2010年2月3日
【常識外れ。内部留保ゼロの経営とは?】
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本日の一冊は、テレビ「カンブリア宮殿」で2週連続出演し、大反響を呼んだ広島のメガネ屋さん、「21(トゥーワン)」のユニーク経営と、それを支える哲学を明らかにした、注目の一冊。
──内部留保ゼロ、社員のボーナス五〇〇万円、給与・賞与はすべて公開、社長は任期制、目標・ノルマは一切なし──
著者は、一見、非常識に見えるこのユニークな経営で、1986年の創業以来、右肩上がりで業績を伸ばし、2009年3月決算で年商45億円を達成。
これに対する経常利益が350万円ということで、本当に大丈夫か?と訝しがる向きもあるかと思いますが、これがまたよくできているのです。
必要な資金は社員から集める「究極の直接金融」、社員の収入の3分の2を賞与が占めており、いつでも人件費削減が可能になるしくみなど、いざというときの備えも万全で、かつ社員に優しい配分のしくみ。
自分の会社に適用可能かどうかは、検討の余地がありますが、なかなかよくできたしくみだと思います。
税金を極力払わないやり方や、社員の採用面接時の質問など、一部批判が出そうな内容もありますが、考え方としてじつに参考になります。
著者が言うように、「経営陣が社員に見せる気遣いは、絶対に制度化されていなければなりません」というのが原則。
社員のためにいい制度を作りたい、と考える社長に、ぜひ読んでいただきたい一冊です。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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社員が納得して働けるのは、「儲かったときは配る」というフェアな関係がきちんと保証されているから
会社に内部留保しなければ、法人所得税の五五%がなくなり、個人が所得税を二〇%払っても、社員の収入はグッと増えます
儲かった分を社員で山分けして、それでも余ったら値引きという形でお客様に還元する
自分たちの志に共感し、真面目に努力するいい人材が集まり、自分の利益を優先し、相手を尊重できない人たちは自然と去っていく。そうやっていいグループができあがっていきます。大切なのは「いい分散・いい集合」なのです
「21」にはいろいろな働き方があって、自分に合うやり方を選択できます。ホームページの募集要項を見るだけでも「一般職コース」「独立支援コース」「跡継ぎコース」「チャレンジコース」などに種類分けされています
社員の収入のうち、三分の二を賞与が占めているので、業績が悪化した際はこれをカットすれば大幅な経費削減が可能
「21」の資金繰りは、すべて社員の出資によって成り立っています。銀行からの借り入れはゼロ。私が「究極の直接金融」と呼んでいるやり方です
これまでボーナスとして払っていた金額を「社員借り入れ」の利子として社員に支払うことに移行
いいときが続くと会社はダメになる
何か厳しい施策を行うとき、役員や経営陣など、会社のトップにいる人がもっとも損をする形をとることが肝心
評価の目的は働く人を元気にすること
どんな会社でも「実際の労働より低い給与で働く人」と「実際の労働より高い給与で働く人」が混在するのが当たり前です。だからこそ、互いを補完し合う優しさと感謝の気持ちが必要なのです
「仕事とプライベートは別」は抜群に仕事ができる人だけ
「自分のことを正しく評価してくれない」といつも周囲に文句を言う人は、たいてい自分を過大評価しています
「ミスを許さない」という姿勢が隠蔽体質をつくる
仕事とは、すべて他人のリクエストに応えること
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『会社にお金を残さない!』大和書房 平本清・著
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◆目次◆
第1章 儲けはすべて社員で山分け!『内部留保ゼロ』を目指す革新的経営
第2章 必要な資金は社員から集める『究極の直接金融』
第3章 社員の給料を全公開する『本当のガラス張り経営』
第4章 上下関係・役職なし! 徹底した『人事破壊』を実践する
第5章 ノルマ・目標すべて廃止! 社員第一主義の『非常識な制度改革』
第6章 『いい分散・いい集合』でモラルの高い集団をつくる
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