2009年3月1日
【堀紘一のリーダー論が新版で登場】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/447800742X
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本日の一冊は、三菱商事、ボストンコンサルティンググループ社長を経て、ドリームインキュベータを創業した堀紘一さんが、リーダーシップ論を語った一冊。
6年ほど前に出たものを新版としてまとめたものですが、混迷を極める経済状況のもと、リーダーに求められる資質と行動を論じた、じつに興味深い内容です。
なかでも注目すべきは、リーダーに求められる「情報」の扱い方と「人」の扱い方について、実践的な方法が論じられている点。
最近は、「Web2.0」という言葉の流行によって、「衆知を集める」ことが正しいという認識が生まれていますが、古代ギリシアがそうであったように、民主主義は常に「衆愚」に陥る可能性をはらんでいます。
本書では、その危険性を指摘したうえで、リーダーが「無難な多数には疑いの目を怠らず」、「一見可能性の薄いように見える少数意見を無視してはならない」ことを説いています。
また、強い組織をつくるためにリーダーがなすべきこと、部下のフォローなど、かなり細かい部分にも触れており、実務面でも参考になります。
これから起業する人に向けて、「起業してもいい条件」なども論じられており、将来リーダーになりたい人も必読の内容です。
リーダーシップを学びたい人は、以前ご紹介した『リーダーの教科書』と併せて、ぜひ読んでみてください。
※参考:『リーダーの教科書』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4270004401/
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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大衆全員が参加することによって、判断・決定の誤りが生まれる危険性が高くなる
真のリーダーとは、私益を超えて公益を求める犠牲的精神の持ち主でなければならない
強い組織をつくるためには、直接戦う人の迷いを吹っ切ってあげる必要がある。また、強い組織をつくるには下位概念の人に責任を押しつけないことである
◆リーダーが果たすべき五つの役割
「ビジョン」「戦略」「組織」「人事」「カルチャー」
人を育てるためにも、下の人ができることを上の人がしてはならない
情報はリーダーにとって力の源泉となるほど重要だが、それゆえにこそ滞りがちになるという危険をリーダーはつねに知り、その危険を未然に防ぐことを考えていなければならない
もとより、企業組織は社会的に有用な存在でなければならない。企業は目的を持ち、社会的な存在意義を持たなければならないが、これからはそのことによって優秀な社員を集められるかどうかが左右されることになる
世の中に成功者が少ないのは、必ずしも運によるものではない。たとえ実現可能な夢であっても、非常な自己努力を必要とし、多くの人はそこまで自分を律しきれないのである
相手にないものを持っていれば、お互い自分の苦手なことをしないですむと同時に、自分にないものを持っているパートナーを相互に尊敬できる
◆起業してもいい条件
1.「どうしてもこれをやりたい」という強い気持ちがあること
2.自分が始めようとするビジネスに、何か差別化の要因があること
3.業界なり商品について十分な知識と経験
つねに勝つこと。それがリーダーに必要な七つ目の行動である
リーダーは血液で継承するものではない。哲学で継承すべきものだ
優秀な戦闘機パイロットと凡庸なパイロットを分ける大きな差は状況判断力と意思決定力に現れた
リーダーは無難な多数には疑いの目を怠らず、安易な妥協をしてはならないし、一見可能性の薄いように見える少数意見を無視してはならない
未来は過去の延長線上にはない
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『リーダーシップの本質』ダイヤモンド社 堀紘一・著
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/447800742X
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◆目次◆
序章 真のリーダーシップとは何か
第I部 リーダーシップの本質
第1章 リーダーという存在
第2章 組織とリーダーシップ
第3章 リーダーの仕事
第II部 リーダーシップの方法
第4章 状況判断と意思決定
第5章 リーダーシップの表現と技術
第6章 リーダーに求められる力
第7章 リーダーシップを学ぶ
あとがき
巻末付録 リーダーシップを学ぶ人のための十冊の本
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