2009年7月26日
【スポーツ心理学者のやる気論】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4765010392
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本日の一冊は、スポーツ心理学を専門とする著者が、アスリート、トップビジネスパーソンに共通する「やる気」の源泉を明らかにした一冊。
最近は、不況のせいもあって、働く人々の間に閉塞感が広がっていますが、状況の良し悪しでモチベーションが左右されるというのは、そもそも「働く意味」が見出せていないということ。
その点、いわゆるトップアスリートと呼ばれる人たちは、どんなに過酷な状況でも、どんなに負け続けてもモチベーションを保ち続けていることが多い。
この違いは一体何なのか。分析してまとめたのが本書です。
京セラの稲盛和夫さんから、タリーズコーヒージャパン創業者の松田公太さん、V・E・フランクル博士など、著名人の書籍や記事の引用が多いのが気になりますが、「やる気」を高めるための根源的な要素について、うまくまとめていると思います。
個人的に参考になったのは、心理学者トールマンが行ったねずみの実験で、これはエサの与え方によって、ネズミがゴールにたどり着く成績が変わるというもの。
まさに、マキアヴェッリが言っているように、「恩恵は、よりよく人に味わってもらうように、小出しにやらなくてはいけない」ということなのでしょう。
やる気を高めたいビジネスパーソンはもちろん、部下のやる気を引き出したい経営者、マネジャーにも、読んでいただきたい一冊です。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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厳しいトレーニングに耐え、大舞台で自分の力を100%発揮して、勝ちきるためには、そのスポーツを続ける意味を自分自身で明確に持っていること、もしくはそのスポーツを続ける中で十分な意味を感じられることが必要
「『人生の目的を明確にすること』『その目的から逆算し、足りないものを勉強すること』。どんな勉強法をとるにしても、この二点を外さなければ、確実に自分の成長につながると、私は考えています」(タリーズコーヒージャパン創業者 松田公太)
「なぜ生きるかを知っている者は、ほとんどあらゆるいかに生きるかに耐える」(フランクル博士がニーチェの言葉を借りて語ったこと)
スポーツ選手でも優れて自分の力を発揮できる選手は、自分なりの競技を行う意味、私の言う「哲学」を持っています
「1億円稼ぐ」という目標が力を持つためには、その目標が世間一般の価値観に基づいたものではなく、自分なりの価値観に基づいた「私の目標」、私の「働く意味」を導くものになっている必要がある
やる気は「目標」という星と「現実(今の自分のレベル)」という星の間に働く引力
目標星があまりに遠くかけ離れている場合には、やる気の引力は働きません
たとえ遠くかけ離れた目標星であったとしても、その星が非常に大きなものであれば、つまり、その目標を達成するのだという思いや、その目標を達成することの意味や価値づけが明確である場合には、そこには非常に強いやる気の引力が働きます
報酬が本当の意味でやりがいにつながるためには、自分のした仕事と報酬とがつながっている必要がある
外から与えられた報酬が自分の内から起こるやる気を削り取ってしまう
自分がどのように(HOW)働いたらいいかのハウツーは、なぜ、何のために(WHY)働くのかにある
自分の仕事に「人のため」の要素を見出す
変わりたい、変わらないとやっていけないと思うことで、変わるきっかけを探すためのアンテナが立つ
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『「働く意味」の見つけ方』近代セールス社 杉浦健・著
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◆目次◆
まえがき
第1章 働く意味がもたらすもの
第2章 やる気のための働く意味
第3章 セールスのハウツーとしての働く意味
第4章 キャリアアップのための働く意味
第5章 働く意味の見つけ方
あとがき
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