2012年1月15日
【文章改善のヒント】
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本日の一冊は、ビジネスマンのための文章術をまとめ、ベストセラーとなった『伝わる!文章力が身につく本』の待望の続編です。
※参考:『伝わる!文章力が身につく本』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4471191160
前作は、主語と述語が遠くに配置されているためわかりにくい文や、修飾語句の置き方を間違っているため誤解を招く文、難しい言葉と易しい言葉が混在している文など、いわゆる「残念」な文を紹介し、その改善例を示していました。
今回も一部、文章の改善方法を示していますが、メインとなるのは、文章をかたくする/やわらかくする、ニュアンスの異なる言葉を使い分ける、などといったワンランク上の表現法です。
「決まり」と「しきたり」の違い、「世間」と「世の中」の違い、「しつこい」と「しぶとい」の違いなど、微妙な違いをはっきり理解できる、有用な内容です。
ベストセラーの続編のほとんどは、期待外れに終わるものですが、本書は今回も「当たり」です。
なかでも有用だったのは、4章の「眼前の光景を描写する」「形状を中心に“物”を説明する」の部分。
パワーポイントがなくても、きちんとビジュアルや雰囲気、臨場感を伝えられるようになるために、ぜひ押さえておきたいノウハウだと思いました。
文章が苦手な人は、ぜひチェックしてみてください。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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【原文】
その日が満月と知ったきっかけは、月が満ちて空が明るくなってい
たことに気づいたわけでなく、ニュースで知ったのだった。
↓
【改善例】
その日が満月と知ったのは、空を見たからではなく、ニュースによってだった。
※原文には、構文の乱れ、同語・同義の反復といった問題点が1文中に混在していました
【原文】
スポーツの実況はテレビ、ラジオ中継についてくるが、それによって会場、選手の様子などを知ることができる。
↓
テレビやラジオのスポーツ番組の実況中継は、会場の雰囲気や選手の動きを生々しく伝えてくれる。
※原文の「知ることができる」では、“実況中継らしさ”がありません
自分の体験・判断を安易に一般化しない
・関係者の間──規約(「町内会の規約」など)
・官公庁や企業──規定(「服務規程」など)
◆「こと」は個人、「もの」は一般
・「貴重な落としものを届けてもらえるとは、実にうれしいことだ」
→個人の意見
・「初孫の誕生は、実にうれしいものだ」
→一般論
「感心する」は上から目線で使う
忖度する:他者の気持ちをおしはかる
端無くも:端無くも目撃されてしまった。(ふと。思いがけず)
おおよその数量や程度を表す助詞に「くらい(位)」「ほど(程)」「ばかり」があります。意味はほとんど同じですが、丁寧さの印象が違います。「くらい」が最も平易で幅広く用いられ、「ほど」はやや古風で、「ばかり」がより丁寧です
◆「即して」と「則って」の違い
「即」には「位置につく/ぴったりついて離れない/すぐに」という意味があります(中略)一方、「則」は「手本/きまり」を意味します
顔役(仲間の中の代表者、主役):彼は地元ではなかなかの顔役だそうだ
目をむく(怒りで目を大きく見開く):嘘をついた部下に課長は目をむいた
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『伝わる!文章力が豊かになる本』小笠原信之・著 高橋書店
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◆目次◆
第1章 洗練された表現へ高める
第2章 多様な表現を使い分ける
第3章 言葉の使い分けを身につける
第4章 要領よく描写する、説明する
巻末付録 知って役立つ表現集
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