2010年7月20日
【「縮み志向」の日本を変える大前研一の秘策とは?】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4093798125
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本日の一冊は、2007年に出され、話題を呼んだ大前研一さんによる、『大前流 心理経済学』の応用編。
※参考:『大前流 心理経済学』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4062141264
応用編というだけに、ビジネスのヒントが満載の実践的な一冊です。
現在の日本が気づかなければならないのは、マネーサプライをコントロールしても、消費者の心理を動かせなければ経済は動かない、ということだと思いますが、本書はまさにそこを突き、どうしたら消費者心理を動かし、経済を活性化できるかを指南しています。
200万台の新車需要を引き出したメルケル率いるドイツ政府の政策、単身世帯の心をつかまえ、駅ナカ出店で成功を収めている成城石井、セレクトショップのプラットフォームとなりつつあるZOZOTOWNなど、大小問わず、消費者心理を動かして成功をおさめた、さまざまな事例を取り上げています。
また、楽天・Edyの事例に見られるような「ポイント経済」の進行(消費者が買い物をする際に重視するのは「ポイントの高い店」)など、ビジネスの新潮流に関してもコメントがなされています。
さらに、海外ビジネスに関する記述も豊富で、中国、ロシアはもちろん、インドネシア、ウクライナ、ルーマニアなど、氏が現在、注目している新興国に関しても、その魅力とチャンスを伝えています。
本書を読んで感じたのは、マクロ経済も結局はマーケティングが大事だということ。
消費者心理を知らずに、見せかけだけの政策を実施しても、やはり効果は上がらない。
そういう意味で、経営者・マーケターはもちろんですが、政策担当者にこそ読んでほしい本かもしれません。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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政府が金利の上げ下げやマネーサプライの調節、あるいは公共事業などによって直接的に経済のパイを大きくするよりも、国民が持っているお金をいかに引き出すか──「その気」にさせるか──ということのほうが明らかに経済効果は大きい
2009年1月、メルケル率いるドイツ政府は各国に先駆けて、新車登録から9年以上経った自動車を買い替える場合に、2500ユーロ(当時の為替レートで約33万円)の補助金を出す「スクラップ奨励金」制度を実施した。この制度は同年9月まで続けられ、実に200万台もの新車需要を引き出したといわれている
◆日本のエコカー減税について
消費者の財布の紐を緩めるための政策に、いかにも役人らしく、二重、三重の条件を付けた時点で、消費者は完全に「その気」を削がれてしまう
◆超高級旅館の客層
1.リタイアした後とくに何も仕事をせず悠々自適の生活を送っている老夫婦
2.富裕層に属して、自分の自由になるお金を十分持っている中高
年の“浮気”セグメント
3.自分たち自身への“ご褒美”として休暇で利用する若いカップル
すでに単身世帯は夫婦と子供から成る世帯を抜き、2010年中には1500万世帯を超えて全体の3割以上を占めると推計されている。さらに「夫婦のみの世帯」「1人親と子供から成る世帯」もじわじわと増え続けており、今の日本の家庭は、従来のイメージとは様変わりしている
単身者の多くは安いだけの商品を志向していないのである。安くなくても自分の好きなものを買う主義の人たちであり、このセグメントは底堅い
最近は生鮮食品に対するニーズが、とくに東京や大阪など大都市の都心部で高まっているが、コンビニは生鮮食品を(生鮮コンビニ「ローソンストア100」などを除き)ほとんど扱っていない
健康ブームを背景に「内食化」が広がり、単身者でも自宅で料理を作る人が増えている
楽天とEdyが合体すると、どうなるか? Edyで支払えば楽天スーパーポイントが貯まり、楽天市場、楽天トラベル、楽天ブックス、楽
天証券など楽天グループの支払いに使える。楽天と提携しているANA(全日空)のマイレージポイント(会員数1800万人)やTSUTAYAのTポイント(会員数3300万人)などもEdyに交換できるようになるだろう
今やポイントは電子マネーに次ぐデジタル大陸制覇の重要なツール
インドネシアの人々は意外にまだ家電製品などの耐久消費財を持っていない
ウクライナには、農地としては最上級ランクのチェルノーゼムという非常に肥沃な黒土が広がっている
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『民の見えざる手』小学館 大前研一・著
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◆目次◆
プロローグ 経済学は、もう未来を語れない
第1章 (現状認識)“縮み志向”ニッポンと「心理経済学」
第2章 (目前にある鉱脈)拡大する「単身世帯」需要を狙え
第3章 (外なる鉱脈)「新興国&途上国」市場に打って出る
第4章 (規制撤廃が生む鉱脈)真の埋蔵金=潜在需要はここにある
第5章 (20年後のグランドデザイン)「人材力」と「地方分権」で国が変わる
エピローグ (発想の転換)そして個人は「グッドライフ」を求めよ
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