2010年10月12日
【世界に飛び出したくなる本】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4093897298
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本日の一冊は、大前研一、柳井正両氏が、日本の惨状に耐えかねて、現在の日本の問題点を指摘し、これから成長を続けるための施策を提案した一冊。
タイトルの「この国を出よ」というのは、世界で戦い、学び、やがてチャンスが来たら日本に戻ってこいという意味を込めた言葉で、基本的には、日本国内にとどまらず、広くビジネスを行い、自らを研鑽することをすすめています。
以前から政界進出を目論んでいる大前氏はともかく、柳井氏が政治の世界に口出しするのは珍しく、興味を持って読んでみましたが、基本的にはビジネスのアナロジーをもってリーダーシップやビジョンの欠如を指摘、現在の日本の政治を痛烈に批判しています。
一方の大前氏は、シンガポールをはじめとした海外の政策に言及し、世界の富裕層、企業を呼び込むため、所得税と法人税の減税、相続税の廃止を提案しています。
熱心に勉強しているビジネスパーソンであれば、目新しい情報はさほど多くないと思いますが、自己啓発書として読めば、発破をかけられ、元気が出る一冊です。
土井も本書を読んで、海外に進出したくなりました。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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「バブルの痛手」より「自己保身」が日本の問題
「引きこもり」でも飢えずに生きていけるのは、日本が世界第2位の経済大国という成功を収めたからです。貧困国に「引きこもり」はいません
時代の変化に取り残されれば、昨日の勝者も、今日は敗者なのです
【以上、柳井氏】
2008年度、日本は28年ぶりに貿易収支が赤字に転落。円高地獄にもバブル崩壊にも耐えて積み上げてきた貿易黒字の賜物である外貨準備高の伸びが、2005年を境に止まりました。この外貨準備高でも、中国が日本を抜いて世界一の座に就いています
日本国内で作られる工業製品が国際競争力を失ってしまった
【以上、大前氏】
古今東西、競争のないところに進歩は生まれません。相対評価があるから自分の能力を客観的に把握することができ、優れた部分をさらに伸ばし、足りない部分を補おうと努力するのです
日本人は“自分に不都合な情報”に耳をふさいでいる
僕は、日本がアジアの“保養所”に成り下がるような気がします
【以上、柳井氏】
日本がアメリカを道連れにクラッシュしたら、世界経済は間違いなく崩壊します
ハイパーインフレに耐えられるのは、「金」や「不動産」「外国通貨」などだけでしょう
市場は先取り先取りで敏感に動きます。米びつが4年後に空になるとわかったら、今すぐ売り逃げようとするのが投資家心理です。すでにヘッジファンドが、日本国債が暴落した時に儲かるような仕掛けを準備し始めたという情報も流れています
【以上、大前氏】
僕は「税金」について国家も国民も、もっと真剣に考えるべきだと思います。国家は使途を吟味し、国民はそれを監視する。そして、借金を返すために、国全体が「稼ぐ力」をつけなければならない。つまり、「稼ぐ」ことをもっと奨励するような政治、行政が今こそ求められているのです
未来は現在よりも必ず良くなると信じて、必死になれ
自分は会社の歯車にすぎないと思っていれば、周囲もそうとしか見てくれません。もっと自分自身の可能性に期待して、歯車以上の仕事にチャレンジすればいい
【以上、柳井氏】
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『この国を出よ』大前研一、柳井正・著 小学館
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4093897298
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◆目次◆
プロローグ もう黙っていられない―柳井正
第1章 絶望的状況なのに能天気な日本人
第2章 誰がこの国をダメにしたのか?
第3章 変化を嫌う若者だらけの国を「日本病」と呼ぶ
第4章 「理想の仕事」探しより「自力で食える」人間になれ
第5章 21世紀のビジネスに「ホーム」も「アウェー」もない
第6章 日本再生のための”経営改革案”を提示する
エピローグ 日本を出よ! そして日本へ戻れ―大前研一
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