2007年7月28日
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本日の一冊は、「ワクワク系マーケティング」の提唱者であり、現在は日本感性工学会理事、静岡大学大学院客員教授を兼任する小阪裕司さんが、その研究成果を披露した一冊。
大好評を博した「Think!」の特集をまとめたもので、まさに著者が現在取り組んでいる最新の研究成果が盛り込まれています。
内容としては、企業が人の感性を軸にマーケティングを展開するためのフレームワークと方法論を述べたもの。
本来「価値」や「意義」を持っている商品を、いかにして感性消費
につなげるか、その具体策が述べられており、じつに興味深い内容です。
100口しか募集していないミズダコの「タコ箱オーナー制度」に2万
2460件の応募が殺到した話、「うんちどっさり」のコピーで売上げ
5倍になった便秘薬、味噌生産者の思いを込めた手紙を公開して一
気にブランド化した南蛮味噌おむすびなど、成功例がいくつも紹介
されており、ケーススタディとしても重宝するでしょう。
後半では、これから先、企業の重要な資本として注目される「関係
性」のマネジメントや、感性ナレッジのマネジメントについて言及。
エルメスやリッツ・カールトンなどを例に、どうすれば顧客に支持
される企業になれるのか、詳しく書かれています。
本書が教えてくれるのは、もはや小手先のマーケティングの時代は
終わった、ということ。
これからのマーケティングにはますます「人間らしさ」が求められ
る、そういうことなのでしょう。
経営者、マーケター、営業マンには特におすすめしたい一冊です。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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感性消費の時代にお客さんが求めているものは、ミズダコが生活必
需品なのかどうかではない。それで、生活が面白くなるかどうかである
お客さんの行動を軸にビジネスを見ること。それが重要だ
感性品質を重視したものづくりの取り組みは、すでに始まっている。
そして、同じ品質の車でもユーザビリティが高いほうが価値は高い
し、感性消費の時代には、さらに「ドアの閉まり方がステキ!」と
いった感性品質の高い車のほうがより高い価値を持つ
価値の伝達とは、自分たちがやっていることの価値を消費者に語ることだ
感性価値創造のための企業活動は、次の三つの重要な活動によって構成される
1.感性消費行動をデザインする
2.関係性のマネジメントを行う
3.感性ナレッジのマネジメントを行う
意外と重要視されていないことだが、実は企業の収益は顧客の数が
左右する。ここでいう「顧客」とは、リピーターであり、自社の支
持者ということだ
お客さんは、無意識のうちに「コンビニの卵は鮮度が悪いのでは」
などと、コンビニの卵にネガティブなイメージを持っていることも
ある。そのイメージが間違っていることを丁寧に説明することで、
お客さんは「それなら、買ってみようかな」という気持ちになる
動機付け策には、大きく分けて二つのものがある。意味訴求と感覚
訴求の二つである
提供している商品やサービスだけでなく、五感に訴える要素を整え
ることで、お客さんの感性に訴求することが可能
お客さんに行動を起こしてもらうためには、動機付けが必要だが、
それが十分でも、行動の妨げが存在している場合もある
「何を」こだわっているかではなく、「なぜ」そこまでこだわって
いるのかを語るのである。その強い思いが結晶してできたのが「物
語」なのだ
人は認知ギャップがあると、無意識のうちにそれを埋めようとする
人間的なコミュニケーションのために、とても有効な手段がある。
それは、自分のことを語ること、すなわち「自己開示」である
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『そうそう、これが欲しかった!』
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┃▼目次▼
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┃ はじめに
┃ 第1章 ビジネスを危機に陥れる三つの忘れられた課題
┃ 第2章 価値を生む三つのパターンと実践フレームワーク
┃ 第3章 感性消費行動のデザインが売上げを創る
┃ 第4章 高収益の基盤を築く関係性のマネジメント
┃ 第5章 感性ナレッジのマネジメントが企業を強くする
┃ 第6章 いかに社内を巻き込んでいくか
┃ おわりに
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