ザ・フォロワーシップ』ダイヤモンド社 アイラ・チャレフ・著
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/447800577X
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◆目次◆
序 章 強いリーダーを育てる力
第1章 リーダーとフォロワーの関係
第2章 責任を負う
第3章 リーダーに仕える
第4章 異議を申し立てる
第5章 変革に関わる
第6章 道義的な行動を起こす
第7章 フォロワーに耳を傾ける
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