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『教育力』


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本日の一冊は、明治大学文学部教授であり、ベストセラー作家でもある齋藤孝さんが、本来の専門である教育方法について、持論を述べた注目の一冊。

広く教師に求められる資質と心構え、生徒をやる気にさせる方法、効果的な授業の進め方などが書かれており、教える仕事に携わる方は必読の内容です。

土井も現在は「10年愛されるベストセラー作家養成コース」はじめ、各種の講座で教える仕事をしていますが、本書で書いていることの大切さが本当に身に染みます。

本書によれば、教師とは、教えるだけでは不十分なお仕事。自らが
知的好奇心を持って学び、生徒の「あこがれ」をかきたてること。
学問することの魅力を謳うこと。

それができてはじめて生徒はついてくる、というのです。

では、ついてきた生徒をどう伸ばすのか。この点に関しても、具体
的な授業の進め方などが示されており、じつに参考になります。

教師をはじめ、人を教え導く立場にある人には、ぜひ読んでいただ
きたい一冊です。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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私の考える教育の基本原理は、「あこがれにあこがれる関係づくり」
だ。新しい世界にあこがれ、燃えて学んでいる人は、魅力を放って
いる。その人の「あこがれ力」に触発された人は、自分も学びたく
なる。教育の基本は、学び合い刺激し合う友情の関係だ

教師自身が何か高みを目指して飛ぶ矢のような勢いを持っていなけ
れば、学ぶ側に「あこがれ」は生まれない。教えるという行為にば
かり気をとられて、教師自身が学ぶことを忘れている場合が少なくない

ただ古典を読むだけでは不十分だ、現実を見、戦略を考えよ、とい
うのが松蔭のメッセージであった。自由に討論する場が、そのため
に必要であった

自分たちはレベルの高いことをやっているのだ、と生徒たちが誇り
を持つようにもっていくのが、教育者の仕事である

教師の実力が問われる勝負どころは、発問力である。問いがぼんや
りとした凡庸なものであるならば、生徒たちは深く考えることができない

カリキュラムというものは、子どもが選択するものでは元来ない。
教育する側が考えに考え、これだけは徹底的に身につけさせようと
考えて、それを行うにあたっては不退転の決意で学ばせるものなのだ

太陽は、見返りを求めない。ひたすらエネルギーを放射し、地上の
生命を生かしている。教師は太陽のようでありたい

真似る力の重要な点は、感覚を捉えるということだ

教師にとって一番まずいのは、見通しがないということ

子どもには教壇に立たせるだけでなく、採点をやらせることも大事
である。採点者になる。あるいは問題作成者になる。これが、ある
意味では教育の中でもっとも効果的なやり方なのだ

得意なものをつくって自信をつけ、どんどんチャレンジしていくと
いうやり方は、社会に出ても基本となる

信用や信頼というものが次の仕事を呼び込むのだ。だから、信用を
失うということが、どれほどの損失であるか、やりがいを失わせる
ものであるのか、教えなければならない

習慣を変えねばいけないときに対応できない人が落ちていくのだ

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『教育力』
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┃▼目次▼
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┃ まえがき
┃ 序章 教えること、学ぶこと
┃ 1.教育力の基本とは
┃ 2.真似る力と段取り力
┃ 3.研究者性、関係の力、テキストさがし
┃ 4.試験について考え直す
┃ 5.見抜く力、見守る力
┃ 6.文化遺産を継承する力
┃ 7.応答できる体
┃ 8.アイデンティティを育てる教育
┃ 9.ノートの本質、プリントの役割
┃ 10.呼吸、身体、学ぶ構え
┃ あとがき
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