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『リアルフリーのビジネス戦略』 高橋仁・著 Vol.2753


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【古くさい業界で儲ける方法】
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本日の一冊は、クリス・アンダーソンのベストセラー『フリー』の概念を、リアル店舗が実現するにはどうすればいいか、売上高200億円、会員120万人を実現したエステサロン経営者が指南した一冊。

※参考:『フリー』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4140814047

面白かったのは、なぜフリー戦略が、リアルで難しいのかを説いた50ページ。

「ごく基本的な食パンを無料にし、あなたが作るパンのおいしさをアピール。そして、カレーパンやメロンパンといった有料のパンの購買につなげる」というビジネスモデルがなぜ失敗してしまうのか、著者は、その理由をこう説いています。

「このビジネスは確実にうまくいかない。なぜなら、経営側が抱えるコストがほとんど圧縮できないからだ」

そう、リアルのビジネスでは、限界費用の圧縮に限界があるのです。

では、リアル店舗はどのようにしてフリー戦略を採用すればいいか。

本書では、「リアルフリー」を実現するためのビジネス選びの視点、さらには「草創期」「成長期」「安定期」「再変革期」という4ステージでビジネスを成長させる方法を指南しています。

いくらでも追加で消費したくなる「人間の本能に訴えるビジネス」を選ぶという視点、古いしきたりが幅をきかせる業界を逆手に取る戦略、さらには「スーパースター従業員」「スーパースター店舗」不要論まで、ビジネスを拡大する上で、じつに重要な考え方が示されています。

幻冬舎メディアコンサルティングから出版されているということで、おそらく企業出版というカテゴリーかと思われますが、内容は、通常の商業出版に負けないぐらい読み応えがあります。

クリス・アンダーソンのベストセラー『フリー』のおさらいをしたい方、あるいはリアルビジネスで新展開を狙う経営者に、ぜひ読んでいただきたい一冊です。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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「誰もやっていないことをやる」ことで起業するのは、非常に難しい。そして、「誰もやっていないこと」をやっても、必ずしも成功するとは限らない

「レッド・オーシャン」の中にこそ「ブルー・オーシャン」がある

サービスや商品の価格を限りなくタダに近づけ、多くの人を巻き込んだ経済圏を作ることで利益を得る

◆フリー戦略、4つの基本パターン
1.直接的内部相互補助
  インターネットプロバイダーの「最初の○カ月は使用料ゼロ」
  というキャンペーンが代表格
2.三者間市場
  典型的なのが、広告収入によるビジネスモデル
3.フリーミアム
  基本的な機能しか持たない無料版の製品と、より高度で使いや
  すい有料版を用意するビジネスモデル
4.非貨幣市場
  人は、お金が儲からなくても行動することがある

デジタル世界では、サービスを提供する対象が一人でも1万人でもコストはさほど変わらないが、リアル世界では、顧客の数に応じたコストがかかる。これが、リアルな世界で「フリー」が広がりづらい最大の理由だ

新しく起業するなら、人の本能に訴えるビジネス

リアルフリー戦略では、顧客の数を爆発的に増やすことが成功のカギを握る。ニッチではなく、大市場を目指す方が成功の確率を高められるのだ

リアルフリー戦略では特定地域内で急速に店舗数を増やし、一定以上のシェアを獲得する「ドミナント戦略」が重要になる。そのためには、大きな店を1店舗だけ作るより、小さな店を数多く設立する方がはるかに有利だ

起業した直後は絶対に黒字を出さないこと。仮に利益が出たら、1円も残すことなく、全力で投資に回すべきだ

能力の突出した人材に頼ってはいけない。これは裏を返せば、待遇面でも従業員の間に大きな差を付けてはいけないということだ

「スーパースター店舗」を作ってはいけない

知恵を絞れば、消費者以外から収益を得る方法はいくらでも見つかる。その金額が固定コストを上回れば、全サービスの無料化は実現できる

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『リアルフリーのビジネス戦略』高橋仁・著 幻冬舎メディアコンサルティング
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◆目次◆

プロローグ ゼロからの起業が難しい時代
第1章 「リアルフリー」が“成功する起業”の概念を変える!
第2章 「リアルフリー」の世界で成功するには本能ビジネスがカギ
第3章 リアルフリーステージ1「草創期」
    ―徹底した先行投資で、成長へのドライブを加速せよ
第4章 リアルフリーステージ2「成長期」
    ―爆発する口コミを追い風に、戦線を拡大する
第5章 リアルフリーステージ3「安定期」
    ―2割の“上質”な顧客が8割の利益をもたらす
第6章 リアルフリーステージ4「再変革期」
    ―すべての価格をゼロにしたとき、新しいビジネスが生まれる
エピローグ リアルフリーへの挑戦は今後も続く

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