2008年11月25日
【じっくり経営を考えるためのテキスト】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4532314194
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本日の一冊は、日本女性として初めてハーバード・ビジネス・スクールでMBAを取得し、その後、アメリカのボストン・コンサルティング・グループで活躍した著者が、そのノウハウを凝縮した一冊。
書かれているのは、「花形」「金のなる木」「問題児」「負け犬」からなるお約束のポートフォリオチャートや戦略策定のポイント、コスト分析、ロスト顧客分析など、オーソドックスな内容ですが、じつはこれ、実際に経営をやっている人には使い勝手のいい本です。
ノウハウやツールの紹介は最低限にとどめ、書き込むスペースをふんだんに用意しているため、自社の現状や今後の戦略など、ワークを通して考えることができます。
自分の使命や、何歳までに何をやるという具体的な目標時間軸、強み・弱み・改善点など、いざ取り組んでみると困難な課題がいくつも用意されており、日々の経営の反省をさせられます。
創業時、自分なりに考えてビジョン、戦略、目標などを作り込んだつもりでしたが、実際には甘かったことがよくわかりました。
今日も午前中、これまでとはまったく違った事業領域の定義をし、社内で盛り上がっていますが、こうした作業の重要性に気づいたのも、本書があればこそです。
既に批判が見られるように、『経営の真髄』とはやや大げさかもしれませんが、いつも忙しくしている社長に空白の時間を与えてくれるという意味で、価値ある一冊だと思います。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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重要なことはそれぞれの知識を集積して統合し、すべてのレベルでビジョンを整合させることです。これが成功の秘訣です。この「ビジョナリー・コンシステンシー」こそ、これからの企業運営に欠かせない、重要なことだと思います
◆ビジョン
I 自分の使命が明確である
II その使命は大義にかなっている
III その使命に基づいて具体的な目標がある
◆戦略
IV その目標に時間軸が入っている
V 自分の強み、弱みを把握し、それぞれを補うポイントをつかめている
VI 時代・場所・国を把握するなかで、右の目標が時間軸において
達成可能かどうか、できるかぎり確認してある
VII ヒト・モノ・カネ・情報が、それぞれ目標達成に必要なだけ調
達が可能と思われる
競争相手に勝ち、世の中で必要とされる自分・会社・提供するモノあるいはサービスを具現化するための資源確保が自ら可能でなければ、夢は「絵に描いた餅」になってしまいます
市場成長性が低くなったときに高いシェアを保てば、企業の基幹事業たる「金のなる木」へと位置づけられる
負け犬事業へのテコ入れは時間軸を明確にし、ある期限内で有効な手段や将来展望がみえない場合は、無駄な投資をすぐにやめ、勇気を持って撤退の決断をすべきです
責任を担う事業・製品の市場規模を、数量単位ばかりでなく金額換算で推計できますか? いま何十億、何百億、何千億の単位なのか、5年、10年、15年後、どのくらいの市場規模になるのかを推計できますか?
事業特性を把握するには、自分の事業が「規模事業」か「分散型事業」かを見極める必要があります
現場を担う者が常に改善に目を向け、工夫できるように指導できている企業は、卓越しています。一方、「企業の電気や物品は、自分のものではない」といって大事にしない、お客様や会社のためによりよい工夫ができないような従業員を抱えている企業は、従業員の教育が行き届いていないと言わざるをえません
自部門のコストが、もしアウトソーシングしてもそこに負けないクオリティーと生産性を示せるか、常に自覚してほしい
人を使い捨てのようにしては、目的の共有化は達成できません
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『経営の真髄』日本経済新聞出版社 小泉衛位子・著
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4532314194
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◆目次◆
はじめに
1.成功への秘訣――ビジョンの重要性
2.ビジョン・目標の構築
3.戦略策定のポイント
4.ビジョン・目標・戦略を戦術レベルに展開するには
5.ビジョン・目標・戦略を理解し、実施してもらえる組織づくり
チェックリスト あなたの会社の経営状態は?
