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『すべては「売る」ために』セルジオ・ジーマン・著 vol.2292


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【コカ・コーラ伝説のマーケター語る】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4903212203
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本日の一冊は、あの悪名高き「ニュー・コーク」の責任者であり、その後の戦略によって「コカ・コーラ・クラシック」や「スプライト」を大成功に導いたセルジオ・ジーマンが、そのマーケティング哲学を語った一冊。

すでに19カ国語に翻訳出版された実績あるマーケティング書で、氏のこれまでの経験と手掛けた事例、ノウハウを凝縮した内容。

なかでも参考にすべきは、そのビジネスに徹した考え方でしょう。

・金を使うのは、金を作るため
・すぐれたマーケターは会社が生産できるものをすべて売る

といった考え方は、氏のストイックな姿勢を示しており、経営者にしてみれば、信頼の置けるCMO(最高マーケティング責任者)ということになるのでしょう。

事例は、従来のコーヒーを陳腐化させたスターバックスの事例や、事前に固定費を回収する航空業界の事例、自らの苦い経験である、「ニュー・コーク」の失敗など、じつにさまざまですが、土井が一番気に入ったのは、ペプシコが導入した「クリスタルペプシ」を無力化した戦略です。

あえてこちらも新商品を出して、カテゴリーごと陳腐化させるというアイデアには、強力な破壊力があると思います。

一流のマーケターの文章は、読んでいてワクワクするものですが、セルジオ・ジーマンの文章も例外ではありません。

自己啓発書としても、ぜひおすすめしたい一冊です。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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金を使うのは、金を作るため

すぐれたマーケターは会社が生産できるものをすべて売る。三分の二でも八〇パーセントでもなく、すべてだ。航空会社はこれをイールド・マネジメントと呼ぶ。値引きをしてでも、すべての座席を売りきるということだ。航空会社の人たちはよくわかっている。私の知るかぎり、早く買うほど安くなるビジネスは航空業界だけだ。固定費をカバーしたうえで、できるだけ収益を増やそうとするのだ

計画の基本は、どれだけの量を売りたいか、または売らなければならないかである。いままでどれだけ売れたか、どれだけなら売れそうかではない。マーケティングには、ゴールに到達するための計画とアイデアが必要だ。ただし「夢物語」ではいけない

ペプシコがクリスタルペプシを市場に導入したとき、コーク側の私たちは、マイクロソフトのネットスケープ対策と同じ目標を設定した―新しい競合商品を無力化するのだ。まず、タブクリアという、クリスタルペプシ同様に透明でコーラ味の新商品を導入した。すでに販売を開始していたダイエットコークと商品の種類は似ているが、戦略はまったく逆だった

一貫性にこだわるより、うまくいきそうな方法を試し、測定し、修正することのほうがよほど重要

パッケージングのコストと広告コストを比較した結果、パッケージのほうが広告より効果が高いのがわかった

ニュー・コークの導入は、結果から見れば、コカ・コーラに対するアメリカ社会の愛着を強め、製品の売上増につながった。だから私としても悔いるところはない(中略)一方で、ニュー・コークの事例から貴重な教訓も得た。ひとつは、消費者は質問に対しておおむね正直に答えるということ。もうひとつは―こちらのほうが決定的だが―彼らは訊かれないことには答えないということだ

誰かがかならず競争に乗り出してきて、あなたの顧客を奪おうとする。どうせ顧客を奪われるのなら、自社で奪ったほうがましではないだろうか

近所の食料品店のコーヒーがまずいと思う理由のひとつは、スターバックスがそう言ったからだ

人は、選ぶ基準がなければまわりに倣う

断食している人には、夜に売る

新商品導入が自己目的化したマーケティングは、怠惰なマーケティングだ、新商品は、新しいカテゴリへの長期的参入を実現するときにのみ導入すべきである

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『すべては「売る」ために』セルジオ・ジーマン・著 海と月社
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◆目次◆

ペーパーバック版序文
まえがき
第I部 マーケティングの「魔法」を解く
はじめに―ブラックボックスを壊す
1.儲けなければ退場あるのみ
2.慎重に、綿密に、戦略を練る
3.アートから科学へ
第II部 最大の売上と最大の利益をもたらす道すじ
4.ポジショニング戦略の組み立て方
5.消費者理解の手がかりは、あらゆるところにある
6.コメディアンが教えてくれること
7.魚のいるところで釣りをする
8.来る日も来る日も明日のことを考える
第III部 最強の実行部隊をつくる
9.人材の求め方、活かし方、高め方
10.広告会社は敵ではない
おわりに―あなたが朝起きる意味は?

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