2009年10月13日
【感動のベストセラーに続編登場】
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本日の一冊は、人気テレビ番組「情熱大陸」の影響もあり、大ブレイクした『裸でも生きる』の著者が、次なる挑戦のエピソードを綴った一冊。
※参考:『裸でも生きる』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4062820641/
小学校でイジメにあい、中学校では非行に走り、偏差値40の高校から慶應大学に進学。その後、途上国を貧困から救うため、バングラデシュで起業した20代の女性起業家。
彼女が、次に選んだのはネパールでした。
この続編では、そのネパールでデザインバッグを作るという著者の挑戦が、人間模様とともに描かれています。
バングラデシュで主要メンバーに去られ、工場には退去勧告をされ、窮地に追い込まれる。
ネパールでは、欲にかられた仲間の裏切り工作にあい、やむなく撤退。
テレビや講演会ではうかがい知ることのできない、素顔の女性起業家の苦悩と葛藤が、じつにリアルに描かれています。
若い起業家が、使命感を持って生きることの素晴らしさを知るのに、これ以上の教科書はないのではないかと思います。
メディアに慣れてきたせいか、荒削りだった文体も、少し読みやすくなって、洗練されてきた感があります。
前作を読んだ方も、ぜひ読んでみてください。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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バングラデシュの人が自分に問いかけているような気がした。「君はなんでそんなに幸せな環境にいるのに、やりたいことをやらないんだ?」と。他人にどう言われようが、他人にどう見られ評価されようが、たとえ裸になってでも自分が信じた道を歩く
見極めなければならないのは、自分の使命であり、それは究極的には途上国の可能性をこの世界に広く伝えることなんだという原点だった
出店コストは、通常であれば数千万円はする。プロのデザイナーに頼めば本当に高い。そこを私たちは自前でやっている。さらに木材も切るのだから、自前主義を貫徹しているわけだ
少なくとも企業というものができる範囲のことを、できる限りにおいて、まっとうするのが社会的存在である企業の役割
問題点は明らかで、彼らは私たち、そしてバングラデシュの作り手と思いや哲学を共有していない売り手であるということだ(中略)直営店で売ることのメリットが、単に利益率の高さだけではないことを日に日に痛感し、自分たちのまさにホーム(家)で、自分たちの接客ができることが本当に満足のいくサービスにつながるんだと知った
これまで個々の人間のもつ可能性や考え方といったものは、その人に対して継続して訴えかけ、共に戦うことで変えていけると思っていた。私たちの小さな自前工場では、それまで他の工場でうつむいて働いていた工員たちに、プライドあるモノ作りを教え、未来や夢を描くことを教え、小さくても実践してきたつもりだった。しかし、一番大事な人が離れていくことを聞いた時、変えられないものもあるんだと心から痛感し、言葉では表現できない敗北感を生んだ
こうしていつも一番近くで私を支え、辛さを楽しさに変え、失敗を成功への一歩だと言い、そして、どんな逆境に立たされようと私の可能性を、どこまでも果てしなく誰よりも信じて疑わない彼がいたから私はいる
欲望自体を悪者と見る従来の資本主義を敵視した考えに私は賛同できない。理由は簡単で、自分自身が欲望を持った人間だからだ
誰しも一人では前進できない時があり、一人では壊せない壁がある。しかし、2人だったら進める一歩があり、10人だったらその一歩を楽しめ、100人だったら道にあるハードルを乗り越えられて、1000人だったら、もしかしたらよりよい道を見つけ出せるかもしれない
しょせん、工場や機械なんて、時間とお金さえあれば取り戻せる。しかし、自分自身が一度壊れたら、取り戻せるかどうか自信がなかった
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『裸でも生きる2』講談社 山口絵理子・著/strong>
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4062821230
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◆目次◆
プロローグ それがすべての始まりだった
第1章 情熱の先にあるもの
第2章 バングラデシュ、試練をバネにして
第3章 チームマザーハウスの仲間たち
第4章 そして第2の国ネパールへ
第5章 ネパール、絶望と再生の果てに
エピローグ Keep Walking
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