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『単身急増社会の衝撃』藤森克彦・著 vol.2264


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【単身急増社会がやってくる?】
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もっとも予測しやすい未来、それは人口から推計される未来ではないでしょうか。

ビジネス書の世界では、トンデモ本を含め、数多くの「予測本」が出されてきましたが、当たったものは、ほとんどが人口をベースに書かれています。

ということで、われわれがこれからのビジネストレンドを読むには、人口統計を学ぶのが一番。

そういう意味で役立つのが、本日の一冊『単身急増社会の衝撃』です。

著者の藤森克彦氏は、みずほ情報総研の「社会保障 藤森クラスター」主席研究員で、社会保障政策・労働政策を専門にしています。

本書では、1985年から2005年までのトレンドを分析し、2030年の人口・社会を予測。

20年後、われわれの社会がどうなっているのか、そして単身世帯増加にひそむビジネスチャンスは何なのか、ちょっとしたヒントを与えてくれています。

後半は介護や各国の福祉について述べているため、興味のある方限定のテーマですが、前半の統計は、ビジネスマンはぜひ押さえておきたいところです。

それと、読んでいて気づいたのは、2030年における50代はまさに団塊ジュニア世代、つまり土井も含まれているということです。

そういう意味で本書は、土井が50代になった時の日本を描き出している、そんな一冊でもあります。

「50代の単身世帯なんて他人事」と思っている30代にこそ、読んでいただきたい一冊です。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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1985年から2005年の20年間の変化をみると、男性では50代以上、女性では80歳以上の年齢階層で単身世帯数が3倍以上に増えた

2005年現在、日本には1446万人が単身世帯を形成しており、全人口の11.3%、全世帯の29.5%にあたる

最も単身世帯数が多い年齢階層は20代の男性であり、200万人を超えている

子供のいる夫婦が離婚した場合、未成年の子供は父親よりも母親と暮らすケースが多い。このため、30代や40代の離別女性は、離別男性より単身世帯になりにくい

「夫婦と子供からなる世帯」のうち「夫婦と未成年(20歳未満)の子供からなる世帯」の割合は62%にすぎない(05年)。残りの4割弱は「夫婦と成人した子供からなる世帯」である

女性の30代は「未婚」、80歳以上は「死別」の増加

結婚の意思をもつ未婚者に「独身でいる理由」を尋ねると、全ての年齢階層において最上位にくる理由は「適当な相手にまだめぐり会わない」というもの

総人口に占める単身者の割合は、05年の11.3%から2030年には15.8%に高まる。さらに、全世帯数に占める単身世帯の割合をみると、05年の29.5%から2030年には37.4%に上昇し、主な世帯類型の中で単身世帯の割合が最も高くなる

単身世帯は人口集中地区に居住する

20代の単身男女の8?9割が人口集中地区に居住している

沖縄県の50代男性の未婚率は18.2%と東京都(17.6%)を上回り、全国で最も高い。また、高知県の50代男性の未婚率は14.8%と、沖縄県、東京都に次いで全国3位の水準である

2030年には東京都と大阪府において50代・60代男性の3人に1人が一人暮らし

高齢期は夫婦二人世帯が経済的に恵まれる

単身世帯は「外食費」への支出が高い

50代の単身世帯の就業率をみると、30代や40代に比べて働いていない人の割合が高い。病気によって働けないことや、失業して再就職しようにも職が見つからないという状況もある。ちなみに、2008年の全国の自殺者約3.2万人のうち50代が19.7%を占め、最も自殺の起こりやすい年齢階層となっている

睡眠時間を除いて、単身男性が費やす時間が最も長いのは、「テレビ・ラジオ・新聞・雑誌」であり、一日あたり4時間となっている。単身女性も「テレビ・ラジオ・新聞・雑誌」が最長であり、一日あたり3時間17分を費やしている

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『単身急増社会の衝撃』藤森克彦・著 日本経済新聞出版社
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◆目次◆

第1部 単身世帯の実態
第2部 単身世帯の増加が社会にもたらす影響
第3部 海外の単身世帯
第4部 単身世帯の増加に対して求められる対応

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