2007年6月16日
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本日の一冊は、大ベストセラー『頭がいい人、悪い人の話し方』の著者であり、受験界では「小論文の神様」と呼ばれるカリスマ、樋口裕一さんによる読書術。
『頭がいい人、悪い人の話し方』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4569635458
あまり知られていない事実ですが、じつは著者は、アフリカ、フラ
ンス文学の翻訳家でもあり、これまでにジャンルを問わず数多くの
本を読んできています。
本書は、その著者が、読書を役立つ読書(実読)と楽しむ読書(楽
読)にわけ、それぞれに有効な読み方を指南した一冊。
知ったかぶりをするための「アリバイつくり読み」、必要な情報を
瞬時に得る「独立読み」や「裏づけ読み」など、テクニックも役に
立ちますが、本当に注目したいのは、書き手の視点も織り交ぜた
「精読」の方法と、楽しむための読書の指針。
精読に関しては、「訳す」「線を引く」「自分だけの名言集を作る」
など、今すぐ試してみたい読書の秘訣が満載。
楽読に関しても、「読書というのは、覗きの快楽にほかならない」
と独自の見解を示すなど、読者の読書観を刺激する、興味深い主張
が展開されています。
思えば土井も、小学校から中学校にかけては、川端康成を読んだり、
遠藤周作を読んだり、太宰治を読んだりして、著者のように、「覗
きの快楽」を味わっていたと思います。
理屈抜きに読書を楽しみたい方、自らの読書の幅を広げたい方に、
ぜひおすすめしたい一冊です。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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せっかく本を読んでも、それを自分のものだけにしておいて、仕事
に生かさなかったり、他者に伝えなかったりすれば、それは「実読」
とはいえない
どれもがそれぞれの価値を持っている。それを求めている人の手に
求めているときに渡れば、それは良書になる
一度読むだけですべてをわかろうとすること自体、むしろ読書として不自然
人間は文章を直線的に読んでいるわけではない。ところが、音読す
ると、読みが一直線になる。読書はもっと自由でいいと私は考えるのだ
何を書いているか想像できるということは、その部分の情報が既知
のものだということだ。したがって、既知の部分は飛ばして、未知
の部分のみを読んでいく
文章には仮想敵がある(中略)著者は何に反対しているのかを明確
にすると、その著者の言おうとしている点がわかってくる
もし可能であれば、英語などの外国ものの本を訳してみるという読
解訓練も役に立つ
自分だけの名言集を作る
読書というのは、覗きの快楽にほかならない。だからわくわくする
ほど楽しい。どきどきするほど、後ろめたい
それに触れたら火傷するような世界観を示すのが、芸術の役割
本を読むということは、それに感動する自分を発見することでもある
本当らしさと嘘との織り交ぜこそが、作者の腕
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『差がつく読書』
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┃▼目次▼
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┃ 第一部 「実読」の方法
┃ 第二部 「楽読」の方法
┃ 第一章 「楽読」の心得
┃ 第二章 小説、エッセイはただ楽しめ
┃ 第三章 小説・エッセイも発信につながる
┃ 第三部 私の読んできた百冊
┃
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