2009年10月30日
【メーカーよ、原点に帰れ】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4797353813
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本日の一冊は、「トヨタ生産方式」の生みの親、大野耐一氏のもとでその実践・普及に努めた若松義人氏が、「原点回帰」をキーワードに、トヨタおよび日本のモノ作りの知恵をまとめた一冊。
まだまだ苦境が続く自動車業界にあって、トヨタへの関心は薄れる一方ですが、不況下で自動車の売上が落ちるのは、昔から変わらない現象。
それよりも、同社が生み出したムリ・ムダ・ムラをなくす合理的な生産のしくみや、改善の技法、変化に対応するための工夫をこそ学ぶべきです。
いま調子のいいユニクロからは学ぶけれどもトヨタからは学ばない、というのでは、ビジネス書の読み方として片手落ち。
単なる現象に流されるのではなく、ビジネスの原点をきちんと学びたい、という人におすすめなのが、この一冊です。
著者は、自身の師である大野耐一氏の言葉を引用しながら、ビジネスで成功するための心構えや、生産に携わる者の志、現場で成果をあげるための考え方を説いています。
トヨタで長く続いている「失敗のレポート」の話や、外注先との付き合い方、後工程に対する気配り、そしてお金の使い方…。
原典である『トヨタ生産方式』と併せて読めば、きっと理解が深まるに違いありません。
※参考:『トヨタ生産方式』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478460019/
商売に流行りすたりはあっても、人の志に流行りすたりはない。
いつの時代も変わらないビジネス魂を学ぶために、ぜひ読んでいただきたい一冊です。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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最後までがんばるか、途中で音をあげるかで、人間の値打ちが決まってくる
石田氏は、特需は一時的なものだと見抜いていた。だから、人を増やして注文をこなすやり方に反対で、現状の設備と人員で大量注文に応じるという厳しい制約を現場に課した
トヨタには「失敗のレポート」を書いておくというシステムが早くからあった。豊田英二氏(トヨタ自動車最高顧問)が提唱したものだ。概略こういっている。「いいわけを考えて仕事をしていたら進歩はない。失敗してもいいから思い切ってやれ、そしてその失敗のレポートを書いておけ。書かないで覚えているだけだと、次の世代まで伝わらないからダメだ。時々、十年前の失敗をまたくり返しているような時がある」
「たとえ一か月でも、その会社が製造する場合には人も設備も必要である。一か月後に注文を打ち切ったら、その会社はどうなるか。一度でも外注に出したら、もう内製に戻すことはできないと考えよ」(大野耐一)
「トヨタがうまくつくれないものを外注に出して、もっとうまくつくってくれると期待しているのか。もしそういう会社があったら、頭を下げて教わりに行け。もちろんお前の給料は、その会社以下だ」(大野耐一)
企業が増産体制を整える時、同時に減産体制への移行も可能なシステムを用意しろ
どうも間違っていたなと思ったなら、部下に対してもはっきりと間違いを認めて素直に謝る
企業は労使の信頼関係があってこそだ。法律論で一時的に勝利しても、信頼を失なっては将来に禍根を残す
品物をバトンだと思って手渡しをしなさい
少しのムダを省いて、よい機械を買わなくてはなりません
その手が昼間はいつも油に汚れている技術者こそ、真に日本の工業の再建をなしうる
設備の価値は年数だけで決まるわけではない。大切なのはどれだけ稼ぐ力があるか、つまり「稼働率」はいくらかである
「メーカーにとっては、不良率はほんのわずかなものかもしらん。だが、お金をはたいてその不良品を買ったお客さんにしたら、不良率は一〇〇パーセントになるんじゃねえのかッ」(本田宗一郎)
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『トヨタ流の原点 企業再生編』ソフトバンククリエイティブ 若松義人・著
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4797353813
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◆目次◆
1章 「予測し得ない危機」に立ち向かう
2章 「需要の激変と減産」に備える
3章 「社員のモチベーション」を高く保つ
4章 「金づまり」に動じない
5章 「ニーズの流動化」に即応する
6章 「中進国の追い上げ」に揺るがない
7章 「人が去らない会社」であり続ける
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