2011年10月30日
【ビジネスマンのお金の教養】
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本日の一冊は、わかりやすい経済解説で有名な池上彰さんが、ビジネスマンのためのお金の教養をまとめた一冊。
そもそもお金がどうして発生したかという話から、金融自由化後、日銀がどうやって金利をコントロールしているのかという話、ペイオフ制度のカラクリ、企業が株価を高く保つことのメリット、金の値段が下がりにくくなっている理由まで、意外と知らない経済の話がいくつも出てきます。
個人がいかにして資産形成をすればいいか、という点にも触れており、FXのリスクや、住宅ローンに対する考え方、金投資やETF、先物取引についても、簡単に触れています。
また、興味深いのは、お金と歴史に関する教養部分。
・日本なら米、中国なら貝、古代ローマでは塩といったように、国によって貨幣代わりの品(仲立ち物)が異なる
・紙幣の「幣」は、もともと「布」を意味していた
・京都の家の入り口が狭いのは、道路に面した部分の長さに応じて税金を取られていたから
など、知らない人には目からウロコのうんちくがバンバン登場します。
経済をこれから学ぶ人には、「国債の価格と金利の関係」をはじめ、今さら聞けない経済知識を得るチャンス。
既にある程度知っている人には、ご自分の教養を試すいいチャンスです。
ぜひ読んでみてください。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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当時は稲を「ネ」と発音していました。それで「これはどれだけのネと交換できるの?」「これはどれだけのネになるの?」という会話が一般的になされるようになり、そこから財物の価値のことを「ネ」と呼ぶようになりました。これが値段の「値」の語源です
実は稲のほかに日本で使われた「みんなが欲しがる共通の物」がもう一つあります。布です。布は、切ったり縫ったりすることで、着るものや、履くものにしたり、部屋の飾りにしたり……、とさまざまな物に換えることができます。つまり、交換用品として優れていたのです。紙幣の「幣」の字は、「布」という意味。ここにも痕跡が残っています
現代において、金に代わる「価値のあるもの」というのは、実は「国債」なのです
金利とは「我慢料」と「レンタル料」
銀行同士も競争意識を持つべきだという考えをもとにした一連の金融自由化のなかで、「金利はそれぞれの銀行が自由に決めなさい」ということになりました。必ずしも公定歩合と連動して、金利を決めなくてもいいということになったのです。この「金利の自由化」によって、日銀は建前としては公定歩合の上げ下げで景気のコントロールができなくなりました。一九九四年一〇月のことでした
「短期金利」(コール市場における金利)が、公定歩合が機能しなくなった現在における「政策金利」になっている
同じ職業的な属性であっても、独身の女性よりも既婚の女性のほうが、信用度が下がる
日本の金融界では、「ペイオフ制度」があります。金融機関が倒産しても、預金なら一〇〇〇万円とその利子までは預金者に必ず払い戻される制度です。では、どうやって保証するかというと、銀行はその分の保険料を、預金保険機構に払っているのです
株価が高ければ、「増資をしたい」と思った時に、新たに発行する株を高い値段で売り出せる(中略)株価を高く保っておけば、企業は資金を調達しやすくなる
FXは、良くも悪くも、数ある金融商品のなかでもっともギャンブル性の高いもの
金の投資信託が販売され始めたことで、金の値段は下がりにくくなりました
普通のインフレ下において、有利なのは、会社員でもフリーランスの個人でもなくて、やはり「企業」
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『池上彰のお金の学校』池上彰・著 朝日新聞出版
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◆目次◆
一限目 お金の歴史
二限目 銀行
三限目 投資
四限目 保険
五限目 税金
特別授業・一 ニュースの中のお金
特別授業・二 身近なお金
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