おわりに
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2008年11月25日
【革命を起こすビッグアイデアの作り方】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4484081032
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本日の一冊は、サムスンの成功神話を支えた辣腕マーケターによる注目作で、韓国で何と100万部のベストセラーとなった一冊。
韓国の一大企業、サムスンの本だから売れたというのもありますが、それを差し引いても、売れて当然の読み応えある内容だと思います。
マーケターらしい歯切れのいい語り口で、古今東西の著名人の名言とアジアの名経営者のセリフ、そして自身がサムスンで得た学びが説かれており、日本のビジネス書ではなかなか見られない、興味深い話がいくつも登場します。
ベースは自己啓発書ですが、時折登場するサムスンの事例は、戦略、戦術、オペレーションの具体例として、じつに参考になります。
経営者にとっては、社内のマネジメントや、仕事プロセスの改善、自身の意思決定のヒントとして、役立つ内容。
一般のビジネスマンにとっては、これからどんな考え、態度で仕事に臨めばいいのか、その指針として活用できる内容だと思います。
ただ一つ、残念なのは、翻訳のお粗末さ。
蓮池さんの知名度に期待して指名したのかもしれませんが、マーケティングをマーケッティング、『ビジョナリーカンパニー2』を『いい企業を越え、偉大な企業に』と訳すなど、正直、興ざめです。
ビジネスのわかる人に訳してもらったらもっと本が受け入れられた、そう思えてなりません。
とはいえ、基本的には読み応えのある内容。
実務家らしい切れ味鋭い主張を、ぜひ味わっていただきたいと思います。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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手というものは、劣勢に陥る前に使わなければならない
「あなたの仕事すべてを神に捧げるつもりでやれ」(ローリー・ベス・ジョーンズ『株式会社イエス』)
多くの組織が「名詞型の目標」ばかりを掲げ、実際には客のために動いていない
あなたの組織、あなたの売り場を最高の成果をあげられる組織にするためには、抽象的なスローガンではなく、たとえば床に落ちた髪の毛を拾うことを心掛けさせるような、具体的な導き方をすべきだ
未来は強者にチャンスを、弱者に脅威を、準備のできた人にチャレンジを与える
時間に関する唯一の真理は、「時間はすべてのことを古くさせる」ということではないだろうか
切り捨ててもかまわない手順は、捨てなければならない。超一流企業や成功した人の共通点はよく捨てること
昔ナポレオンはこう言った。「今日の不幸は、過去私がまともに過ごせなかった時間への報復だ」
もし他の人が先に立ち止まってくれれば、あなたは一%のプレミアムを得ることになり、それが一〇〇%の競争力を生みだすことにつながる。その些細な差が人生の行く末を変えてしまうのだ
既存のものに何かを追加したり削除したりしろ
「失敗する者は一度のチャンスを夢見るが、成功する者は一日一日を人生のチャンスとみなしている」(ジョセフ・ルビノ アメリカの自己啓発専門家)
本当の勉強とは、一生自分を食べさせてくれる、自分だけの知識を身につけることだ
勝つ人は自分の失敗を堂々と認め、公開する
営業の必要がない製品を作り、客に最大の満足と感動を与えることが、もっとも重要な企業の競争力
金を稼ぎたかったら、もっとも低いところに足を運ばなければならない
死活を賭けなければならないのは、宣伝やプロモーションではなく顧客情報管理だ
自分の稼いだものは必ず客に返してやれ
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『韓国最強企業サムスンの22の成功習慣』阪急コミュニケーションズ チョン・オクピョウ・著
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4484081032
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◆目次◆
プロローグ
第一章 弾丸のように動く――動詞型組織
第二章 創造的な苦痛を楽しむ――プロの士官学校
第三章 細分化し、分析し、構造化する――徹底したプロセス
第四章 マーケッティングにすべてを賭ける――マーケッティング的思考の体得
第五章 基本を忘れるな――規範のある組織文化
第六章 最後まで手放さない――執拗な実行力
エピローグ
訳者あとがき
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