2012年1月14日
【大震災で見えたこと】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4822248747
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出張で東北に来ているということもあり、本日は東日本大震災後の復興をテーマにした書籍をご紹介します。
『お客様を呼び戻せ!東日本大震災サービス復興の証言』は、震災直後でも、ほとんど客が減らなかった、あるいは客足の回復が早かった13社を取り上げ、その取り組みと経営思想を紹介したもの。
緊急事態の情報共有、社員との団結心を強める方法、お客様や取引先、地域とのかかわり…。参考にすべき点はいくつもあります。
読んでいて大切だな、と感じさせられたのは、何が何でもスタッフの雇用を守ることと、危機における優先順位づけ、さらにはお客様との絆です。
紹介されている13社は、いずれも従業員が危機状態にもかかわらず一致団結してよく働き、経営者はこれまでの優先順位を見直しています。
また、震災直後の経営を支えてくれたのが常連客というところが多く、逆に集客を他社に丸投げしていることろは、ダメージが大きかったようです。
危機にあって、初めて大切なものが見えてくる。それは、人生でも経営でも同じだと思います。
本書は、そんな大切なものに気づいた経営者たちの記録。
経営の原点を見直すために、ぜひ読んでいただきたい一冊です。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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情報がないと人は不安になります。連絡が取れないことが、どれほど状況を深刻にさせるのか、改めて認識しました
雇用が守られれば、人は何とか踏ん張ります
「震災後、初めて暖かいものを食べた」。こういう言葉を聞くと、今回、自分たちに何が求められているのか、再確認できました
▲以上、南三陸ホテル観洋(宮城県南三陸町)
非常事態なので、スタッフ一人ひとりと面接しました。苦渋の決断だったのですが、7月まで定額の給料にしてもらい、覚書に署名してもらいました。その代わり、食事は旅館が提供する。住宅ローンを抱えている人には、銀行とかけあって返済を猶予してもらうように言いました
営業中は、時間のある人からバラバラに食事をしていましたが、休業中は全員一緒に食事を取れたので、スタッフ同士の信頼関係やチームワーク、団結力が高まった感じがします
こんな機会に掃除してみると、今まで気づかないところが汚れていることが分かりました。お客様がいると忙しくて、なかなか気づきません
まかない飯といえども、料理人が手を抜いてしまうと、それを見たスタッフが「このレベルでいいか」と思ってしまう
▲以上、湯主一條(宮城県白石市)
普通に考えれば、震災で客が減るので、売り上げが急落する。でも、コストは変わらないから、当然の結果として赤字になります。だから、営業時間を延ばしてみたんです。すると、これまで取り込めなかったお客様が来るようになりました
病院のカルテを参考に、独自のシステムを作った。どんな客が来て、誰が対応し、どんなカットをしたのか。そして、客は再び来店したのか。結果が出ると、店に激震が走った。父が「彼を見習え」と言っていたベテラン理容師が、実はあまり稼いでいないことが分かった。また、ある理容師は「このカットが得意だ」と自信を持っていたのに、そのヘアスタイルに刈った客は店に戻ってこない
地震が起きた後、従業員から「可哀そうに」と思われるぐらい働こうと考えました(中略)愛情をかけて、同情をもらうんです。同情されるほど働いて、はじめて社員が一生懸命働いてくれる
▲以上、オオクシ(千葉市)
一つを動かす時は、もう一つを止めてエネルギーを蓄えるのです。何かをやれば、他は休む。何でもやるのではなく、効率的に動かすわけです。それがハイブリッド経営です
▲以上、ホテル風早(大分県日田市)
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『お客様を呼び戻せ!東日本大震災サービス復興の証言』内藤耕・著 日経BP社
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4822248747
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◆目次◆
証言1 守り抜いたこと
私たちはもっと強くなれる
四つの価値を高めていく
そして従業員だけが残った
本当のお客様は誰か
ミルフィーユのように積み上げる
料理人だからできること
証言2 気づいたこと
本業を「社会貢献」にする
創造できる市場は大きい
普段の生活が大事です
お客様の変化が加速する
仕事を思い切って絞り込む
問題を早期発見できる会社に
失った売り上げは「安かった」
解説:平時の備えが有事に生きる
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