2010年2月17日
【「ルール」は戦術である】
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先日、『1億稼ぐ「検索キーワード」の見つけ方』の著者、滝井秀典さんが弊社のオフィスに来て、こんなことをおっしゃっていました。
※参考:『1億稼ぐ「検索キーワード」の見つけ方』
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「土井さん、日本人は法律やルールを所与のものと考えているけれど、本来それは戦略的に変えられるものなんですよ」
確かに、グーグルの例を見ても、現実がルールを変えさせることもあれば、ハーレーダビッドソンのように、企業の側からルールを変えさせるよう、働きかけることもあります。
日本では、まだあまり言及されていませんが、ルール作りは、ビジネスの戦術の一つなのです。
本日の一冊は、ホンダの渉外部門にて、税制・通商など国内外の自動車産業に関わるルール作りに参画する著者が、ビジネスにおけるルール作りの必要性を訴えた一冊。
日本人はとかく、ルール変更があると「ずるい」と思ってしまうものですが、著者はこの感覚がなぜなのか分析し、より積極的なルール作りへのコミットメントを促します。
スキーのジャンプ競技におけるルール変更、マクラーレン・ホンダのターボエンジン禁止など、日本人の記憶に残るルール変更に言及した後、ビジネスにおけるルール設定の有効性について述べています。
著者が言うように、長い目で見るとルール変更だけで勝負に勝てるものではありませんが、ビジネス全体の活力、そして自社の競争力、品質向上を促すという点で、ルールに目を向けるのはじつに健全なことだと思います。
ぜひ読んで、ビジネスにおける「ルール作り」を学んでみてください。
今日も張り切って行きましょう!
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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ルールは石に刻まれたものじゃなくて、スタンダードみたいなもの。
守るだけじゃ強くはなれない
◆ルールについて日本人が取るべき3つの行動
1.ルールの意味と目的を理解しておく
2.ルールが実状に合わなくなったら変更を提案する
3.ルールが必要なら、ルール作りを率先して行う
ルール変更は欧米の常套手段
欧米人にとってルールとはあくまでも“決めごと”(中略)ルールといえども、彼らにすれば“勝つための一手段”であり、ルールを自分に有利に変えたところで決して「ずるい」ということにはなりません
自分のプリンシプルに合うものは賞賛するが、合わないものは批判するという態度では、逆に相手から非難を受けることにもなりかねない
ハーレーダビッドソンは、1982年に救済措置を申請しました。国際貿易委員会(ITC)は、この申請が通商法201条の適用にかなうかどうかの審査を開始します。同委員会は、当時の米国の二輪車製造業が、雇用も含め75%をハーレーダビッドソン社に支えられており、同社の衰退はそのまま米国の一産業と衰退につながると判断。翌年、この申請を認め、特例措置として4.4%だった大型二輪車の輸入関税を45%引き上げて49.4%とし、その後、1年ごとに増加分を減らし、5年目に元の4.4%に戻すという措置を政府に提案しました
・欧米列強にとっては、ルール作りも闘いに含まれている・私たち日本人はそうした闘い方をずるいと考える・当座は、ルールを作った側が闘いを有利に展開できる
1チームが勝ちを独走しては面白みがなくなってビジネスとして成り立たなくなる
喧嘩をしすぎて全体を壊してしまってはどうにもならない
すっかり立ち直ったハーレーダビッドソンは、関税の引き上げ措置が適用される期限を残した1987年、救済措置の返上を政府に伝えます
長い目で見ればルールを変更することが本当の勝ちにつながるとは限らないのです。本当に強くなりたければ、ルールを変更して防波堤を作ること以上に、市場の荒波に自分の持つ技術やビジョンの力で挑んでいく姿勢も必要
CVCCエンジンを搭載したシビックは、低公害・低燃費車として日米で大ヒットし、ホンダに自動車メーカーとしての礎を築かせます。つまり、マスキー法という、実現は非常に難しいとされた制約が、ホンダという企業の成長の糧となった
ここはルールを作りたい、あるいは、今のルールではダメだと考えたら、財界団体や業界団体の関連委員会に参加してみる
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『ずるい!?なぜ欧米人は平気でルールを変えるのか』ディスカヴァー・トゥエンティワン 青木高夫・著
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◆目次◆
はじめに 日本人はルールを守りすぎて損をしていないだろうか?
第1章 なぜ私たちはルール変更を「ずるい」と思うのか?
第2章 実際に「ずるい」を味わってみる
第3章 ルールを変えれば本当に勝てるのか?
第4章 ルールがあってこそ成長する
第5章 ルール作りのプリンシプル
あとがき
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