2008年4月25日
【失われた教育をどうするか】
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亡き父が、生前にこんなことを語っていました。
「教師っていうのはすごいよな。人を作るんだもんな」
土井の授業参観に出席した後の会話だったと記憶していますが、いずれにせよ、実業家が一番偉いと思っていた当時の土井に大きな影響を与えた言葉でした。
最近、経営をしていて思うのは、マネジメントの仕事の半分はヒトづくりであるということ。
一生懸命やっても裏切られることもある、思いが伝わらないこともある、それでも信じて伝えること、引き出すことで人は変わっていく。
そんな確かな手応えを感じています。
本日ご紹介する一冊は、まさにその「人づくり」に関する一冊。
元花王の代表取締役会長、常盤文克さんの「モノづくり」「コトづくり」に次ぐ3部作の最終章です。
※参考:『モノづくりのこころ』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4822243893/
※参考:『コトづくりのちから』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4822244954/
低コストと効率性に偏重した現在の経営に警鐘を鳴らし、古今東西の名指導者たちの事例から人づくりの要諦を説く、じつに読み応えのある内容。
経営者はもちろんですが、現場のマネジャーや教師、医師、弁護士、会計士、親など、およそ人を導く立場にある人なら、すべての人が読んでおくべき内容です。
教育の大切さを伝えるエピソードや物語なども紹介されており、読み物としても楽しめます。
ぜひ読んでみてください。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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低コストと効率性に偏重した経営を取り入れた結果、いま、日本企
業の「人づくり」に大きな空白が生まれている。特に危惧されるの
が、本来は中堅層が担うべき現場のリーダーシップの欠如である
「人を創り、人を育て、人で勝負できる会社」こそが伸びていく
「利益を得るのは下の下、名誉を重んじるは中の中、人を育てるは上の上」
どんな教育でもその原点はすべて本人の気づきから始まる
君子には三つの楽しみがある。第一は、父母が健在で兄弟姉妹もみ
な息災であること、第二は、仰いでは天に対して恥ずかしいことが
なく、俯いては何人に対しても後ろめたいことがないこと。第三は、
天下の英才を得てこれを教育すること
「肥料は私の目と手です」(リンゴ農家の木村さんの言葉)
マーシャルは教育法も非常にユニークだった。講義の内容を教室に
出向く途中で考え、シラバスも素っ気ない箇条書き程度だった。講
義に出席した学生たちは口々に、その内容がいかに整理されていな
かったかを語っていたという。そのことはマーシャルの狙いでもあ
った。情報を伝えようとしたのではなく、学生たちの理解力を目覚
めさせようとしたのである
いまの日本にも、江戸時代の寺子屋や私塾のごとく師弟関係が親子
のように濃密な教育環境をつくることは可能だろうか。特に企業の
「人づくり」にその本質を活かせないものだろうか
人は内なる思いや志、使命感に突き動かされて行動するとき、もっ
とも創造的になり、予想外の大きな力を発揮する。良い会社とは経
営者だけではなく、社員がいい。つまり会社全体の雰囲気、企業風
土がいいのである
かつてなら、少しの不具合でも、棒心や職人たちが許さなかった。
そんなことをすれば、自分たちの仕事に誇りを持てなくなるからである
「いちばん大切なことは単に生きることそのことではなくて、よく
生きることである」(ソクラテス)
経営者がやるべきことは、何よりも「きらめく旗」を掲げること
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『ヒトづくりのおもみ』常盤文克・著
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◆目次◆
はじめに
第一章 人は情と自然のなかで育つ
第二章 良い仕事が人を大きくする
第三章 多様性、人を活かす経営
第四章 強い個は強い集団が育む
引用文献・映像
参考文献
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