2010年12月17日
【2011年の世界経済を大胆予測!】
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本日の一冊は、その予測的中率の高さで知られる人気エコノミスト、中原圭介さんによる注目の新刊。
現在、株価が好調なアメリカ経済が2011年、どうなるのか? 中国経済は今後どうなっていくのか? 世界経済の行方をわかりやすく説明した一冊です。
シティグループやゴールドマン・サックスなど、金融機関が軒並み好調な決算を発表するなか、あたかも去ったかのように見える米国の危機の本質を、データをもとに冷静に論じています。
著者いわく、「金融機関の業績回復は、単に民間の赤字が政府へ移転された結果にすぎない」。
アメリカは財政赤字があまりにひどく、一時期盛り上がった「環境経済」は一時棚上げ、それよりも「財政再建」が急務になっているようです。
この財政再建によって景気は悪くなることが予想されており、著者によれば、来年以降も本質的な景気回復は難しいとのこと。
また、欧州においても、将来の不安から貯蓄に励む国民が景気の停滞を招く、とのこと。
成熟して内需が拡大した経済の本質的問題を見た気がしました。
歴史、原理原則から未来を予測する著者の手法は、相変わらず健在。
今後のアメリカ経済、欧州経済、中国経済の見通しが知りたい、という方は、ぜひ読んでみてください。
中原圭介さんと土井が、予測力と投資について語ったセミナーCDもありますので、こちらもぜひチェックしてみてください。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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金融機関の業績回復は、単に民間の赤字が政府へ移転された結果にすぎない
米連邦準備理事会(FRB)がゼロ金利政策と金融緩和によって市中にマネーをあふれさせたことも、金融機関の不良資産処理を後押ししました
オバマ政権が誕生した2009年以降の財政赤字の伸びがいかに急激であるか
テーマは「環境経済」から「財政再建」へ
需要を先食いしてきた反動は、先進国を中心に、今後は世界中でよりいっそう深刻化していくのは間違いない
米国が財政赤字の膨張を放置すれば、欧州の財政再建との比較から米国債が大きく売り込まれる可能性が高まってしまう
今後は新興国を中心に、ドル買い自国通貨売りの為替介入が進み、ドル安を押し戻す動きが強まる
2011年以降には米国の住宅価格は再度下落に転じ、景気も冷え込む可能性が高い
「経済の本質」から言って、物価が上がらない最大の原因は、労働者の賃金が上がらないところにあります
経済の本質では、財政再建を進めれば、景気は悪くなります
政府によるお金のバラまきは、万能な景気対策ではありません
景気を回復させるには、やはり雇用の拡大と賃金の継続的な上昇の2つが必要不可欠
以前なら知らなくてもよかった情報が入って来ることで、悪いことはさらに悪く、恐ろしいことはさらに恐ろしく、悲しいことはさらに悲しく感じられるようになっていきます
2010年のEUの失業率は10%前後と高止まりが続いていますが、25歳以下の若年層になると2倍超の20%台に跳ね上がります
ユーロ安が進めば、ドイツやフランスなどの経常黒字国だけがそのメリットを受けて、経常赤字国はかえって競争力を低下させてしまいます
ユーロ圏が抱える構造上の問題は、ECBによって金融政策は統一されているのに、財政政策は国によってバラバラだということ
仮に(中国が)GDP比で個人消費の割合が60%を占めるようになったら、リーマンショック後に行ったような大規模な景気刺激策を打ったとしても、同じような景気回復を期待できなくなる
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『騙されないための世界経済入門』中原圭介・著 フォレスト出版
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◆目次◆
第1章 米国経済のゆくえ